愛犬が年を重ねても毎日健康で過ごせるように、飼い主さんはわんちゃんの健康管理に気を配らなければなりませんね。食事の量や運動量、おやつの与え方なども大切ですが、みなさんわんちゃんの目の周りチェックしていますか?
朝起きるとわんちゃんの目の周りが涙で濡れてたり、目やにがついていたりと見たことはあると思いますが、その目やによく見てみて下さい。目やにの色が黄色くなったり緑色になっていませんか? そしてその目やに、臭いがしたりしていませんか? 「そう言えば最近やたら目やにが多くなってきた気がする」「膿のような目やにが出てる」「目の周りなんか臭いがする」このような状態のわんちゃんの目は既に病気になってしまっているんです。
わんちゃんの目やにの色や臭い、目やにが出ることでどんな病気になっているのか更には目やにを未然に防ぐためのちょっとした対策もご紹介したいと思います。
そもそも目やにってなに? 目やにの原因はなにか?

目やにの正式名称は眼脂(がんし)と言います。結膜などから出るムチンという粘液を主成分に新陳代謝で剥がれ落ちた細胞や、老廃物、ゴミなどが混ざってできたものを目やにといいます。



正常な目やにと異常な目やにの違いは?

上記でお話したとおり目やにの中には生理現象の範囲内で現れる目やに、目の病気が原因でできる目やにと2パターンあります。生理現象の範囲内で現れる目やには、朝わんちゃんの目のふちや目頭についていた目やには、昼間まばたきによって涙とともに目頭に流されます。睡眠時はこの作用がありません。
健康なわんちゃんでも起床時には目やにがついていることはあります。目やにが少量で、色は白、黒、茶、灰色の目やには異常なしの目やにであり大きく心配する必要はありません。目やにがあれば優しく拭き取るようにしましょう。
反対に次のような目やにには要注意です。これらが確認できればわんちゃんの目が病気になってしまっている危険性があります。
- 目やにの量が急に増える
- 黄色い目やに・黄緑色の目やに
- ねっとりとした目やに
- 眼球にべったりつく目やに
このように新陳代謝によって出る目やに、炎症や感染などによる目の病気によって出る目やにとそれぞれ特徴があります。このような目やにが現れたらすぐに病院で診てもらうようにしましょう。
目やにが出ることで考えられる目の病気

生きていく上で見ることを欠かせない目。目の病気って言われると目が見えなくなってしまうのでは? と不安と恐怖心が芽生えてしまいますよね。では目の病気はどんな症状があるのか? 症状は様々な形で現れます。わんちゃんの目がしょぼしょぼしている、目が赤いなどといろいろあります。ではどんな症状が現れるのかこちらでご紹介したいと思います。
角膜炎
黒目の表面を覆っている角膜の炎症を言います。ゴミなどの異物が目に入る、目をこする、物が当たるなどして傷がついてしまうことで炎症が生じます。また病原体の感染や涙が少ないことが原因になることもあります。
結膜炎
まぶたの裏側から白目の表面を覆っている結膜の炎症を言います。病原体の感染の他に砂、ほこりなどの異物、アレルギー、涙の減少が原因で発症することもあります。
流涙症(りゅうるいしょう)
大量の涙が流れることで涙やけがおこる病気のことを言います。目頭を中心とした体毛が変色するだけではなく皮膚の炎症を伴います。涙やけの症状が悪化してかゆみが生じ、わんちゃんが引っ搔いてしまうことで目周りの皮膚に傷をつけてしまうことがあります。
ぶどう膜炎
眼球や結膜が充血することで痛みを伴う目やにが大量に発生する病気です。感染症や目の病気が進行した時に合併症として起こります。
緑内障
眼球の圧力(眼圧)が上がり眼球が少し盛り上がったように見える病気です。痛みを伴い失明する可能性が高い病気です。黄色く粘着性の高い目やにが発生することが多いと言われてます。
鼻炎
目の病気の他にも鼻炎も目やにの要因としてあげられます。鼻の粘膜が炎症を起こしている状態のことを言います。鼻の粘膜が刺激を受けることにより目やに、くしゃみ、鼻水などの症状が出ます。




目が赤い・臭いのする目やには要注意!

ここまで様々な目やにの色や状態、目やにから現れる病気などをご紹介してきましたが、その他にもわんちゃんの目が赤い、臭いがするようであれば要注意です。目が赤くなる要因としてあげられるのは結膜が炎症している可能性があります。結膜が炎症し続けることで目が充血し眼結膜充血になってしまいます。
余談ですが、私の友人で視力が悪く普段はコンタクトレンズを入れている友人がいます。その友人が寝る前にコンタクトレンズを取り忘れ、そのまま装着して寝てしまい、翌朝に起床時に取り忘れてしまったことに、気が付いて鏡で見たら目が赤く充血、目頭に目やにが緑色になっていたそうです。
コンタクトレンズを取り忘れてそのまま寝てしまったことで、目の炎症が出てしまったと、話ししていたことがありました。
また目が片目だけ赤くなっていると物理的刺激が原因であり、両目が赤くなっていると細菌やウイルスによる感染症、アレルギーが主な原因となります。結膜炎のほかに目が赤くなる原因は体温の上昇、興奮、赤血球の増加が考えられます。
また目やにが臭う原因は赤色に染める色素を持つ菌にある可能性が高いです。目元が赤茶色になってくると同時に、臭いがキツくなっているようであれば、菌が繁殖しているのが原因と思われます。






以下の画像はわんちゃんの目が赤くなっている時に参考にしてもらいたいものです。
透明な目やにはどうなの?

