愛犬の食事量ってみなさん把握してますか?
おそらくドッグフードのパッケージに書いてある量を、参考にしておられる方も多いのではないでしょうか? パッケージに書いてある量は、たくさんのわんちゃんからとったデータですので平均値にすぎません。
あくまでも目安にすぎないので、わんちゃんの年齢や体重など変化に合わせて食事量を変えてあげる必要があります。与えすぎると肥満になりますし、肥満は万病の元です。
野菜や果物も与えすぎで病気になる可能性が高まりますし、中には取り返しのつかない病気になることも。
最近手作りご飯を作り始めた友達が量に悩んでいるのを知って、どの家庭にもあるような食材をまとめて書いてあると便利だなと思いました。
そこで今回は食事量が分からない飼い主さんのために食事量に加え、年齢別の注意点や回数、食材別の適量をご紹介していきたいと思います。
まずはこれから! 愛犬の適量を理解しよう!

適量を知りたくても、「適量ってどうすれば分かるの?」って思いますよね。私も以前、調べるまではそう思ってました。適量を出す簡単な計算方法がありますので、一緒に計算していきたいと思います。
1. 安静時エネルギー要求量(RER)を計算
(理想体重×理想体重×理想体重)で出た数字を表示したまま√2回押す×70
5×5×5=125
125を表示したまま√を2回押す=3.343…
70をかける
3.343×70=234.059…
理想体重5キロの場合、RERは約234kcal/1日となります。
iPhoneの場合、横にすると「√」表示されるようになります。
実際の電卓表示はこのような感じになります。数字は計算後の表示になっています。「√2回」は矢印の所を2回押して下さいね。

2. 安静時エネルギー要求量(RER)から1日の必要エネルギー量(DER)を計算
安静時エネルギー要求量(RER)×活動係数(下記参照)=1日の必要エネルギー量(DER)
上記1で計算したRERは約234kcal/1日ですので、それに活動係数をかけます。
234×1.8=421.2
体重5キロ 避妊・去勢していない成犬の場合、DERは約421kcal/1日となります。
活動係数
避妊・去勢していない成犬 | 1.8 |
避妊・去勢している成犬 | 1.6 |
肥満傾向の犬・高齢犬 | 1.4 |
妊娠中の犬(1~4週) | 2.0 |
妊娠中の犬(5~6週) | 2.5 |
妊娠中の犬(7~8週) | 3.0 |
授乳中の犬 | 4.0~8.0 |
4か月未満 | 3.0 |
4~9か月 | 2.5 |
10~12か月 | 2.0 |
3. 1日に必要なフード量を計算
DER ÷(与えている餌の100gあたりのカロリー)× 100 = 1日のフード量(g)
上記2で計算したDERは約421kcal/1日ですので、それを与えている餌の100gあたりのカロリーで割り出た数字に100かけます。




421÷342×100=123g
体重5キロ 避妊・去勢していない成犬の場合、1日のフード量は123g/1日が適量となります。
1日に2回食事を与えている場合は1回分61.5gになります。
一緒に計算してきましたが、こちらに便利なサイトがあります。体重など入力すると簡単に計算してくれますので、計算するのが苦手な方はお試しください。
おやつを与える場合は1日の食事量の10%以内を与えるようにして、食事量は少し減らしてくださいね。
例えば上記の1日のフード量ですと、123×10%=約12g/1日以内となります。
こちらはラテとマロンのご飯になります。気になる方はご覧ください。
愛犬の年齢別! 食事の回数はどれくらい?

わんちゃんは成長に合わせて食事の回数を変えていきますが、初めてわんちゃんを家族に迎え入れた飼い主さんは、どれくらいの時期に何回くらい与えればいいかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
子犬だけではなくシニア犬も体調に合わせて変えていく必要があります。そこで、大まかな年齢別に回数をまとめてみました。
幼年期(生後2~4か月)
子犬は消化器官が未熟なので、一日の食事量を4~5回に分けて与えます。
食事の時間の間隔は4時間前後で大丈夫ですが、1回の食べる量が少ないわんちゃんは低血糖を起こす可能性があるため、5回に増やすなど様子を見ながら調整して下さいね。

成長期(生後5~12か月)
これくらいになると胃腸が発達していますので、2回に徐々に減らしていくことが出来ます。食の細いわんちゃんは3回に分けて与えて、様子を見ながら2回に減らすようにして下さいね。
成犬期(1~6歳)
2回に分けて与えます。内臓機能も発達しているので、1日1回でも大丈夫と言われることもありますが、空腹時間が長いと胃液を吐いたり勢いよく食べて消化不良を起こしたり、トラブルの原因となる可能性が高いので2回に分けて与えて下さいね。
シニア期(7歳以上)
個体差はありますが、内臓機能が衰えてきたり歯周病などの口腔内環境が悪化して、食欲が減少するわんちゃんもいます。





