公園で散歩中、若い女の子達に「かわいい~! 」 とわんちゃんをなでられ、上機嫌なあなた。女の子達と別れた後、こんな耳を疑うセリフが。
「すごくかわいかったけど、結構おデブだよね~。」
それはあなたのことではありません。あなたの愛犬のことです!
愛する我が子だから、そんな風には見えないかもしれません。でも実はぽっちゃり以上かもしれませんよ! ついついおやつをあげちゃう、いつも抱っこしてあげちゃう、なんてことしていませんか?
人間と同じく、犬のダイエットには「食事」と「運動」が重要です。わんちゃんの運動のチャンスといえば、散歩。今回は散歩によるダイエットについてお話しします。
散歩は愛犬にとっても飼い主さんにとっても日課だと思いますので、日々の散歩で楽しく愛犬のダイエットができたらいいですよね。
もうおデブ犬とは言わせない! 一緒に飼い主さんのダイエットもできちゃうかも?!
愛犬の肥満度チェック

まず、あなたの愛犬が太っているか肥満度をチェックしてみましょう。適正体重は、犬種により違いがあるため一概には比較が難しいです。
犬の適正体型の確認基準として、ボディ・コンディション・スコア(BCS)というものがあります。見て・触ってチェックするだけの簡単な方法です。5段階評価で表され、4・5に当てはまると肥満です。
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- 上から見てチェック! くびれがわかるか
- 横から見てチェック! お腹がたるんでいないか・地面と平行ではないか
- 触ってチェック! 肋骨(ろっこつ)が感じられるか
上から見た時に、ウエストがなだらかでくびれがわかる場合は標準。くびれがどこかわからない場合は太り気味です。
横から見た時に、お腹が垂れ下がっている、もしくは地面と平行・隙間があまりない場合は太り気味です。
お腹周りを触った時、脂肪で覆われて肋骨が感じられない場合は太り気味です。
肥満度チェックをしなくとも、行きつけの獣医さんに「この子は太り気味ですね…」と言われている場合はダイエットした方がいいでしょう。
愛犬の健康維持にはやっぱり散歩! メリットがたくさん

肥満度チェックで太り気味の結果が出ちゃいましたか? でも大丈夫です!
わんちゃんの毎日の散歩による運動は、ダイエットの絶好のチャンスです。そもそも散歩には、わんちゃんの結構維持に色々なメリットがあります。
運動不足が解消できる
外で飼っていて1日中リードでつながれていたり、室内の決められたスペースで生活しているわんちゃんは運動不足になりがちです。散歩に連れていくことで、運動不足を解消できます。
ただし、なかには散歩嫌いのわんちゃんもいるでしょう。そのようなわんちゃんは特に運動量が少なくなりがちです。散歩を楽しいと思わせる工夫をして、運動量を増やしましょう。
ストレス発散になる
わんちゃんにとって、体を動かすことはストレス発散にもなります。犬は本来、外で獲物を追いかけて生きる動物です。本能的に、何かを追いかけたい、刺激が欲しいと感じます。
わんちゃんが1日中家の中にいたり、外でもリードでつながれていたりする場合は、ストレスが溜まります。
私たち人間も同じですよね。ずっと同じ部屋に1日中いたらつまらなくないですか? それに、わんちゃんはTVを見たりゲームをしたりと、ひとりで自由に何かをできるわけではないですよね。
そのため、外に出て散歩することはわんちゃんにとって非常に刺激的で楽しく、ストレス発散の絶好の機会なのです。
肥満が原因の病気・ケガ予防になる
- 心臓への負担
- 糖尿病
- 関節への負担
脱臼(だっきゅう)、靭帯断裂(じんたいだんれつ)、関節炎など - 椎間板(ついかんばん)ヘルニア
散歩をあまりしないで運動不足になると太りやすくなってしまい、それが原因でわんちゃんが病気になってしまうことがあります。筋肉量が落ち、わんちゃんの体重が体への負担になることによって、怪我をしやすくもなります。
もし肥満が原因で愛犬が苦しむことになったら、飼い主さんは絶対後悔しますよね。
散歩で運動をすることによって、適切な体重に近づけるまたは保つことができます。病気やケガのリスクを減らすことができるのです。
ちょっとおデブな犬も、本当に散歩で痩せるの?!

