愛しいわんちゃんのお顔をふと見るとあら大変! 「目が赤くなっている!」ってことありませんか?
人間でも疲れている時や、パソコンやスマホを使いすぎた時に目が赤くなることはありますが、犬も目が赤くなることがあるんです。
わんちゃんの目が充血しているとびっくりして不安になってしまいますよね。でもそれは決して珍しいことではないんです。
とは言え、充血しているということは何かしら原因があるはずです。
もしかして充血を放っておくと、最悪、失明してしまうなんてこともあるのでしょうか。この問題、放っておくわけにはいきませんよね!
それでは早速、何故犬の目が充血してしまうのか、病気が原因で目が充血する場合もあるのか、人間と同じ目薬を使用しても良いのか等、原因を調べ不安を一つずつ一緒に取り除いていきましょう!
犬の目が充血する原因とは?
充血というのは、主に眼球の白目の部分が赤く見えることを言います。
白目の中に存在する血管が傷ついたり、または血管が何らかの理由によって広がり血液が流れてしまうことによって赤く見えます。
散歩中は要注意! 目の中に異物が混入
楽しいお散歩。でも、油断しているとわんちゃんの目に砂や虫、草などが入ってしまうことがあります。
お家の中でさえ、ホコリやチリが目に入ることがあるかもしれません。そうなると、目の血管が刺激されて充血してしまうこともあります。
異物が混入した直後、わんちゃんは違和感を感じて前足で目をこすったり涙を流したりします。
それですぐ取れれば良いのですが、取れずに何度も目をこすっていると、目が赤く充血したり、出血したりする可能性があるのです。
好奇心旺盛な愛犬ほど要注意! 外傷による目の充血
遊んでいる途中やお散歩中に何かにぶつかってしまうことでわんちゃんが目に傷を負うこともあります。
また好奇心旺盛なわんちゃんだと、「これなんだろう」とサボテンのような尖った植物に鼻を近づけた瞬間に、目にトゲが刺さってしまうことだって考えられます。
つまり、外傷が原因で目が充血してしまうこともあるということです。
何とびっくりすることに、ジャーキーのような固くて尖ったものを無我夢中で食べている時に、それが跳ね返って目に刺さってしまうなんてこともあるのです。
病気が原因で犬の目が充血している可能性も!?
わんちゃんの目の充血は外傷だけではなく、病気が原因の場合もあります。
特に目がくりっとしているわんちゃんは目の病気になりやすいので注意が必要です。
ここでは、目の充血が症状の病気をいくつか紹介したいと思います。
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結膜炎
目の結膜(まぶたの内側の粘膜)に外傷や、細菌が原因で炎症を起こすこと。
細菌や外傷以外にも逆さまつげや目の周りの毛が目に入り、炎症を起こすこともあるので注意が必要です。
症状としては痛みやかゆみがあるため、前足で目をこすったり、床に顔を擦り付けたりします。
このような仕草をした時には、目の周りが涙で濡れていたり目やにが出ていたりします。また、まぶたを裏返すと結膜が充血しています。
発症しやすい犬種パグ、シーズー、ブルドッグ、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・シュナウザー、キャバリア、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア等 -
角膜炎
黒目の表面を覆う角膜が炎症を起こす病気。
原因は結膜炎のように細菌や外傷の他にも、シャンプーによる刺激、ドライアイ、免疫の異常などがあります。
軽度な場合、特に症状は起こりません。しかし角膜炎には慢性的なものが多く、その場合わんちゃんは目が気になって前足や床でこすったりします。
目は充血する他に、黒目が白くなったり黒ずんだり、血管が入り込んで赤くなる場合があります。
また、ドライアイや逆に涙が増えて目の周りが脂と膿のかたまりでべったりくっついてしまうこともあります。
注意
免疫の異常に関しては目の症状と犬種に特徴があります。角膜炎と言っても治療方法が他のものと若干違うので、特にこちらの犬種で何度も角膜炎を繰り返すようなら専門家にきちんと診てもらいましょう。シェットランド・シープドッグ、ジャーマンシェパード、グレーハウンド、ミニチュア・ダックスフンド
他にも角膜炎を発症しやすい犬種があります。
発症しやすい犬種パグ、シー・ズー、フレンチ・ブルドッグ、ペキニーズ、ミニチュア・ダックス、シェットランド・シープドッグ、イタリアン・グレーハウンド、ジャーマン・シェパード等 -
網膜剥離
眼球の内側にある網膜という膜が炎症を起こし、液体が溜まって剥がれてしまい、視力が低下する目の病気です。
網膜剥離が広範囲に及ぶと失明の可能性があります。
網膜剥離になると白目の充血、目の中が赤くなる(眼内出血)、目を眩しそうにするという症状の他にも「視覚障害」と言って、モノによくぶつかったり、鼻で探りながら歩くといった症状も起こります。
網膜剥離が広範囲にあっても早期の治療で視力が回復することもあります。
注意
片目だけの網膜剥離や合併症を起こしている場合は症状に気付きにくいため、いつの間にか病気が長期化し、気付いて治療する頃には視力が戻らないという可能性もあるので注意が必要です。発症しやすい犬種ビション・フリーゼ、テリア種、シー・ズー、プードル、イタリアン・グレーハウンド、コリー、ラブラドール・レトリーバー、サモエド、オーストラリアン・シェパード等 - ぶどう膜炎
目の中に炎症を起こす病気のことを総称してぶどう膜炎といいます。
外傷や細菌感染のほか、他の目の病気が悪化し、合併症としてあらわれるケースが多い病気です。
白目の充血、瞳孔が小さくなる、痛みのため目をこすったり目をショボショボさせる、涙や目やにがたくさん出るといった症状が見られます。
ぶどう膜炎になった場合、緑内障を引き起こす可能性もあります。
発症しやすい犬種秋田、柴、ビーグル、トイ・プードル、ミニチュア・シュナウザー、ミニチュア・ダックス、シベリアン・ハスキー、ゴールデン・レトリーバー、ヨークシャー・テリア、サモエド、ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
他にも目の充血が症状の病気はいくつかありますがいずれも放って置くと危険な病気なのでわんちゃんの目を日頃から注意してみてあげましょう。
充血の原因で意外に多いのがシャンプー!?
