最近は女性のみならず男性にも人気な「さつまいも」。ですが、実はわんちゃんも大好きなんです! 犬といえば「肉食」と思いがちだけど、最近のわんちゃんは「肉食寄りの雑食性」。甘いものも、大、だ~い好きです\(^o^)/
ですが、基本的な体の造りが違う犬に、人間が食べるのと同じようなレシピであげてもいいのでしょうか? 犬の健康にも良いからといってむやみにあげると、わんちゃんの健康や病気の症状が悪化する場合もあるので要注意!
せっかくわんちゃんに喜んでもらおうとして、手づくりレシピでさつまいもをあげてたのに、そのせいで具合が悪くなってしまっては元も子もありません。だから飼い主さんがちゃんと知識を得てあげる責任がありますよね?
今回の記事では、さつまいもの健康効果とわんちゃんにもたらすメリットとデメリットを紹介します。わんちゃんが病気の場合は悪化させてしまう危険性もあるので、ここでしっかり勉強しましょう。
犬の健康にさつまいもレシピは効果的!

わんちゃんの健康にさつまいもレシピは大変役に立ちます。人間でもさつまいもを摂取することで、美容に良いと言われていますね。それはわんちゃんにあげることでも同様の効果があります。
その美容に良いさつまいもの有効成分としては次なようなものがあります。
- ヤラピン:糖脂質の一種で胃の粘膜を保護。腸の蠕動(ぜんどう)運動も促進する効果がある。
- 水溶性食物繊維:お腹(腸)のなかで善玉菌の住処や栄養となり、腸内環境を改善する。
- ビタミンC・E:抗酸化作用があるビタミン。
- ビタミンB6:タンパク質のエネルギー変換に効果がある。
- βカロテン:体内でビタミンAに変換され、粘膜細胞を正常に保ち免疫力アップ。
ヤラピン・水溶性食物繊維
さつまいものヤラピンという物質はあまり聞き慣れないかもしれません。ヤラピンはさつまいもを切った時にでてくる、白い液体で糖質の一種です。このヤラピンは胃の粘膜保護や腸の蠕動(ぜんどう)運動を刺激して快調な便意を誘発します。
また、人間にも良いと言われる水溶性食物繊維。腸内の善玉菌の住処や増える材料となって、腸内環境を正常化することで有名です。
ヤラピンと水溶性食物繊維が一緒になって働くことで、消化器系の働きが良くなります。そうすることで、便の排出が促進されてデトックス効果が期待できます。
ビタミンC・E
ビタミンCは人間でも美容代表のようなビタミンです。それは美肌成分コラーゲンの生成過程で必須の栄養素だから。また、老化や癌の原因となる活性酸素と結合して体が酸化するのを抑えてくれる物質でもあります。
わんちゃんはビタミンCを体内で生成できますが、ストレスがかかっている生活ではビタミンCの消費量が激増。そのため、食物によって摂取する必要がでてきます。ビタミンCが不足すると免疫力が低下して、かぜやウイルスに負けやすくなってしまいます。
また、同じくビタミンEも強い抗酸化作用で体内の活性酸素を抑制してくれます。体内で活性酸素が酸化すると血管が傷つき動脈硬化等の引き金に。動脈硬化は心筋梗塞などを引き起こす元凶となります! 怖いですね!
ビタミンB6
ビタミンB6はタンパク質(アミノ酸)や脂質の代謝を助けてくれるビタミンです。肉食が多いわんちゃんにはとても重要なビタミンですね。特にタンパク質をエネルギーに変換したり、別のアミノ酸に変える働きがあるので、わんちゃんの体を作るには必須のビタミンと言えます。
また、脂肪から大きなエネルギーを取り出すにも役立つビタミンB6。脂肪はタンパク質や炭水化物の2倍以上のカロリーを持っています。それを効率よく利用するにはビタミンB6の働きが必要です。
神経伝達物質の生成にも関わっており、精神状態の安定化にも役に立つビタミンです。
βカロテン
βカロテンはプロビタミンAとも言われており、体内でビタミンAに変わる栄養素です。ビタミンAは目の神経伝達物質ですので、わんちゃんの目の健康に役立ちます。
また、活性酸素を抑えて動脈硬化を防いでくれるので、血管を正常な状態に保つ働きもあります。しかも、βカロテンは皮膚や粘膜の細胞を保護する働きを持っており、風邪やウイルスへの抵抗力も生んでくれて、口内炎予防にもなります。冬至かぼちゃはそんな働きを促進する風習なんですね。
そして、なんと癌予防にも効果があると言われているのでぜひともわんちゃんに摂取させたい栄養素ですね!
