犬にはささみ? ちょっと待った! 病気との関係性と簡単レシピ!

「最近我が家の愛の体重が気になるな。そんな時はスーパーフードのささみでしょ!!」と考えているそこのあなた。その考えちょっと待った!!

確かにささみは低カロリー、高タンパク、そして栄養も豊富で優秀なものに間違いありません。

しかし、どんなに優秀な食材でも食べ過ぎや間違った調理方法ではその優秀さを活かせません。

「食べすぎはいけないなんて誰でも知っている。何を今更」と今言いましたね? いえいえまずは落ち着いて、ささみを買いに行く前に10分だけ私の話を聞いてください。

今回は、ささみと様々な病気との関係性、そして私が選んだおいしくヘルシーなささみのおやつレシピを紹介します。

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ちょっと怖い「ささみ」と病気の関係性?

ヘルシーで低コストなささみはご家庭で重宝しますよね。愛犬が気に入ってくれて催促されたら、ついついあげてしまいたくなるかも。

その気持ちとてもよく分かります。うちのラテとマロンも、ささみジャーキーへの食いつきが激しいんです

ですがちょっと待ってください。ささみの与えすぎはわんちゃんたちにとって、ものすごく負担になってしまうんです

例えばささみの主成分であるリンは、骨を作るのに必要な栄養素であることに変わりはありません。ですが取りすぎると、体内でカルシウムと結合できなかったものが残ってしまい、最終的には骨のカルシウムと結合してしまいます

それが続くと骨を作るのに必要なカルシウムが不足していき、骨折の原因や骨粗しょう症になってしまう危険性があります。

内臓に関して言えば腎臓の病気、尿路結石にだってなります。なので、ささみばかり与えるというのは避けなければならないのです

とあるバイキングでのこと…

私の友人(B君)は「バイキング大好き!! 絶対元取ってやる」と、いつも意気込んで出かけるのですが、その時に必ず連れて行く親友のような存在(A君)がいるんです。

そのA君がたまに私に愚痴をこぼすことがあります。

なんとB君は、序盤から意気込んで大量に取ってきてムシャムシャと食べ始めたかと思えば、そのハイペースはほんの30分程でストップしてしまい、亀のごとくスローペースになるのです。

それだけならまだしも、まだ皿いっぱいに乗ったパスタやら野菜炒めやらを「あとは頼んだ」とA君に渡すというのです。マナー違反だし、こっちの身にもなれよと愚痴をこぼしていました。

なぜいきなりこんな話を、と思われたかもしれませんが、実はこれと同じ現象が内臓にも起こり得ることだからです。

すべては繋がっている?

そう、本来なら肝臓(B君)で処理されなければいけないたんぱく質(バイキングの皿の上のパスタなど)も、許容範囲を超えてしまうと腎臓(A君)に後のことを任されてしまいます。こんなのは腎臓にとってはたまったもんじゃないですね。

何も言わずに黙々と働く沈黙の臓器とも言われる肝臓ですらお手上げのなのに、腎臓でどうしろというのでしょう。

その結果腎臓に多大な負担がかかり最悪の場合腎不全になってしまい、何かしら治療をしながら暮らさないといけなくなるのです。

さらに、腎臓に負担をかけるものだから本来のろ過機能も弱まり、尿をアルカリ性にしてしまうのです。これの何がいけないのかというと、リンとマグネシウムはアルカリ性の尿に溶けにくいため、尿の通り道に石のような結晶ができてしまいます。

これがいわゆる尿路結石です。その中でも今回のようなものをストルバイト結石と言います。別名「リン酸アンモニウムマグネシウム結石」という、なんとも長い名前です。

このように、臓器というのはそれぞれに機能があって、一つの臓器に負担をかけて悪くしてしまうとまた違う臓器に負担がかかってしまうのですね。

なのでくれぐれもささみの食いつきがいいからといってあげすぎにはお気をつけてください。

 

病から守るも侵すも「ささみ」次第!?

ちょっと大げさだなと思われるかもしれませんが、体重を減らすために始めたささみも、限度を越えると心臓や腎臓などの重大な病気になる可能性があるのです。

先程もご紹介したとおり、腎臓や骨に影響し以下のような病気になるリスクが高くなってしまいます。

  • 腎臓病
  • 尿路結石
  • 骨粗しょう症

どんな病気なのか詳しく見ていきましょう。

腎臓病の場合

ささみは鶏肉ですから、タンパク質が豊富に含まれています。タンパク質の中の老廃物を取り除く働きをするのが腎臓です。

つまり、ささみを大量に摂取することで、腎臓に負担をかけてしまうのです。長い間負担をかけ続けてしまえば病気になってしまうのも分かりますよね。

また、もともと腎臓が弱いわんちゃんの場合、症状が悪化してしまう危険性があります。最悪の場合腎不全になることもありますので、与える場合は注意が必要です。

尿路結石の場合

尿路結石の中にはリンとマグネシウムが結石となるストラバイト結石という種類があります。通常なら弱酸性なおしっこがアルカリ性に傾いてしまい、その結果リンやマグネシウムが溶けずに固まってしまうのです。

