愛犬の涙でウルウルした瞳に、毛やゴミが入っていたり充血や目やにの症状があったりして、慌てた経験はありませんか?
そんな時、早くどうにかしてあげたいという思いから、押さえつけて目薬をさすのはとっても危険です。
そのように無理に目薬をさそうとすることでわんちゃんを怖がらせてしまい、結局上手くさせなくて諦めてしまうことになるかもしれません。
大きな声では言えませんが、実は私もやってしまったことがあるのです。そのときのラテの抵抗には驚きました。そしてその後のラテの私を見つめる瞳…
今でも忘れられません。
わんちゃんに一度恐怖心を植え付けてしまうと、その後の爪切りや歯磨き、耳掃除などの日頃のケアをするのが大変になりますよね。
押さえつけられて嫌な経験をすれば、わんちゃんは「また何か嫌なことをされるんじゃないか!?」 と思ってしまい、逃げ回って暴れたり、飼い主さんを噛んでしまったりする可能性だってあります。
トラウマを克服するのは大変。
だから、目薬をさす時は『最初が肝心』です!!
そこで、今回は「目薬のさし方のコツ」「目薬の必要性」「わんちゃんが目薬を嫌がる理由とその対処法」についてご紹介します。
大切なわんちゃんを怖がらせないために目薬の上手なさし方を覚えてくださいね!
このやり方がマスターできれば、私たち飼い主も愛犬達もストレスなく、簡単に目薬がさせるようになりますよ。
初めての方はもちろん、何度か挑戦したけどうまくいかなかったという方も、ぜひ参考にしてみてください。
犬の目薬の上手なさし方~手順を動画でご紹介~
まずは上手な目薬のさし方をご紹介します。
とても大事なことなので、もう一度言わせてください。
何はともあれ、『最初が肝心』です。
わんちゃんを怖がらせないように、手順をしっかりとマスターしてから、優しく実践してあげましょう。
さし終えたら、できるだけそのままにせずに、ティッシュなどで軽く拭いてあげると、涙やけの防止になります。わんちゃんが暴れずにスムーズに終われば、とっても簡単ですよ。
優太くん、今度はよろしくね。
では、わかりやすいこちらの動画をご覧ください。
まずはこのわんちゃんのように、リラックスさせた状態で行うのがポイントですね。
2種類以上の目薬をさす場合は、それぞれの間隔を5分以上あけましょう
そもそもどうして目薬を使う必要があるの?
今日は、犬の目の病気について教えてください。
飼い主が普段から犬の状態をしっかりと把握するのは、とても大切なことだからね。偉いぞ、優太くん。
かわいい愛犬の目が充血していたり、目やにがたくさん出ていたら、とても心配になりますよね。
私もそんなことが起こったら、とても焦ってしまいます。
すぐに症状が治まったり、簡単に取れそうなゴミや毛が入った程度であればいいのですが、数日続くような状態であれば、やはり病気を疑ってしまいます。わんちゃんも目の病気の場合は、まずは目薬で治療することが一般的です。
犬の目の疾患で代表的な「外傷」
目をどこかにぶつけたり、爪で引っ掻いたりしてしまうと、角膜に傷がつき目やにや涙が増えて、わんちゃんは目を開けづらそうにします。
毛の長い犬種の場合、目の周りの長い毛が眼球を傷つけてしまうこともあります。
また鼻先の短い犬種の場合には、鼻を地面や物に近づてクンクンするために、先のとがった物が目に当たってしまったり、目の中にゴミなどが入ったりすることもあるのです。
身近にある目の病気に、「流涙症」(涙やけ)
目頭から目の周り、鼻先にかけて毛の色が褐色に変色しているわんちゃんを見たことがありませんか。私の友人が白いマルチーズを飼っていますが、このわんちゃんにも涙やけが見られます。
これは涙が過剰に出てしまい、目から溢れて目の周りが炎症を起こしている状態です。目が大きく、鼻先の短い犬種であるトイプードルやチワワ、マルチーズなどに多く見られます。
人と同じような病気が起こることも!?
わんちゃんも白内障や緑内障、結膜炎など、人がかかる病気になる場合があります。どの目の病気も、初期は涙が増えたり、充血や目やにが多くなるなどの症状が一般的ですが、放置してしまうと悪化してしまい、最悪の場合失明の恐れもあります。
日頃の目のチェックは欠かさないようにしましょう。
充血
涙が増える
目やにが出る
目を開けにくそうにしている
目をよく擦ったり、しょぼしょぼしている
このような症状が見られたら、体調不良や病気のサインかもしれません。
目のトラブルは急激に進行することもありますので少しでも気になることがあれば、早めに病院を受診しましょう。
犬が目薬をそんなに嫌がるのはどうして?
