愛犬が病気になってしまったらと考えると、とても不安になりますよね。日々の健康のために、食生活を見直しや運動、ストレスについて真剣に考えたりしていると思います。
けれどちょっと待ってください。わんちゃんの目の健康について考えたことってありますか?
目の病気は老犬だけではなく若い成犬でもかかることがあるんです。
そこで今回は、目の病気について画像を使用しながら詳しくご説明していきたいと思います。
目の病気は日頃のチェックとケアである程度防ぐことが出来ます。まずは愛犬の目の状態についてチェックしていきましょう!!
なお、画像はクリックして表示されるよう設定してあります。病状についての画像ですので閲覧の際はご注意ください。
これって何? 犬の目に潜む「白い点」とは?
愛犬の目を見てみたら、白いもやのような点が見える。目やにでもないし、なんだろう? そう思ったことはありませんでしょうか。
もしかしたらそれ、病気かもしれません。白内障? いえいえ、角膜ジストロフィーという病気です。
角膜ジストロフィーとは
片目の場合、両目の場合がありますが、角膜に白い斑点が出る病気です。かゆみや不快感などの症状はありません。進行しても失明する恐れは無いようですが、悪化すると角膜潰瘍になり、重症化してしまうこともあるので注意が必要です。
角膜にコレステロールや脂質、リンや中性脂肪が付着して、白い斑点となります。その原因や確立した治療法は現在見つかっておりません。
また、遺伝的要因が大きいということで、予防することも難しいと言われている病気です。
しかし、悪化してからでは治療も大変ですので、様子がおかしいなと思ったら、なるべく早くかかりつけ医に診てもらうことをおすすめします。
白内障
白内障とは、水晶体と呼ばれるレンズが白く濁る症状のことです。水晶体全体が白く濁ることもあれば、一部分だけの場合もあります。視力が低下したり、失明の可能性もある病気です。
こちらも遺伝により発症することが多いですが、それ以外にも糖尿病などの目の病気から発症することもあります。また、重度の外傷によって発症するケースもあります。
- 目の色が白く濁る
- 柱や壁によくぶつかる
- ちょっとした物音にも驚く
充血? 出血? 目が赤い時にするべきことは?
わんちゃんの目が赤くなることはそれほど珍しいことではありません。しかし、赤くなってしまう原因は必ず存在します。まずは原因を探ってみましょう。
原因は?
- 異物混入
- 外傷
- 病気
私たち人間も、目にゴミが入ってしまったり、目を擦ったりすると白目が赤くなりますよね。わんちゃんも同じです。目には神経がたくさん通っているので、ちょっとした刺激でも目が赤くなってしまうのです。
また、外傷についても同じです。思いがけないもので怪我をしていた、ということもありますので、わんちゃんの行動をチェックして怪我の可能性も考えてみましょう。
こんな時は病院へ! 「赤い点」は要注意!?
「目が赤いけど病院に行くほどでもない気がする」
判断に迷うことってありますよね。確かに、目の赤みは自然と収まっていくこともあります。視力低下や失明の恐れがあるものも少ないです。
しかし、先ほどご説明したとおり病気が隠れていることもあるので、飼い主さんが安心して過ごすためにも、症状を確認したら病院で診てもらうことをおすすめします。
ちなみに、下記の2つの症状があった場合は、病院で診てもらった方が良いでしょう。
- 白目全体が赤くなっていて、その状態が続いている
- 白目に赤い血の塊がある
写真で確認!! 犬の目の病気について調べよう!!