さつまいもの役立つ栄養素としてよくポリフェノールがあげられます。さつまいものポリフェノールはアントシアニンとクロロゲン酸がありますが、そのほとんどはさつまいもの皮に存在しています。
なので、わんちゃんにもポリフェノールを摂取させようとしたら皮ごとあげる必要があります。しかし、皮は消化不良を起こす原因ともなるので、現在はわんちゃんにさつまいもをあげるときには皮は剥いてあげるのが定説となっています。
ポリフェノールには抗酸化作用やメラニン抑制など効果はありますが、やはり消化できずわんちゃんの便にも影響が出るのであれば、皮はあげないほうが良いようです。
犬の軟便(下痢)の時は治ったらあげると効果的!でも?
わんちゃんにとってさつまいもレシピは、新陳代謝や老化防止、そして整腸作用に効果的です。実際、軟便のわんちゃんにさつまいもをベースとして野菜類をペースト状にしたものをあげたところ、軟便や下痢が改善したという話も多いです。
ですが、軟便や下痢をしたからと行ってすぐにさつまいもをあげるのはちょっとまって! 場合に酔っては腸が過敏な状態である場合もあるので、まずは獣医さんに見てもらうのが先決です。そして獣医さんに相談して、食事の改善が必要であったらさつまいもをあげていいか聞いてください。
整腸作用を持つさつまいもですが、適量を超えてわんちゃんにあげてしまった場合は逆に便秘や下痢の原因になる可能性も十分にあります。目安としてはさつまいもを含めた野菜類はご飯全体の10%以下になるように与えることが望ましいです。
犬用さつまいも手作りレシピのおすすめはこちら!
それではいよいよ犬用さつまいもの手作りレシピのご紹介です。わんちゃんに手作りでさつまいもあげるには、まず蒸したり焼いたりして加熱してあげるのがGOOD! というのも、生のままだと細胞の中に甘み成分が閉じこもったままなので、せっかくの美味しさが味わえません。
また、消化にも悪いので(ゴリゴリしちゃって胃にすごく負担がかかってしまいます)、まず加熱することは必須です。また、大きいままだとなのさつまいも特有のホクホク感やネットリ感があって、わんちゃんは食べづらいんですね。
わんちゃんの歯は人間のように植物を食べるために発達していません。なので、よくかんででんぷん質を液状にして飲み込むというのが得意では無いんです。なので、細かく刻んであげてください。
これらを踏まえて、犬用さつまいも手作りレシピをご紹介します!
①タンパク質もとれちゃう欲張りクッキー
材料
サツマイモ:1本(大きなものは半分)
豚こま肉:150g程度
卵:2個
小麦粉:1カップ
オリーブオイル: 手に塗る用(適量)
- 豚こま肉を小さく切る
- オーブンを170℃に予熱し、天板にクッキングシートをし、豚肉を重ならない様に敷き詰める。
- オーブンで30分焼く。カリカリになります。
- サツマイモを茹でて、潰す。
- カリカリの豚肉を包丁で細かく切る。
- サツマイモのボウルの中に卵と小麦粉と細かく刻んだ豚肉を入れる。
- 手で良く混ぜる。
- オーブンを180℃に予熱する。
- 天板にクッキングシートを敷き、手にオリーブオイルを薄く塗り、適当な大きさに丸めて平らにし、並べる。
- オーブンで20分焼いたら出来上がり。
②焼く必要無し! お手軽簡単ケーキ!
材料
さつまいも:1本
かぼちゃ(入れる場合):半玉
ヨーグルト無糖:1つ
- 皮を剥いたさつまいもをレンジで600w3~5分温める。柔らかくなったさつまいもを潰します。
- かぼちゃもmixさせる場合はかぼちゃもレンジで600w 3~5分温めて柔らかくなったら潰して下さい。
- そしたら手で丸めて、ヨーグルトを上からコーティングしてフルーツを乗せたら出来上がりです!笑
注意
この元のレシピでは、結構な量のヨーグルトを使用しています。しかし、わんちゃんへのヨーグルトの適量は一日にティースプーン半分~1つ分と言われています。なので、無理にヨーグルトでコーティングする必要は無いと思います。
いろいろなレシピを知っていると、マンネリ化したわんちゃんライフを送ることなく、飼い主さんの楽しみも増えるのでいいですよね!
