人間の健康にいいと言われている魚ですが、「犬は食べてもいいの?」と疑問に思っておられる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
結論から言うと、食べても大丈夫です。
魚は「ヘルシー、高たんぱく、アレルギー反応が出にくい」といった飼い主さんには嬉しい3拍子がそろっており、わんちゃんの健康にとても良いと考えられています。
ただ、わんちゃんに与えてよい種類や1日の摂取量、与える際の注意点などを知らずに与えてしまうと、食中毒やアレルギーを発症する可能性があります。
わんちゃんの手作りご飯を始めた飼い主さんの中には、「肉では摂取できない栄養素を補いたい」「アレルギー対策として魚を与えたい」など、魚を与えたいけど『与え方』が分からないと悩んでいる方もおられると思います。
様々な栄養素が豊富に含まれている魚。疑問を解消し、愛犬の健康に役立てていきましょう。それではまず、「与えていい魚の種類は? 」「皮や骨はどうすればいいの? 」などの疑問から、魚の栄養効果、上手な与え方について解説していきます。
愛犬が喜ぶ魚って? アレルギーは大丈夫?

「わんちゃんは肉食なのに魚食べるの? 」と思いますよね。
日本は海が近いので古くから魚を食べていたようです。




魚は大きく分けて3種類
・赤身魚
代表的な魚 マグロ・カツオ・ブリ
ビタミンや鉄分、ミネラルなどの栄養成分が豊富に含まれています。
DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が多いことが特徴です。
・白身魚
代表的な魚 タイ・ヒラメ・カレイ・鮭
アレルギー反応が出にくく消化にいいのが特徴です。脂肪分が少なく、高たんぱくなのでダイエットしている犬におすすめです。
・青魚
代表的な魚 イワシ・サバ・サンマ・アジ
DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸やタウリンが多く含まれています。
青魚は身に血液が多く集まっているため鮮度が落ちやすいので、購入後早めに与えて下さい。
・その他の魚介類
イカやタコ、海老やカニなどの甲殻類は消化に悪いので、嘔吐や下痢の原因になる可能性があります。与えるのは控えましょう。
このように魚にはわんちゃんの健康に欠かせない動物性たんぱく質や色々な栄養素が豊富に含まれています。
白身魚には、アレルギーの原因となるヒスタミンを作るヒスチジンがあまり含まれていないので、与え始めのころは白身魚がおすすめです。




アレルギーや食中毒って?
・魚アレルギー
魚は消化が良くアレルギーの原因成分が少ないたんぱく源ですが、全くアレルギー症状がでないわけではありません。
中には魚に対してアレルギーを持っているわんちゃんもいます。
初めて与える場合は少量から与えてみて、体調に変化がないかよく観察してあげて下さいね。
青魚は特に魚アレルギーの症状が出る可能性があるので、魚を与え始めの頃は青魚を与えないで下さい。
・ヒスタミン食中毒
わんちゃんがヒスタミンを含んだ魚を食べることで起こる食中毒です。
魚の鮮度が落ちることで、魚が元々持っているヒスチジンが変化しアレルギーの原因となるヒスタミンが作られます。
ヒスタミンは熱に強く、加熱処理で分解出来ないので、鮮度の落ちた魚はわんちゃんに与えないで下さい。
・アニサキス食中毒
アニサキス食中毒は以前話題に上がったので、知っている方も多いですよね。
こちらも魚の鮮度が落ちることで、魚に寄生したアニサキスが魚の身に移動します。寄生した生魚を食べると腸や胃に刺さり、激しい痛みや嘔吐を伴います。
アニサキスは熱に弱いので、加熱処理をすれば大丈夫です。人間が食べれるように処理された刺身などは大丈夫だと言われているので、与える場合には、小さく刻んで与えて下さいね。
心配な方は加熱処理して与えて下さい。
魚アレルギー | ヒスタミン食中毒 | アニサキス食中毒 | |
原因 |
魚に対する免疫の |
鮮度の落ちた魚に含まれるヒスタミン | 魚に寄生したアニサキス |
主な症状 |
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魚に含まれる栄養成分とは?

それでは魚の栄養成分と効果について説明します。
成分 |
特徴と効果 |
たんぱく質 |
消化しやすく、体内にある余分な塩分を排出してくれる ・高血圧予防 |
タウリン |
血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし肝臓の機能を強化してくれる ・動脈硬化や貧血の予防、目の疲労回復 |
カルシウム |
筋肉の形成 |
DHA |
皮膚の粘膜を健康に保つ |
EPA |
血栓が出来るのを防ぐ |


魚ベースドッグフード3選! 缶詰は? アレルギーや肥満にも効果的!

ここまで魚について話をしてきました。
魚が愛犬の健康に役立つことはお分かりお分かり頂けたと思います。
次は魚を使ったドッグフードや缶詰などご紹介します。
アカナ(パシフィックピルチャード)
アカナのパシフィックピルチャードは天然イワシを使った単一たんぱく源で、人間でも食べれる新鮮な魚を原料にしているのが特徴です。
オリジン(6フィッシュ)
ニューイングランド沖の冷たい海から環境に配慮した方法で水揚げされる魚の栄養を豊富に生かした製品です。オリジン・シックスフィッシュは、栄養価も高く、魚肉の含有量がとても多いのが特徴です。
ZENプレミアムドッググレインフリーフィッシュ 小粒
国産ドッグフードのZENは、主原料の天然白身魚(タラ)を始め、全原料の90%以上に日本産食材を使用し、穀物不使用なのが特徴です。
グリーンフィッシュ
グリーンフィッシュは天然の青魚とハーブをたっぷり配合し、一切の動物性粗脂肪、着色料、保存料を使用していないのが特徴です。
魚ベースのドッグフードや缶詰を紹介しましたが、どれも新鮮さや天然の魚などこだわって作られていて、栄養価が高いのでおすすめです。
無添加で穀物フリーなので、アレルギー対策で与えてもいいですし、高たんぱくの割にヘルシーなのでダイエットにもいいですね。
この機会にぜひ様子を見ながら試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
魚には良質なたんぱく質やタウリン、オメガ3系脂肪酸などの栄養成分が豊富に含まれているので、わんちゃんの健康にとてもいいです。
一般的に魚はアレルギーが出にくいと言われています。ですが、魚によってはアレルギー反応が出るわんちゃんもいます。
「白身はいいけど赤身はダメ」という風にです。魚に限らず、普段と違うものを与えた時は注意深く観察してあげて下さいね。
おすすめ点と注意点まとめてみましょう。
- 魚には良質なタンパク質やタウリン、オメガ3系脂肪酸など栄養成分が豊富。
- 初めて魚を与えるときは白身魚から少量与える。(青魚はダメ! )
- イカやタコ、甲殻類は嘔吐、下痢の原因になる可能性があるので与えない。
- 骨は取り除くのがおすすめ。
- 鮮度が落ちた魚は絶対に与えない。(食中毒の危険性大)
- 魚ベースのドッグフードはアレルギー対策やダイエットにもおすすめ。
最近では、魚ベースのドッグフードも増えてきましたが、肉ベースの物と比べるとまだまだ少ないのが現状です。
魚ベースと書かれていても、粗悪な原材料や穀物が使用されているものも少なくありません。原材料を確認し「添加物、穀物フリー」のドッグフードを選ぶと安心ですね。