リンは肉類に多く含まれているため、ストラバイト結石と診断されたわんちゃんは、手作りフードやトッピングをする際に注意が必要です。また、おやつにささみジャーキーを与える時も同様です。

骨粗しょう症の場合

ささみの主成分であるリンは骨を作るために必要な栄養素です。しかし摂取しすぎると体内でカルシウムと結合できなかったものが残ってしまい、最終的には骨のカルシウムと結合してしまいます。つまり、増えすぎたリンは厄介なことに骨からカルシウムを奪うのです

みなさんご存知の通り、骨はカルシウムからできていますので、リンが増えすぎると足りなくなったカルシウムを補おうと、骨からどんどん吸収していってしまいます。

それが続くと骨を作るのに必須のカルシウムが十分でなくなるので、硬さを維持できずにふにゃふにゃになって骨折をしやすくなってしまったり、骨粗しょう症になる可能性があるということなんです。

ラテ
いつも美味しく食べていたささみだけど、こんな危険性があるなんてビックリだわ
マロン
ボクたち、病気になっちゃう・・・?
優太
ふたりにあげる時は適量を守っているから大丈夫だよ!! それに、ささみにはメリットだってたくさんあるんだから!!

ここまでは、ささみを与えるのは控えた方が良い病気についてご紹介しました。しかし、ささみがスーパーフードであることには間違いがないのです。次の病気の場合はむしろ積極的に与えてほしいのでご紹介しますね。

胆泥症(たんでいしょう)の場合

あまり聞き慣れない病気かもしれませんが、超音波検査の性能が向上したことで近年発見されることが増えてきた病気だそうです。元々はサラサラな胆汁がドロドロになってしまうもので、中高齢のわんちゃんに多くみられます。

はっきりとしたメカニズムはまだ判明されていませんが、肝臓に負担をかけない食事が望ましく、炭水化物や脂肪は避けた方が良い。ここでささみの出番というわけです。

心臓病の場合

心臓病の場合、何といっても高タンパクと低脂質!! 動物性脂肪の取りすぎやカロリー過多は「高脂血症」という心臓病の原因となります。

それを予防するためにはささみが必要不可欠!! まさにスーパーフードと言えるでしょう^^

優太
どんなものでもそうだけど、多すぎ・少なすぎというのは望んだ効果が期待できなかったりするよね
マロン
何事も「ちょうど良い」のが一番なんだね

そう、ささみを与えるのは「絶対ダメ」という訳ではないのです。病気が発症してしまったら控えた方が良いこともありますが、健康な時に与える分には問題ないのです。あくまでも与えすぎに注意というだけ。

愛犬が食欲不足の時などには、いつものドックフードにささみをプラスしたり、おやつとしてあげるのにはもってこいな食材です。有効に利用したいところだと思います。

有効利用、その方法はとっても簡単。正しい知識を身につければいいだけなんです。

 

ささみの適量はコレだ!!

こんな話をすると「結局どのくらい食べたらいいかわからないからもう与えません」という飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。食べ過ぎはだめとかカルシウムがどうとか、ささみを食べるの難しいと思われたのかもしれませんが大丈夫です。

ここで、1日に食べても大丈夫なささみの量を発表します。

小型犬や大型犬によって量の差はありますが、目安としては1日に約120gです。

ラテ
グラム、なんて言われても分からないわよ!!

こんなツッコミが聞こえてきそうなので、もっと具体的にご説明しますね。

本数でいうと2本。市販のささみはだいたい1本約60gのものが多いです。キッチンスケールなどで計るのももちろん良いですが、目安で最大2本と覚えておくと便利でしょう。

ただし、愛犬の体型や犬種によって体質は様々なので、様子を見ながら少しずつ与えるようにするのが大切です。

そして最初に述べた通り、あくまでおやつなどの食事の補完品として食べさせてあげましょう。

何と言われようがささみは低カロリーかつ高たんぱくのスーパーフードには変わりありません。適度に食べさせれば、数多くの病気を予防する心強いパートナーとなるでしょう。

活かすも殺すも飼い主であるあなた次第です。

 

もしかしてアレルギーのサイン!? 愛犬がささみを食べたら目を離すな!!

ささみの食べる量の以前にもっと大事なことを言わなければなりません。それは、アレルギーの問題です。ささみのアレルギーは人間ではあまり聞きなれないかもしれませんが、犬には起こり得ます。

そもそもアレルギーというのは厄介で、食べてみなければわからないケースが多いです。病院で大丈夫と言われても少量を1度食べさせてみて大丈夫なのか慎重に判断しましょう。

アレルギーには2種類あって、生まれつきであるいわゆる先天性のものと、以前までは食べられたのに突然発症する後天性のものがあります。

例えば、トマトが好きで頻繁に食べていたのに突然食べれなくなったということが私たち人間でも起きますよね? そのようなことが犬にも起こるのです。

鶏肉のアレルギーは犬の代表的なものの一つです。最初は少量から与え始め、注意深く食後の反応を見てあげてください。様子に変化が無ければ少しずつ量を増やしていき、継続してあげるようにしましょう。