ドッグフードをふやかす他にも、わんちゃんに害のない野菜や肉の煮汁などかけてあげるだけでも効果的です。
わんちゃんの舌は甘みを感じやすいので食いつきが悪い時は、さつまいもなどトッピングしてあげるのもおすすめですね。
食が細いわんちゃん
食が細いわんちゃんは成犬になっても急に回数を減らすのではなく、様子を見ながら徐々に2回へ変更してあげて下さい。
人間でも食が細い人がいるのと同じで、一度にたくさん食べることが出来ないわんちゃんもいるので、その時は無理に2回にせず3回に分けて与えて下さいね。
食後すぐ吐くわんちゃん
わんちゃんがご飯の直後に嘔吐するのは、病気以外では「早食い」や「食べ過ぎ」がほとんどです。
早食いで吐いてしまうわんちゃんは、早食い防止用のエサ入れに変更するだけでも効果的です。友達のわんちゃんも早食いでたまに吐くことがあったみたいですが、ドライフードに水を入れて与えると吐くことがなくなったそうです。
ドライフードは乾燥しているので水分と一緒に食べることで水分補給にもなりますし、喉越しもよくなるのでいいですね。
1回分の適量を与えているのに吐く場合は、1回分の量を減らして与える回数を増やすことで改善されることがあります。
以前の食事量の記事でボディ・コンディション・スコア載せておりますので、わんちゃんの体型チェックしてみてはいかがでしょうか?
愛犬大好き 食材別9選! 与える量、注意点やメリットは?

