犬も大好きなりんご。りんごをあげると、喜ぶ姿、美味しそうに食べる姿。そんな姿を見ると、ついついあげる量が多くなりがちですよね。






先生が言うように、りんごには、たくさんの栄養素が入っています。なので、犬の病気予防が期待できる食べ物です。
しかし、病気予防に良い食べ物だからと言って、たくさんあげすぎると、逆に病気になる可能性があるんです。
でも、大丈夫。 病気の予防が期待できるポイントと病気になりうるポイントを、事前に知っておけば、りんごをうまく活用できます。
大切なわんちゃんの為にも、しっかりチェックしていきましょう。
そもそもりんごの適量ってどのぐらいなの?

わんちゃんにあげるりんごの適量は、20g程度が目安です。と言っても、なかなかイメージしづらいですね。
りんご1個から種や芯を取り除いた実の部分だけで、およそ4分の1の大きさが20g程度です。大きくて立派なりんごだと、少し多い場合があるので、様子を見ながらあげましょう。
初めて与える場合や小型犬などの場合は、10g程度から与えてみるといいですよ!
病気予防が期待できるりんごの成分とは?

りんごの成分で、病気予防が期待できる成分は、主に大きく分けて3つです。
ペクチン
皮と実の間に多く含まれる「食物繊維」です。腸を整える作用があり、コレステロールを体の外へ出してくれる働きがあります。
また、悪玉菌を減らして善玉菌を増やす働きもあるので、免疫力アップに繋がります。
ペクチンは、水に溶けるとゼリー状に固まる性質を持っています。便秘持ちであれば、水分がなくなった便をやわらかくして排便を促してくれます。
ポルフェノール
代表的な作用は「抗酸化力」です。健康トラブルや老化の原因ともなる、体内の「酸化」に対抗する働きです。
また、犬の体内の糖質や脂肪などを絡みとる作用もあり、血糖値の急な上昇を抑えたり、整腸作用やデトックス(毒素排出)にも繋がります。
カリウム
体内の不要な塩分を体外へ排出したり、おしっこを促してくれる働きがあります。高齢犬が患いやすい腎臓病や高血圧の予防へ繋がります。
りんごが胆泥症に効く?

胆泥症とは?
胆汁が十二指腸に放出されず、胆のうに貯留される状態のことです。
脂肪の消化に重要な役割を果たす胆汁は、肝臓で生成され、一度胆のうに貯蔵されます。
食事を取ると、胆のうが収縮し、胆汁は総胆管を通って十二指腸に放出する仕組みです。
胆汁は、サラサラの液体ですが、成分が変わるとドロドロになり泥のようになってしまいます。
りんごに期待される効果とは?
胆泥に効果がある成分に「ウルソデオキシコール酸」というのがあります。
りんごに含まれるリンゴ酸がウルソデオキシコール酸に似た振る舞いをしてくれます。
その働きによって、胆泥(コレステロールの結晶)を一部溶かし、流しやすい状態にしてくれると言われてます。
あくまでも、期待できる効果であって、胆泥症が治るわけではありません。
必ずお医者さんに相談してから与えるようにしましょう
りんごでなりうる病気とは?

アレルギー
りんごアレルギーを持ったわんちゃんはごく稀ですが、ゼロではありません。
症状としては、「下痢、嘔吐、元気がなくなる」といった目で分かるものばかりです。いつもと様子が違う、おかしいと感じたら、すぐに病院へ連れて行ってあげてください。

それらのアレルギーを持っている場合は、りんごアレルギーを持っている可能性があります。獣医師に確認してから与えましょう。
下痢
りんごの成分のうち、全体の80%以上が水分で出来ています。そのため、わんちゃんがりんごを食べすぎると、下痢の原因になってしまいます。
また、りんごには食物繊維のペクチンが入っていますね。必要以上に摂取すると、体内に食物繊維がたくさん吸収されることで下痢になる可能性があるのです。
場合によっては、嘔吐することもあります。ですが、規定量以上のりんごを与えなければ、下痢の心配はないので、必ず量を守りましょう。
高カリウム血症
りんご100gに対して、カリウムは120mgと多く入っています。
高齢犬が患いやすい腎臓病や高血圧の予防へ繋がるカリウムですが、摂取量が多いと、高カリウム血症になる可能性があります。
症状として、「四肢のしびれ、筋力低下、吐き気、脈拍の異常」などが挙げられます。最悪、心停止からの死に至る場合もあるので要注意です!
また、すでに腎臓病を患っている犬は、カリウムが排出できず、血中のカリウム濃度が高くなりやすい為、高カリウム血症を発症しやすくなります。



まとめ
今回は、りんごと病気に注目してご紹介していきました。
ここでのポイントは
- りんごの成分を理解し、犬の病気予防に繋げることができる。
- 胆泥症にりんごが効果的だが、まずは先生に相談する。
- 栄養素たっぷりのりんごでも、食べる量を誤ると、犬が病気になってしまうことがある。
この3点でした。
これから先も、愛犬と一緒に元気よく過ごしていきたいですよね。
栄養素がたくさん詰まったりんごは、もちろん人間の病気予防にも繋がります。
この機会にりんごをうまく活用して、わんちゃんと一緒に、それぞれの健康に役立ててください。
早速お散歩がてら、りんごを手に入れに行きましょう!