実際にはどんな状態が病気なのかそうじゃないのか、分かりにくいこともあると思います。そこで今回は、写真を利用しながら、わんちゃんがよくかかる病気についてご紹介していきます。
愛犬の目のチェックをする時の参考にしてみてくださいね。
白内障
白内障
(白内障の症状の画像が表示されます)
- 初めは白く小さなにごり、それがゆっくりと広がっていき、少しずつ視界が悪くなっていく
- 大半は始めの段階で飼い主が気付くのは難しい
- 白内障と気づく頃には症状がかなり進行している
- 原因は犬の白内障で最も一般的にみられるのは、高齢(加齢)によるも
- そのほか糖尿病や栄養不足、他の眼の疾患、全身性疾患などの他疾患によって発症する
- 目の外傷によって発症することもある
角膜ジストロフィー
角膜ジストロフィー
(角膜ジストロフィーの症状の画像が表示されます)
- 症状は強い痛みはなく、光を嫌がる
- 左右対称で白濁点が現れ、症状が悪化すると、角膜全体がくすんだり、青っぽくなる
- 多くは進行性で、初めは小さな白斑程度ですが、進行するにつれて角膜表面を白く覆う
- 原因は遺伝性の病気
結膜炎
結膜炎
(結膜炎の症状の画像が表示されます)
- 症状は赤く充血、目の腫れ、目ヤニ、涙を流すなど
- 目に痒み、痛み、違和感などで壁や地面にこすりつけたり、自分で目を掻いたりする
- 原因は細菌性、ウイルス性、真菌性、寄生虫性、アレルギー性、物理的刺激、乾性角結膜炎など
角膜炎
角膜炎
(角膜炎の症状の画像が表示されます)
- 症状は目をこする、壁や地面に顔をこする、光をまぶしがる、しょぼしょぼする、目ヤニ、涙など
- 悪化すると充血や角膜が白く濁る、まぶたの痙攣、血管新生、角膜潰瘍を生じることがある
- 原因は外傷性と非外傷性に分けられる
結膜下出血
結膜下出血
(結膜下出血の症状の画像が表示されます)
- 症状は目に血がたまり、痛みや痒み、違和感などの自覚症状はない
- 視力低下を引き起こすことはない
- 止血異常があると大変なので調べる必要もある
- 原因は外傷性、急性結膜炎などのからの併発と様々ですが、ほとんどが外傷性
- くしゃみや咳、興奮などでも引き起こす場合もある
【番外編】これって腫瘍? それとも…?
眼球ではなく、まぶたにできものが出来ている。しかもどんどん大きくなっていってる気がする。腫瘍? それともガン!?
ここでは、見た目にびっくりしてしまうかもしれませんが、わりと有名な症例についてご紹介したいと思います。
チェリーアイ
目頭にある第3眼瞼線(だいさんがんけんせん)が飛び出てしまう病気です。瞬膜露出症(しゅまくろしゅつしょう)とも言います。色が赤くサクランボに似ていることからその名前が付いたとされています。
可愛らしい名前ですが、チェリーアイは腫瘍が原因の場合もあるので注意が必要です。
チェリーアイ
(チェリーアイの症状の画像が表示されます)
引用:【犬の病気サイト】犬の病気・症状・健康
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チェリーアイの症状
- 片目または両目の第3眼瞼線が飛び出してしまう。
- 目を気にして前足でこすってしまう。
- 涙がたくさん流れる。
- 目を痛がる。
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原因
- 先天的な場合と、外傷による場合がある
- 腫瘍があった場合にも発症することがある
治療方法は目薬だと効果が効きにくく、生活に支障がある場合には手術することもあります。
ただし、手術で第三眼瞼線を切除してしまうと、ドライアイになることもありますし、チェリーアイは3割の確率で再発する恐れがあるため、治療についてはかかりつけ医と相談しながら行いましょう。
マイボーム腺炎・マイボーム腺腫
まぶたの淵が赤く腫れる、いわゆる「ものもらい」です。マイボーム腺が細菌感染することが原因の一つです。
目をひっかかないようにエリザベスカラーをつけて、内服薬を飲ませれば比較的早く回復します。
ただし、マイボーム腺が詰まってしまうとイボ化してしまい、マイボーム腺腫となってしまいます。
マイボーム腺腫
(マイボーム腺腫の症状の画像が表示されます)
9割以上は良性なので、小さければあまり問題はありません。ただし、放置して大きくなると、角膜を傷つけてしまう恐れがあります。角膜炎になることもあるので注意が必要です。
治療方法は切除と縫合。同じ場所での再発や転移の心配はほとんどありません。
ただし、出来やすい体質のわんちゃんもいますので、こまめにチェックしてあげてください。
まとめ
わんちゃんの目の病気の種類や症状・治療法などについて、画像と共にお話させていただきました。
改めて振り返ってみましょう。
- 「白い点」があった場合、失明の可能性の有無も含めて病院で確認した方が良い
- 「赤い点」があった場合や、白目全体が赤くなり症状が続いている時は病院へ
- 目の病気には腫瘍が潜んでいることもあるので注意が必要
- 目にできものなどがある場合、外科的治療で回復することもある
どんな症状であっても早期発見が何よりも大切です。そしてかかりつけ医と相談しながら、愛犬にとって一番良い治療法を見つけていくことが重要となってきます。
言葉を話せないわんちゃんの小さなサインに気付いてあげられるよう、日頃のふれあいも大切にしてあげるといいですね。