手軽に手に入り、わんちゃんも好きな食材って多いですよね。トッピングや手作りご飯などで使う方も多いと思いますが、いざ使うとなると「量ってどれくらい与えていいのかな?」と疑問に思われている方もいると思います。
そこで、よく使われている食材や栄養豊富な食材のメリットや与えていい量をまとめてみました。
1.愛犬に大人気のさつまいも
さつまいもが好きなわんちゃんは多いですよね。食欲がない時などトッピングで栄養補給出来るので飼い主さんにとってもありがたい食材です。
さつまいもを切った時に白い汁が出ますが、その汁を「ヤラピン」と言います。さつまいもに含まれる食物繊維とヤラピンとの相乗効果で、便秘に良いと言われています。
ヤラピン | 腸のぜん動運動を促す |
食物繊維 | 整腸作用 |
ビタミンE | 抗酸化作用 |
ビタミンC | 抗酸化作用 ガンを抑制する |
ビタミンB群 | 炭水化物・脂質・たんぱく質を体に必要なエネルギーに変える |
カリウム | 塩分を排出する 血圧を下げる |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 8 |
3 | 17 |
5 | 26 |
10 | 45 |
15 | 60 |
20 | 75 |
30 | 102 |
参考:All About
- 皮は消化しづらいので、皮は取り除くか皮のまま与えるときは細かく刻む。
- 与えすぎは肥満になる可能性があるので注意。
- 犬はかまずに飲み込こむことがあるため、与える時の大きさに注意。
- シュウ酸やカリウムが含まれるためシュウ酸カルシウム結石や腎臓病、心臓病のわんちゃんには控える。
2.愛犬にも栄養満点のバナナ
バナナは人間の栄養補給にもいいですよね。それはわんちゃんも同じですが、糖分が多いので与える量に注意が必要です。
食物繊維 | 善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすなどの整腸作用 |
ビタミンB群 | 炭水化物・脂質・たんぱく質を体に必要なエネルギーに変える |
カリウム | 塩分を排出する 血圧を下げる |
マグネシウム | 血圧を調整 |
ポリフェノール | 抗酸化作用 |
トリプトファン(=セロトニン) | 神経を落ち着かせる |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 6 |
3 | 15 |
5 | 22 |
10 | 37 |
15 | 48 |
20 | 62 |
30 | 83 |
参考:All About
- 与えすぎは肥満になる可能性があるので注意。
- 犬はかまずに飲み込こむことがあるため、与える時の大きさに注意。
- マグネシウムが含まれるので、ストルバイト結石のわんちゃんに与えるのは控える。
- カリウムが多いので腎臓病や心臓病のわんちゃんに与えるのは控える。
3.愛犬も好きなもちもち白米ご飯
うちのマロンもご飯が大好きですが、ご飯が好きなわんちゃん多いですよね。栄養バランスのいいご飯ですが、8割近くが糖質なので与えすぎは肥満になる可能性があります。
でんぷん | ブドウ糖がたくさんつながったもので炭水化物源 |
タンパク質 | 血液や筋肉などの体を作る |
炭水化物 | エネルギー源 |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 40 |
3 | 80 |
5 | 120 |
10 | 200 |
15 | 270 |
20 | 340 |
30 | 460 |
参考:ほりんふ
- 味付けはしない。
- 食物繊維の消化が苦手なので柔らかめに炊く。
- 太りやすいわんちゃんには少量与える。
- 糖質制限のあるわんちゃんには与えるのは控える。
4.万能野菜 キャベツ
キャベツは年中手軽に手に入りますので、重宝されている方も多いのではないでしょうか。人間のご飯を作るついでにわんちゃんの分を取り分けるなど、気軽に使うことが出来ますよね。キャベツも好きなわんちゃんが多い食材です。
ビタミンC | 疲労回復 ガンを抑制する |
ビタミンU(キャベジン) | 胃腸粘膜の修復 |
ビタミンK | 血液の凝固促進 |
食物繊維 | 腸内環境を整える |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 10 |
3 | 25 |
5 | 37 |
10 | 63 |
15 | 85 |
20 | 105 |
30 | 143 |
参考:All About
- 食物繊維の消化が苦手なので、細かく刻んで与える。
- 食べ過ぎると消化不良を起こすので、与えすぎに注意する。
- キャベツの芯には硝酸イオンが含まれているので、与えるのは控える。
- さつまいもと同じで、シュウ酸カルシウム結石のわんちゃんに与えるのは控える。
- 甲状腺に持病があるわんちゃんは、甲状腺機能低下症になる可能性があるので与えるのは控える 。
5.愛犬も好きなシャリシャリ食感のりんご
りんごは栄養豊富で水分も多く、シャリシャリっとした食感が好きなわんちゃんも多いですよね。あまり水を飲まないわんちゃんにも水分補給になりますし、夏バテ予防にもなるのでいいですね。
ポリフェノール | 抗酸化作用 |
ペクチン | 整腸作用 |
クエン酸やりんご酸 | 疲労回復、殺菌作用 |
食物繊維 | 腸内環境を整える |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 8 |
3 | 20 |
5 | 30 |
10 | 50 |
15 | 70 |
20 | 86 |
30 | 116 |
参考:All About
- 種や茎、葉には有毒な成分が含まれているので、必ず取り除く。
- 皮ごと与える場合は低農薬や無農薬のものを与える。
- 糖分やカリウムが多いので与える量に気を付ける。
- カリウムが多いので腎臓病や心臓病のわんちゃんに与えるのは控える。
- 下痢をしているわんちゃんに与えるのは控える。
- 犬はかまずに飲み込こむことがあるため、与える時の大きさに注意 。