犬は私たちと違って言葉が喋れないので、愛犬の行動にはより注意深く観察することが大切です。

アレルギーの症例

症状として、目の充血体の痒みなどがあります。壁や床などに体を頻繁に擦り付けるなどです。なのでもし、愛犬が痒そうにしていたり頻繁に壁に体を擦り付けることがあるなら1度病院で診てもらいましょう。

また、ひどい時には嘔吐や下痢の症状も出ます。他の病気の可能性もありますが、アレルギーも疑いましょう。顔や手を掻いたり噛んでいるなど、体調が優れなくてもわんちゃんは言葉を話せません。自傷行為があった場合には注意深く目を向けましょう。

わんちゃんの様子が普段と違うと感じたら、ささみを与えるのは控えた方が良いでしょう。

関連記事
わんちゃんのアレルギーについてはこちらで詳しくご紹介しています。

愛犬にアレルギーがあっても安心! 安全なおやつとレシピを紹介

2019年3月11日

 

私がオススメする愛犬にも内臓にも優しいささみのおやつレシピ!!

ささみはあくまでも、いつもの食事の補完食品として食べるのが良いと私は考えています。

今回紹介するのは、普段のドックフードのお供として役立てられるような軽いものから、普段のご飯のローテーションに入るようなものを紹介していきたいと思います。

ささみジャーキー

まずはじめに、王道でしかも手間いらずなささみジャーキーです。材料はささみ。以上!! しかもレンジで簡単!! 本当にこれだけでいいんです。

材料 : ささみ  3本

  1. ささみの筋(白い部分)をとり、開いて、肉をたたきなどで薄くのばします。
  2. 暑さが均一になるようにします。薄くしておくと、カリッと仕上がります。
  3. 水分を吸い取るシートをひき、電子レンジで、600wで約3分。裏返して約3分。お肉の暑さによって時間を調節してください。
  4. 最後に、オーブンで水気を飛ばし、焦げ目が軽くついたら、犬用ササミジャーキーの完成です。

引用 : Cpicon 犬おやつ ササミジャーキー レンジで簡単 by ちょこたんママ

ささみスープ

次に、体調の悪い時にも食べられる栄養豊富なスープ。ささみだけでは取れない栄養素も欲しいという飼い主さんたちにオススメ。

材料 : 
鶏ササミのフリーズドライ  1/2本
トマト           1/2本
キャベツ          1/2本
しめじ           1/4本
ピーマン          1/2本
お野菜フレーク(緑黄色野菜ミックス) 大さじ2
いりこ             2匹
オリーブオイル       適量

  1. トマト、キャベツ、ピーマンは角切りに。しめじは小さくカット。
  2. 鍋にオリーブオイルを入れて、切った材料を入れて、キャベツがしんなりするまで炒める。
  3. 次にひたひたになるまで水を入れ、いりこをいれ、沸騰するまで煮る。
  4. 沸騰したら、火を弱め、ササミFD、野菜フレークを入れ、一煮立ちで完成。

引用 : Cpicon 犬ごはん・鶏ササミのミネストローネ by ローズちゃんママ

人間が食べても美味しそうなレシピですよね^^

最後に、食欲のないわんちゃんやドックフードの食いつきが悪い時にオススメするのが、ささみの茹で汁です。

ドックフードにかけてふやかしてあげると食欲が改善された、という飼い主さんの声も多く聞きます。もし愛犬にささみのアレルギーがなく、体調が悪く食欲不振の時には試してみる価値ありです。

ぜひ参考にしてみてください。

 

まとめ

ささみには良い面が多いですが、取りすぎると病気の原因になりかねないので、正しい知識をつけることが大事ということを書いてきました。

最後にこれらのことをまとめていきたいと思います。

  1. ささみは高タンパク・低カロリーのスーパーフードに変わりはない。
  2. 食いつきがいいからといって与えすぎは思わぬ病気の一因になりかねない。
  3. 食べるならやっぱりおいしく、比較的簡単なおやつとご飯も使いやすいささみ。

愛するわんちゃんの体重が増えて重たそうに歩いたら、ダイエットを考えるのは自然なことかもしれません。そんな時は何がいいのだろうとネットで検索すれば、出てくるのがささみだったりしますよね。

しかし、何も知らないまま購入して愛犬に食べさせてしまうと、そこには思わぬ落とし穴があるかもしれません。

わんちゃん達といつまでも一緒にいたいですよね。そのためには毎日の食事の一食一食を大事にしつつ、それでも補えないような栄養素は適量のささみで補う、いつものドックフードに混ぜてあげて食べさせるなど、工夫のひとつとして与えるくらいが丁度良いでしょう。

正しい知識さえあればかなり頼もしい食材なので、ささみのレシピを試すも良し、自分であたらしい料理を作るも良しですよ。

愛犬との楽しい楽しい時間をお過ごしくださいね。

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