また、次のさつまいもレシピはおやつではないんですが、とても見た目がきれいだったためご紹介させていただきます! なんだかすっごく高級感があって、人間のわたしも食べたくなっちゃうような素敵なレシピです。
③まるで高級フレンチ! スイートポテト風お肉ケーキ
材料
鶏ムネ肉(皮は除く):200g
☆白菜(キャベツでも可):3枚
☆人参(すりおろす):1/4本位
☆椎茸:1個
☆乾燥ひじき(水で戻しておく):ひとつまみ
さつまいも:100g
葛粉(無くても可):少々
無調整豆乳 大さじ:2~4
卵(新鮮な物):1個
- ☆の野菜合わせて200g、全て荒みじん切りしておく。葛粉と分量外の水を小鍋で混ぜながら、透き通るまで火にかける。
- フープロに鶏肉、卵白、①の葛粉を大さじ2?3杯入れて、混ぜてミンチにする。葛粉はお腹が緩くならない為なので、無くても可。
- ②に☆の野菜も入れて軽く混ぜる。オーブンを180度に余熱。型にクッキングシートを敷く。さつまいもを茹でて柔らくしておく。
- 型に③を全部入れて、10cm位上から何度か落として空気を抜いておく。表面をならす。180度のオーブンで約25分焼く。
- 焼けたらいったん取り出し、天板にクッキングシートを敷いた上に逆さに乗せる。(上が膨らむため。)肉汁が出るので拭く。
- 柔らかく茹でたさつまいもをマッシュして、卵黄、豆乳を入れて滑らかになるように混ぜる。
⑥をふるいなどに入れて、スプーンなどで押して裏ごしする。半分位裏ごし出来たら、残りはお肉ケーキの上に塗る。
裏ごししたさつまいもペーストを大きめの口金の絞り袋に入れて飾り付ける。余ったものはそのまま焼いてスイートポテトに。
- 180度に余熱し直したオーブンで、約15分~20分焼く。焦げないように時々見る。お肉の裏側が焦げた場合は削いでおく。
断面はこんな感じ。お野菜多めなので、水分が出やすく、柔らかいです。食べる時は軽く崩して、水分を足してあげると◎
- ☆のお野菜を軽くレンチンして、粗熱が取れたら、しっかり水分を切ってから混ぜたり、高野豆腐をおろして繋ぎに少し入れても◎
こんなレシピを作ったらわんちゃんが喜ぶこと間違いなしですね^^
なんでも摂りすぎはあかん! カロリーや糖分には注意!
甘くてさつまいもが大好きなわんちゃんも多いですよね。そしてさつまいもは加熱する手間はあるものの、マッシュにしたりと様々な使い方ができとっても便利!だからついちょいちょいあげたくなってしまいます。
でも、犬のメタボの観点でもあげすぎには要注意です! さつまいもは言っても甘い。甘いの秘密は糖分(炭水化物)です。人間の間でも糖質制限ダイエットが流行しているのは知っている方も多いはず。わんちゃんも例外ではなく摂りすぎると太っちゃいます!
健康のためにあげていたのに太ったなんて、飼い主さんとしてはやりきれないですよね。また、わんちゃんも喜ぶものだから、文字通り甘やかしてあげたら逆に不健康になったら大変です。
また、わんちゃんの体質や病気のときはあげないほうが良い場合もあります。その体質、病気や症状をまとめてみたのでご参考ください。
【注意】尿路結石や腎臓病・心臓病の犬にはあげないで!