わんちゃんの目やにが透明であれば目の中にシャンプーが入ったり、高齢で涙を流したりしていることが原因であることが多いです。決して悲しくして流している涙ではありませんので、安心してくださいね。透明な目やにが出ている主な原因をそれぞれお話します。
シャンプーやゴミなどが目に入ってしまった
シャンプーやゴミが目に入った場合、精製水で片目ずつ丁寧に洗い流しましょう。水道水は消毒剤が入っているため、水道水で洗ったり眼球を直接触るような洗い方をしてしまうと、眼球を傷つけてしまうので要注意です。精製水はコンビニエンスストアやドラックストアーなどにも販売されているので、目のケア用品として1本置いておくとよいでしょう。
わんちゃんの目に入ったシャンプーやゴミを放置してしまうと目の充血、結膜炎などの目の病気を発症してしまう恐れがあり、最悪の場合失明してしまうことも考えられますので十分に気を付けましょう。
歯の神経痛
高齢犬に多い症状です。加齢と歯周病が原因で歯がグラグラしてしまい咀嚼、排泄の際などに痛みが生じます。これらにより神経が刺激され透明な目やにが出ることがあります。この場合は歯が自然脱落することが最適だと考えられます。
なぜ自然脱落が最適かと言うと、その理由は抜歯する際に全身麻酔をしてから抜歯することになり、高齢のわんちゃんの身体に全身麻酔すると身体が持ちこたえられなかったり、そのまま目が覚めなかったりするリスクもあるため、全身麻酔の抜歯は正直勧められません。
また歯が抜けるまでの間は顔が腫れたり、それに伴い痛みが生じる可能性もあるため抗生物質、消炎鎮痛剤を投与することがあります。




悪い目やにを防ぐ方法はないのか?

では悪い目やにを未然に防ぐためにはどうしたら良いのか気になりますよね。上記でもお話した通り悪い目やにの多くは炎症と菌の感染症が原因ですが、実はわんちゃんが毎日食べているドックフード、ジャーキーも関係しているんです。なぜドックフードやジャーキーが関係しているのかと言うと、質が悪いドックフード、ジャーキーを食べることで、わんちゃんの体内に老廃物がたくさん蓄積されてしまうからなのです。
老廃物が溜まってしまう原因は分解しにくいタンパク質、脂質、添加物が蓄積されるためです。老廃物を体内に溜めてしまうことにより、本来は老廃物を排出する肝臓や腎臓の機能が免疫力の低下により、オーバーワークになってしまい、本来うんちやおしっこで体外で排出されるべきものが排出されないため、目やにや耳あかとして排出されているのです。
更には体臭も発生することもあります。ですので、わんちゃんの普段の食事の質を見直し体の内側から改善していく必要があります。目やにが出てきたらしっかり目元を綺麗に拭き取って清潔に保つようにしましょう。





まとめ
ここまで目やにが出てしまう原因、病気に繋がる目やに、事前に目やにを防ぐ対策をご紹介させて頂きました。
- 目やには日常でごく当たり前に出るもの
- 目やにの色が黄色、黄緑色などの場合は目の病気の合図
- 目の病気は様々であり注意深く観察するように
- 目の充血はアレルギーの症状が出ている・目やにの臭いは菌が繁殖している可能性あり
- 透明な目やにも要注意症状
- 悪い目やにを防ぐためにもわんちゃんの身体の内側の改善(ドックフードの質を見直す)と外側の改善(目やにを素早く取り除く)を心がける
普段の生活で目やに、目が充血していることで実は既に目の病気になってしまっていたと、意外に目の病気は身近にあります。しかしながらわんちゃんたちは人間のように「目がかゆい」「涙がたくさん出てくるけどこれはなに? 」とこのように話すこと、訴えることが出来ません。
何らかの症状に気づいてあげられるのは私たち飼い主であり、大きな目の病気にならないためにも日々の目の周りのチェックは欠かせないですし、それに伴い対策もしていきたいところですね。目やにが明らかにたくさん出たり、色が変色しているようであれば迷わず病院へ受診しましょう。
目やにを取り除くのも大切ですが、日々わんちゃんが口にしているドックフード、おやつの質を見直すだけでも身体の中から綺麗にすることで健康維持ができ、いつまでも健やかでいられるようになれば、飼い主さんやわんちゃんにとって嬉しい限りですよね。
最後まで読んで下さりありがとうございました。