目薬をさすのは、わんちゃんが落ち着いれば、それほど難しくないケアですが、そうは言ってもみんながみんな大人しくしてくれるとは限りません。暴れたり激しく抵抗するわんちゃんや、恐怖心のあまり噛んでしまう子もいるようです。
ではなぜそこまで怖がるのでしょうか。
正面からじっと見られるのが苦手
わんちゃんは、アイコンタクトの訓練を受けている場合は別として、正面からじっと見つめられるのを嫌がります。それはなぜかと言うと、犬が真っ直ぐ正面から向かい合い、見つめ合うのは喧嘩開始の合図だから。大好きな飼い主と喧嘩なんてしたくないですよね。
押さえつけられて嫌なことをされたことがある
わんちゃんは、とっても頭のいい動物です。
過去に注射などをしたことがある場合、押さえつけられて痛いことをされたという経験から、また痛いことをされるんじゃないかと激しく抵抗してしまうのです。
目薬が冷たくて、びっくりしてしまう
目薬を冷蔵庫で保管する方もいらっしゃいますが、わんちゃんにさす場合は目薬は人肌程度に温めてあげましょう。涙と近い温度であれば、目薬と気づかない場合もありますよ。
- 正面から向かい合ってささない
- 目薬はなるべく見えないように、目尻からさす
- 冷たい目薬は人肌程度にあたためる
激しく抵抗するあまり、つい押さえつけてしまいがちですが、ここは私たちもわんちゃんも共にリラックスすることが大切です。まずは優しく語りかけ、頭をナデナデしてあげると、わんちゃんも「これからいいことが起こるかも」と穏やかになるかもしれませんね。
犬が目薬をどうしても嫌がる時の対処法は?
なかなか上手く目薬がさせない、どうしても抵抗されてしまう場合はどうしたらいいのでしょう。
ほんのちょっとの工夫で、楽にさせるようになるかもしれません。
- 冷たい目薬は、人肌程度に温めてからさすと気づきにくい
- おやつでつる→複数人いる場合は、目薬担当とおやつ担当で目薬の恐怖心を取り除きましょう
- 時間をかけない→抵抗する場合は少し休憩しましょう
- 無理やりやらない→諦めて病院を受診しましょう
わんちゃんだって、嫌なものはイヤ!
どうしてもさせない場合は無理に自分で差そうとせず、病院に連れて行きましょう。手馴れた先生やスタッフさんが上手に対処してくれますので、わんちゃんも恐怖心をつけにくく、トラウマになりにくいですよ。
恐怖心を植え付けないために子犬の頃から耳掃除や歯磨きなどの日々のケアとして、点眼薬をさす訓練をするのがオススメです。
応急処置ならコレでOK! 人用の目薬も使える!?
「今日は病院の休診日」
そんな時に限って、わんちゃんの目に入った毛がなかなか取れない!
痛いんじゃないかな。早くとってあげたいけど、どうしたらいいのかわからない…
そんな経験ありませんか?
そこで、応急処置として行える方法をご紹介します。
本来、わんちゃんに人用の目薬をさすのはあまり好ましくありません。ですが、スーっとする成分の入っていない子供用の目薬や涙に近い成分である人工涙液であれば、使用できます。
涙に近い成分の目薬「人工涙液」
こちらの商品は目が乾燥していた時に私も眼科で処方されたことがあるのですが、お近くの薬局でも買えるので、手軽に手に入ります。
防腐剤が使われておらず、安全性の高い人工涙液ですが、開栓してから10日以上経過したものは使わないように注意が必要です。
涙に近い成分なので、殺菌作用はありません。そのため、目に入ったゴミや毛を取りたい時などに使えますね。
犬用の目薬ならコレ!
こちらは犬猫用の目薬で、消炎・殺菌作用がありますので、結膜炎や充血時にも使えます。なかなか病院に行けない時には、ひとまずこちらで様子を見てみるのもいいかもしれません。
市販の目薬は、使用する前にしっかりと成分を確認し、用法を守りお使いください。
症状の改善が見られない場合は、速やかに病院を受診してください。
まとめ
今回は上手な目薬のさし方、コツについてご紹介しました。
私たち飼い主もわんちゃんも、慣れてしまえば楽に目薬をさせるようになり、日頃のケアが簡単になります。
最後にもう一度大切なポイントをおさらいしておきます。
- 初めが肝心!! 押さえつけたりせずに、お互いリラックスして行う
- 犬の目の病気の原因としては「外傷」「涙やけ」「白内障や緑内障」「結膜炎」が考えられる
- 犬が目薬を嫌がるのにも理由がある
- 犬がどうしても嫌がる場合には、目薬を人肌程度に温めてからさすとよい
- 病院の休診日で応急処置が必要な場合は、犬用目薬や人工涙液がオススメ!
目は非常に繊細で、デリケートな部分です。最初は軽い症状だったのに、急激に進行し、最悪の場合は失明する恐れだってあります。自宅療養で症状の改善が見られない場合は、早めに病院を受診してあげましょう。
目薬を上手くさせたあとは、大好きなおやつをあげて、いっぱいの愛情で褒めてあげてくださいね。
上手なさし方をマスターしたから、次は怖がらせないようにするからね。