シャンプーが好きなわんちゃんもいれば嫌いで暴れるわんちゃんもいますよね。
シャンプー中に暴れてシャンプーがわんちゃんの目に入っちゃったことはありませんか?
基本わんちゃん用のシャンプーは低刺激となっていますが、目に入ったのに気付かず洗い続けると「気付いたらわんちゃんが目をしょぼしょぼさせていた」「かわいいわんちゃんの目が真っ赤になっていた」なんてこと、あるかもしれません。
シャンプーが目に入ると充血以外にどんな症状が出るの?
人間もそうですが、シャンプーが目に入ると痛いですよね。
わんちゃんも同じです。痛いので目をショボショボさせたり前足でこすったりします。
他にも目やにが出たり目が開かなくなったりすることも。そんな辛そうな姿を見てるとこっちも辛くなってきます。
目に入ったのに気付かずに放置していると、シャンプーの成分で角膜が傷ついたり、ただれたりして、放っておくと失明という事態にもなりかねません。(角膜潰瘍)
シャンプーが目に入ったときの対処法
シャンプーが目に入り、わんちゃんも痛そう。「急いで水で目を洗わなきゃ!」
ちょっと待って! しみている状態で目に水をかけると余計しみて痛くなってしまいますよ。
ではシャンプーが目に入ったらまず何をしたら良いでしょうか。
家に人工涙液の目薬もしくは抗生剤入りの目薬があったらそれを点眼し、洗い流して下さい。
えっ、ドライヤーも危険!? 予防法はあるの?
シャンプーのお話をしましたが、その後のドライヤーも実は危険なんです。ドライヤーの熱風が顔にあたって乾燥し、角膜潰瘍になる可能性もあります。
ではどういった予防法があるのでしょうか?
ドライヤーをする前に顔周りはなるべくタオルドライで乾かすこと。ドライヤーをあてる時は休憩しながら遠くからあてるなど工夫して下さい。
シャンプーとドライヤーのどちらも、エリザベスカラーをつけたり、眼軟膏を病院で貰って目の周りに塗っておいたりすることが予防法の一つになります。
シャンプーの時は乾燥防止に目薬をさすのもおすすめです。
愛犬に逃げられては意味がない! 上手に目薬をさすコツとは?
先程もお話しましたが、充血しているからと言ってわんちゃんに人間の目薬は使用できません。犬用より成分が強いですし、メントール等が入っていると余計痛がってしまいます。
まれに赤ちゃん用の目薬は低刺激で、薬効成分が少ないのでわんちゃんにも使えることがあるそうですが、独断は避け、病院に問い合わせるか、使用せずに病院に行くことをおすすめします。
なぜ犬は目薬を嫌がるの?
人が目薬をさす時って大体正面からさしますよね?
その方法でわんちゃんにもさしていませんか? ちょっと、わんちゃんの気持ちになってみましょう。
いきなり目を広げられ、正面には得体の知れない物が近づいてくる。そして急に目の中に冷たい謎の液体を入れられる…。拷問ですよね^^;
そもそも犬や動物は正面から見つめられると敵に挑発されていると思ってしまいます。
目薬をさそうと目をじっと見つめると、気の強いわんちゃんなら攻撃的になってしまう可能性もあります。
顔を動かさないようにと顎をギュッと固定するのもNGです。顎は敏感な場所なので、わんちゃんは触られるのがあまり好きではないのです。
これで完璧! 嫌がられずに目薬をさす方法を動画でご紹介
まず、説明するより動画で見ていただいたほうが分かりやすいのでこちらをご覧ください。
こちらを元にポイントをまとめると
①犬の後ろ側に座る
②聞き手で目薬を持ち、小指でまぶたをひきあげる
③黒目ではなく、白目に目薬をさす
④終わったらご褒美をあげて褒めてあげる
慣れれば簡単に出来るし、ご褒美をあげることで「目薬=おやつもらえる!」とむしろ喜んでくれるかもしれません。
目薬をさす前に手のひらで温めてあげると冷たくてビックリすることがなくなります。
まとめ
充血、侮れないですよね。目なので万が一失明してしまったら自分の顔を見てくれなくなるのはもちろん、色んな景色を見させてあげることも出来ないし、障害物にぶつかって歩行困難になってしまうことも。
自分の愛するわんちゃんがそんな事になってしまったら・・・考えるだけで悲しいです。
少しでも早く気付けるように最後に予防法をまとめておきます。
- 散歩の時、なるべく木や草が生い茂っている所には行かない。
- 家の中も障害物になるものを無くし、ワンちゃんの暮らしやすい環境を作る。
- 日頃から目を清潔にして異常が無いかこまめにチェックする。
- シャンプーやドライヤーをする前に眼軟膏や目薬をさす。
- 目に異物やシャンプーが入ってしまったら水道水ではなく、犬用の目薬で洗い流す。
- 異変を感じたらすぐに病院へ行く。
とにかく早期発見が大事です。少しでもいつもと違うと感じたら、まずは電話で問い合わせてから病院へ行きましょう。
「これくらいで?」と思う場合でも手遅れになったら可愛そうなのはわんちゃんです。少しでも長く一緒にいられるように目のケア、予防はしっかりしていきましょう。