6.愛犬に卵? 食べていいの?
卵は「完全栄養食」と言われるくらい栄養素が豊富ですよね。現在、卵を食べる事を控えないといけない病気や薬はないので安心ですね。食欲がないわんちゃんやシニア犬にも栄養補給におすすめです。
タンパク質 | 血液や筋肉などの体を作る |
ビタミンA | 目の角膜や鼻などの粘膜、皮膚を健康に保つ |
ビタミンB群 | 炭水化物・脂質・たんぱく質を体に必要なエネルギーに変える |
ビタミンD | カルシウムとリンの吸収を促進、血液中のカルシウム濃度を保つ |
ビタミンE | 抗酸化作用 |
葉酸 | タンパク質や核酸の合成を促進、細胞の生産や再生を助ける |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 7 |
3 | 17 |
5 | 25 |
10 | 41 |
15 | 56 |
20 | 70 |
30 | 94 |
参考:All About
- 卵黄は新鮮なものに限り生でも大丈夫ですが、加熱した方が安全。
- 卵白は皮膚や被毛に大事な「ビオチン」を破壊する酵素が含まれてるので、加熱する。
- 犬はかまずに飲み込こむことがあるため、ゆで卵は細かく刻む。
- ゆで卵は冷ましてから与える。
7.意外な食材 納豆
納豆にはビタミンやミネラルが豊富に含まれ、食物繊維も豊富なので整腸作用があるのでいいですね。人間にも体に良い納豆ですが、わんちゃんにも与えることが出来ると知って驚きでした。
意外な食材ですが、体にもいいので飼い主さんが苦手でなければ試してみてはいかがでしょうか。
ビタミンK | カルシウムの吸着や出血時の凝固作用 |
ナットウキナーゼ | 血管にできてしまった血栓を溶かす |
大豆サポニン | 抗酸化作用 |
食物繊維 | 腸内環境を整える |
体重 | 与えていい量 |
1 | 30 |
3 | 5 |
5 | 7 |
10 | 16 |
15 | 22 |
20 | 27 |
30 | 37 |
参考:All About
- カリウムが多いので腎臓病や心臓病のわんちゃんに与えるのは控える。
- ビタミンKが多いので血栓予防剤を飲んでいるわんちゃんに与えるのは控える。
- 鉄の吸収を阻害する成分が含まれているので、貧血関係の薬を飲んでいるわんちゃんに与えるのは控える。
- 納豆についているタレや薬味は入れない。
8.お手軽な食材 豆腐
豆腐は「畑の肉」と言われるくらいタンパク質が豊富です。絹ごし豆腐よりも、木綿豆腐の方がタンパク質は多いです。豆腐はヘルシーなイメージですが、意外と脂質も多く与えすぎるとカロリーオーバーするので気を付けて下さいね。
タンパク質 | 血液や筋肉などの体を作る |
サポニン | コレステロールや脂肪の吸収を阻害 肝機能を保護 抗酸化作用 |
イソフラボン | 抗酸化作用 血行を促進する |
リノール酸(不飽和脂肪酸) | コレステロール値を下げる アレルギーを抑制する |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 9 |
3 | 20 |
5 | 30 |
10 | 50 |
15 | 68 |
20 | 85 |
30 | 115 |
参考:All About
- できれば原材料が大豆とにがりだけのものを選ぶ。
- タンパク源のメインにするのは控える。
- 鉄の吸収を阻害する成分が含まれているので、貧血関係の薬を飲んでいるわんちゃんに与えるのは控える。
- マグネシウムが含まれるので、ストルバイト結石のわんちゃんに与えるのは控える。
9.夏野菜 トマト
トマトやミニトマトはプランターや家庭菜園で育てている方も多い、身近な野菜の一つですよね。私の友達の子供も庭で遊びながら、プランターのミニトマトをおやつ代わりに食べていたのを覚えています。
近年注目されているリコピンはビタミンEの100倍の抗酸化作用があり、リコピンは加熱すると吸収が良くなるそうです。
ビタミンA | 目の角膜や鼻などの粘膜、皮膚を健康に保つ |
ビタミンC | 疲労回復 ガンを抑制する |
ビタミンE | 坑酸化作用 |
ビタミンB群 | 炭水化物・脂質・たんぱく質を体に必要なエネルギーに変える。 |
リコピン | 坑酸化作用 |
カリウム | 塩分を排出する 血圧を下げる |
食物繊維 | 腸内環境を整える |
鉄分 | 体中に酸素を供給 |
体重 | 与えていい量(g) |
1 | 11 |
3 | 25 |
5 | 37 |
10 | 62 |
15 | 85 |
20 | 15 |
30 | 143 |
参考:All About
- トマチン中毒になるので、未熟なトマトや花、葉、茎は絶対に与えない。
- 皮は消化しにくいので加熱して皮をむく。
- カリウムが多いので腎臓病や心臓病のわんちゃんに与えるのは控える。
- 血栓予防剤を飲んでいるわんちゃんに与えるのは控える。
9種類の食材をご紹介してきましたが、どれも栄養豊富な食材です。適量を与えるのであれば栄養補給出来たり、不足しがちな栄養分を補ったり出来るのでおすすめです。
ですが、過剰に与えると肥満になったり病気になる可能性もあるので、量には気を付けて下さいね。
もう一つ気を付けて頂きたいのが、アレルギーです。初めて与える食材は少量与えてみて、体調に変化がないかよく観察してあげて下さいね。
まとめ
今回は食事量やメリット、注意点についてお話してきました。わんちゃんの年齢や体調などで食事の量や与え方を変えていく必要がありますが、よく観察しておうちのわんちゃんに合った与え方をしてあげて下さいね。
今回の内容のおさらいです。
- わんちゃんの1日に必要な食事量は簡単に計算できる。
- 年齢により与える量や回数を変えてあげる。
- 食が細いわんちゃんなど個体によって与え方を考えてあげる。
- 初めて与える食材は少量から与えて、その後はよく観察する。
- 持病があるわんちゃんには、控えた方がいい食材もある。
今回ご紹介した食材はどれも適量を与えて注意点を守れば栄養豊富な食材ですが、アレルギーを持っているわんちゃんも中にはいます。様子がおかしいなと思ったら病院に電話して相談するか、受診するようにして下さいね。