わんちゃんの健康維持や、カロリーも高く病後食としても有能なさつまいも。しかし、そのわんちゃんの病気によってはあげると逆に健康を害する場合もあります。
まず、さつまいもをあげると健康を害する危険性がある病気として尿路結石があります。
尿路結石のわんちゃんにはさつまいもをあげないほうが無難
尿路結石はその構成成分によって4つの種類があります。
- シュウ酸カルシウム結石
- ストラバイト結石
- 尿酸塩素結石
- シスチン結石
この内、てきめんにさつまいもが原因となりうる尿路結石は、シュウ酸カルシウム結石です。シュウ酸がカルシウムと結合し石化するわけですが、このシュウ酸がさつまいもには多いのです。また、カルシウムも含まれています。
わんちゃんの体質にもよりますが、やはり一度シュウ酸カルシム尿路結石になった場合はさつまいもの摂取は控える必要があります。
また、ストラバイト尿路結石になったわんちゃんも同じように控えたほうが良いですね。ストラバイト尿路結石はリンとマグネシウムが結合してリン酸マグネシウムとなります。
このリン酸マグネシウムは骨や歯の構成成分ですが、それが上手く尿として排出されず固まった場合に結石が起こります。さつまいもにもリンとマグネシウムが含まれるほか、リンは肉類に多く含まれる成分です。
そのためさつまいもを摂取しているわんちゃんは、このストラバイト尿路結石を生み出しやすい状態にあります。体質によってですので、やはり一度このストラバイト尿路結石を患ったのであればさつまいもをあげるのはやめましょう。
腎臓病や心臓病のわんちゃんもご注意を!
さつまいもがイモ類中で含有率トップクラスの成分にカリウムがあります。 カリウムといえば体内の塩分を外に排出する性質があることで有名。一定量のカリウム濃度になるとナトリウムが腎臓から尿として排出される仕組みになっています。
え!?じゃぁ腎臓に良いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、腎臓の機能障害を起こしているわんちゃんは、その仕組みが上手く行えないんです。そうすると、今度はカリウムが体内に残り高カリウム状態となってしまうんです。
カリウムって体に必要なんだけど、じつは多すぎると筋肉のイオンバランスが崩れて最悪の場合動かなくなるんです。そして、それが筋肉の塊である心臓で起きたら突然死なんてことになんて言うことにもなりかねません。
だから、腎臓病や心臓病を患っているわんちゃんにはさつまいもはあげないようにしましょう。
犬の癌にはさつまいもが大敵って知ってた!?

今までさつまいもの効能としとβカロテンによる癌の予防効果が有りました。ですが、さつまいもは癌を悪化させるものでもあるということが判明したのです。ですが、さつまいもの特定の成分が癌を悪化させるわけではありません。
癌は体内の糖分(ブドウ糖)を原料にして成長していきます。さつまいもに含まれる炭水化物(糖類)は小腸でブドウ糖になり吸収されます。なので、癌のわんちゃんが糖類を多く摂ると癌を成長させてしまうことになるんです。
なので、獣医さんからはブドウ糖に分解されるような食物は止められると思います。ですが、全ての炭水化物がブドウ糖になるわけではないのでご安心を。ですが、白米なんかもブドウ糖の素になるので、ここは獣医さんに確認しておいたほうが良いですね。
犬がさつまいもを吐いちゃうのはアレルギーのサイン!?

さつまいもをわんちゃんにあげた時に吐いてしまうのであれば、それはさつまいもアレルギーなのかもしれません。しかも、アレルギー症状はあげてその日にでない場合も!
さつまいもアレルギーには嘔吐の他、下痢、皮膚の湿疹、目の充血などが挙げられます。いずれにせよ、さつまいもをあげてから元気がない等のいつもとは違う様子がうかがえたら、まずは獣医さんに相談してみることをおすすめします。
初めてあげるときには、少しずつあげることを心がけ、
- 吐く
- 痒がる仕草
- 元気がない
- 下痢や軟便
といった症状がないかチェックしてみましょう。
まとめ
わんちゃんの健康維持にはもってこいのさつまいも。下痢や軟便が治った後での病後食にも活躍します。
でも、あげていいわんちゃんもいることを認識しておくことで、せっかく健康のためにと思ってあげたさつまいもレシピで不健康になることを防げますね。
まずはさつまいもレシピを少しずつあげて、アレルギーなどないか確認。そして、腎臓病、尿路結石、心臓病や癌のわんちゃんへはあげないようにしましょう。
今日のまとめは
- 犬の健康にはさつまいもレシピは効果がある
- 腎臓病・尿路結石・心臓病を持つ犬にはあげないほうが良い
- 癌を患っているわんちゃんへはあげるの厳禁
- アレルギーがあるかもしれないので少しずつあげて様子をみよう
となります。
腸が快調だと犬も人間も同じで、非常に生活が快適になります。 ちゃんとあげかたがわかれば、わんちゃんの健康ライフに一役買ってくれるさつまいもが、なぜ女性に人気なのがわかりました!※わたしも好きですけど(笑)
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。