本当にうちの子も散歩で痩(や)せるの? と思ったあなた。
はい、痩せられます!
では実際に散歩でどのくらいの運動量になっているのでしょうか? わんちゃんと、飼い主さんとそれぞれ見てみましょう。
散歩の消費カロリーは?
わんちゃんと飼い主さん、それぞれの散歩の消費カロリーです。犬と人間では消費カロリーの計算方法が違うのですが、ややこしい計算式は省きますね。
体重 | 距離100m | 距離1km |
5kg | 4.2kcal | 8.8kcal |
8kg | 6.6kcal | 12.1kcal |
10kg | 7.7kcal | 14.1kcal |
15kg | 10.4kcal | 18.5kcal |
20kg | 12.9kcal | 22.5kcal |
犬の運動時の消費エネルギー一覧表(子犬のへや)を参考に作成
体重 | 距離100m | 距離1km |
40kg | 3.1kcal | 31.5kcal |
50kg | 3.9kcal | 39.3kcal |
60kg | 4.7kcal | 47.2kcal |
70kg | 5.5kcal | 55.1kcal |
80kg | 6.3kcal | 63.0kcal |
犬の表でおかしな点に気付きましたか? そうです、犬の場合は単純に「100mの消費カロリー×10」=「1kmの消費カロリー」とはならないのです。
長距離より、短距離で数回散歩する方がダイエットの効率がいい!
犬は連続して運動を行うと運動効率が高まり、あまりカロリーを消費せずに動けるそうです。通常はメリットになりますが、ダイエットにはうれしくない能力ですね。
そのため散歩は長距離より、数回に分けた方が消費カロリーを増やすことができます。つまり3km×1回より、1.5km×2回の方がより多くカロリーを消費できるということです。
飼い主さんの都合が許すなら、散歩は何回かに分けて連れて行きましょう。
ドッグフードのカロリーはどのぐらい?
- 100gあたり約350~400kcal
- 脂質10~15%以上
ドッグフード100g分のカロリーを消費するには、体重10kgのわんちゃんが散歩1km×25回しないといけないのです! 人間と同じく、食べた分のカロリーを消費するのは簡単ではないですね!
「ドッグフードも低カロリー低脂肪のものにしたい」という方には、「このこのごはん」がおすすめです。
- 低カロリー:100gあたり342kcal
- 低脂肪:脂質約7.5%以上
- たんぱく質たっぷり:鹿肉、ササミ、レバー、まぐろを配合
- 保存料・酸化防止剤・凝固剤不使用で安心



犬の散歩にアプリを使ってみよう!

mean
iOS対応の無料アプリです。
犬の散歩の歩数・距離・ルートを計測・記録できます。ただし犬用ではなく飼い主さん用です。わんちゃんと会話できる機能があり、散歩の回数が増えるごとに精度が増すそうです。
- お散歩ルートをリアルタイムで記録できる
- お散歩の目標を設定し、グラフで確認できる
- AIチャットボットがわんちゃんの代わりに気持ちを伝えてくれる
- 他の家族が行った散歩ルートが確認できる
歩数計POPOPO
こちらもiOS用の無料アプリです。
歩数・運動時間・消費カロリー・距離を1日単位や時間別で計測できます。こちらもただし犬用ではなく飼い主さん用です。他ユーザーとの歩数ランキング表示があり、モチベーションアップになります。
- 歩いた歩数・時間・カロリー・距離を記録できる
- ユーザー同士の歩数ランキングあり
- 「世界一周」「月面旅行」などのチャレンジ機能あり
歩数計
こちらはAndroid用の無料アプリです。
歩数・歩行時間・消費カロリー・距離、時速を表示できます。こちらもただし犬用ではなく飼い主さん用です。比較的シンプルです。
お散歩Time
犬専用のウェアラブルデバイス(別売り)と連動させて使う、無料アプリです。ウェアラブルデバイスとは、アップルウォッチのように身に着けるタイプの機器のことです。
iOS、Android両方に対応しています。わんちゃん用の情報誌「いぬのきもち」を出版している株式会社ベネッセコーポレーションが手がけています。
お散歩Time(ウェアラブルデバイス)
- わんちゃんの情報を入力すると、適切な散歩時間を教えてくれる
- 散歩中、散歩の残り時間を教えてくれる
- 散歩終了時に飼い主さんの消費カロリーを教えてくれる
- ゲーム機能もあり、散歩時間に応じて楽しめる
お散歩Time ウェアラブルデバイス(公式サイト)
お散歩Timeアプリのダウンロード(iOS, Android対応)、無料
犬用の歩数計もある!

ご紹介したアプリは人間用の歩数計ですが、わんちゃんに装着しわんちゃんの歩数を計測できる歩数計もあります。
ヤマサ犬用歩数計「わん歩計」WP-350
- わんちゃんの首輪に装着
- 約19g(電池含む)で軽量
- 過去7日分のデータを記録・確認可能
- 犬モードと人モードの切り替えが可能
- LEDライト搭載で夜間の散歩にも安心
散歩だけではなく、家の中で動いた分の歩数も計れるためお留守番中わんちゃんはどのくらい動いているのかな? と気になる人にもぴったりです。
「わんちゃんに付けてみたら、留守番中はほぼ寝ていた(動いていない)とわかった。」という口コミもあります。おもしろいですね。
機能たっぷりでぜひ使ってみたい商品ですが、メーカーが生産終了しているため売り切れているところも多いようです。気になる方は今のうちにチェックしてみましょう。
犬の散歩ダイエットのコツ

散歩での消費カロリーはわかりましたが、少しでも効率よくダイエットしたいですよね。散歩ダイエットにはいくつかコツがあります。
犬の散歩はご飯の1時間後がいい
カロリーを消費しやすい散歩のタイミングは、「ご飯の1時間後」です。
ご飯の前(空腹状態)に散歩をすると、体が省エネモードになり消費カロリーが抑えられます。かつ、散歩後に食事をするとカロリーや脂肪が蓄えられやすくなってしまいます。
ただし、ご飯の直後だとまだ胃の中に食べ物がたくさん入っているため「胃捻転(いねんてん)」になるリスクがあります。
「胃捻転」とは、胃がねじれて胃の中の食べ物が腸に移動できずガスが出て膨らみ、周囲の臓器を圧迫してしまう病気です。大型犬に比較的多く、数時間で死に至ってしまうこともあります。
焦らずに、食後1時間ほど時間を置いてから散歩をしましょう。
犬の散歩は、走るより歩いた方が効果的で続けやすい
歩く散歩は「有酸素運動」にあたり、ダイエットに効果的です。
一方、走ることは「無酸素運動」にあたります。瞬間的にエネルギーは使われますが中性脂肪までは消費されません。しかも、走ってわんちゃんがバテてしまうと、全体的には運動量が減ってしまう可能性があるのです。
歩いた方がいいもう一つの理由として、肥満のわんちゃんに急に激しい運動をさせると、関節や心臓に負担がかかりやすくなることがあげられます。無理に走るのではなく、歩いて散歩させましょう。
散歩中、愛犬におやつは与えてもいい?
ダイエットをしたいなら、おやつは与えないことが一番です。
でも散歩が嫌いだったり、散歩の回数や距離を増やすと嫌がるわんちゃんもいるかもしれません。そんな時におやつでモチベーションをアップさせるのはいい方法です。
- 野菜・果物
- 手作りおやつ
- 骨系のおやつ
- 低カロリー・低脂肪のドッグフード
野菜・果物、手作りおやつ
市販のおやつよりも比較的低カロリー・低脂肪です。野菜なら、茹でたキャベツ・さつまいもなど。果物なら、梨・りんご・みかんなど。ネギ、ぶどうなどわんちゃんには与えてはいけないものもあるため、事前に確認しましょう。
骨系のおやつ
低カロリー・低脂肪で、噛みごたえがあり満足感も感じやすいです。ただし、実際は骨ではなく小麦粉・肉・脂肪・添加物などでできた加工品もあるため、買う前に原材料を確認しましょう。
低カロリー・低脂肪のドッグフード
ドッグフードを数粒おやつとして与えるのもいい方法です。1粒が小さく、与える量をコントロールしやすいメリットがあります。低カロリー・低脂肪のドッグフードだとよりいいですね。
散歩時間や距離を伸ばす場合は、少しずつ
「さあ散歩でダイエット! 今日からいつもの倍、散歩しよう!」と意気込んではいけません。わんちゃんはもちろん、飼い主さんも疲れてしまいますよ。
まずは数分、数百メートル伸ばすことから始めましょう。それでも毎日行えば、運動量は確実に増えていきます。わんちゃんの体調や様子を見て、少しずつ時間や距離を増やしていくのがおすすめです。
ダイエットは、長期的に少しずつ痩せることが重要です。体への負担も小さく済み、続けやすくなります。
わんちゃんもダイエットでリバウンドやストレスが溜まることがあります。そうならないように一緒に楽しく継続したいですよね。
なかなか散歩させてあげられない時は

飼い主さんが、仕事や用事で毎日散歩させるのは難しいこともあると思います。そんな時は、ちょっと視点を変えてみましょう。
散歩代行を利用する
自分が散歩に連れていけない時は、散歩代行という有料のサービスを使う方法があります。事前に散歩代行スタッフさんと打ち合わせが必要になる場合が多いですが、1回30分など気軽に利用できるので、どうしても都合がつかない方は利用してみるといいでしょう。
ドッグランに連れて行く
わんちゃんをドッグランに連れて行き思いっきり遊ばせることも、ダイエットや運動不足解消にいい方法です。無料で利用できるドッグランもあるので、みなさんの住んでいる地域で調べてみて下さい。
まとめ
わんちゃんの散歩ダイエット、読む前は半信半疑だったあなたも意外とできそうだなと感じたのではないでしょうか?
- 愛犬を見て・触って肥満度チェックできる
- 散歩には犬の健康維持のメリットがたくさんある
- 長距離より、短距離で数回散歩する方がダイエットの効率がいい
- アプリや歩数計で記録・モチベーションアップがおすすめ
- 犬の散歩はご飯の1時間後がいい
- 犬の散歩は、走るより歩いた方が効果的で続けやすい
- 散歩中おやつを与えるなら、野菜・果物・手作りおやつ・
骨系のおやつ・低カロリー低脂肪のドッグフードがおすすめ - なかなか散歩させてあげられない時は、散歩代行やドッグランを利用する
わんちゃんと飼い主さんの健康維持と運動不足解消のために、ぜひ試してみてください。毎日の散歩で効率よくダイエットしましょう!