「優太、久しぶり。同窓会やるから一緒に行こうよ」と、中学校時代の友人からメールが届きました。久しぶりにみんなに会えるから行きたいな。でも、ラテとマロンはどうしよう…。



「家にわんちゃんがいるから出かけられない。」
「うちの子にお留守番させるのは心配」
飼い主の皆さんは犬に留守番させるのが不安で、せっかくのお誘いをお断りしてしまったことがあるのではないでしょうか。
「不安。でも、出かけたい」そんな葛藤の中、飼い主さんもわんちゃんも、お互いが快適に過ごすためにはどうすれば良いでしょうか。
そこで今回は、ケージを活用した留守番方法をご紹介します。飼い主とわんちゃんが、日頃から準備と練習をしておけば、わんちゃんに留守番をお願いできるようになり、飼い主さんも安心してお出かけできるようになりますよ。
長時間のお留守番。本当にケージの中で大丈夫?

普段みなさんは、わんちゃんをどのようにお留守番させていますか? 長時間のお留守番になってしまうから、ずっとケージの中じゃかわいそう。そう思ってお部屋の中を自由に歩き回らせていますでしょうか。
ちょっと待ってください。わんちゃんは長時間のお留守番だからこそ、ケージの中の方が安心なのです。
ケージの安全性
天井がないサークルより、ケージは事故やイタズラを未然に防ぐことができます。また、落下物から愛犬を守ることができるので、災害に見舞われた際の安全性も高いと言えるでしょう。
ケージはプラスチック製、木製、金属製と材質も様々ですが、金属製のものが一番頑丈です。実用性と耐久性が優れた商品も数多く開発されているので、理想のケージを探してみてください。
ケージはわんちゃんの部屋です。配置場所には十分注意し、危険な物は遠ざけるようにしましょう。
誤飲の危険性
お部屋の中にはわんちゃんにとって興味津々なものがたくさん。電気コードやリモコン、雑誌やクッションなど、噛んだら楽しそうなものが溢れています。
「しつけをしているから大丈夫」と思われるかもしれませんが、長時間のお留守番のストレスで、普段はしない行動を起こしてしまう可能性はゼロじゃありません。
電気コードは感電の恐れがありますし、クッションも中の綿を飲み込んでしまったら、窒息や腸閉塞の危険性があります。命を落とす危険性があるのです。しかも長時間のお留守番中だからすぐに発見することが出来ない。
つまり、お留守番中のわんちゃんがお部屋の中を自由に行動出来てしまうのは、危険がいっぱいということなんです。
なかなかケージの中に入ってくれないというわんちゃんでも、少しずつケージに慣れさせることで「ここでお留守番するんだ」と理解していきます。時間がかかってしまうかもしれませんが、誤飲を避けるためにも、ケージでのお留守番を習慣化させることが大切です。
ケージは檻じゃない
犬に「ケージ=檻」と感じさせてしまわないよう、徐々にケージに慣れさせることが大切です。「ケージ=快適な場所」と思ってくれるようになると、寂しい思いをさせることなく、独りでお留守番するのが苦にならなくなります。
自宅のケージでお留守番に限らず、「スーパーゴールデンウィークで海外旅行に行くから、ペットホテルに預ける」といった場合にもケージに慣れさせておく必要があります。

ケージで留守番させる時間はどのくらいが限界?

「待て」
さて、わんちゃんはどのくらい待てるでしょう。 飼い主に「待て」と命令され、7日間待ち続けた犬もいるそうですが、不安でたまらなかったと思います。
飼い主さんがいる目の前での「待て」と、留守番は全然違います。 犬が留守番できる時間は、トイレと食事のことを考えると12時間が限界と言われています。
しかし、イタズラ好きな子犬や、体調が変化しやすい老犬は、極力留守番の時間を短くしてください。
急な用事ができてしまった場合は仕方ないかもしれませんが、いきなり長時間の留守番をさせるのではなく、徐々に留守番の時間を増やしていくなど、留守番の練習が必要です。
留守番に最適なケージの大きさは?




こちらの記事でもご紹介させていただきましたが、犬には最適なケージの大きさがあり、大きすぎても不安を与えてしまいます。逆に限られたスペースの方が落ち着くそうです。
ケージの中には、ごはん、水、寝床、お気に入りのオモチャ、飼い主さんの匂いがついたタオル、トイレなどを置き、安心して過ごせる環境にしてあげてください。
ケージの扉は開けておき、周りにサークル(柵)をおいて犬の自由に動けるスペースを広げてあげるのも良いかもしれません。その子の大きさや性格に合わせ、最適な空間を作ってみましょう。
トイレの設置場所はケージの中にすべき?

わんちゃんをお留守番させて外出。でも帰宅したら、おしっこまみれ、うんちがばら撒かれている、トイレシートが散り散り。疲れて帰ってきたのに「わんちゃんのお風呂と部屋の片づけ」をしないといけない。悲惨な状況に思わず愕然としてしまった経験はありませんでしょうか。
「こんなんじゃ、もう出かけられない」そう思って、外出をあきらめようとしていませんか?
でも、あきらめないでください。わんちゃんは本来きちんとお留守番が出来る生き物なのです。きちんと対策をすれば大丈夫!!
ここでは留守中にトイレを失敗する原因と、留守中のトイレ対策をいくつかご紹介しますね。
留守中にトイレを失敗する理由
- 飼い主がいない寂しさ、不安、恐怖
- トイレトレーニングができていない
- 飽きたから、トイレで遊んじゃえ
わんちゃんがトイレを失敗してしまう理由はいくつかありますが、主にこちらの3つが原因と考えられます。
特に仔犬の時期に見られる行動ですが、成犬になっても同じような行動が見られた場合、もう一度しつけについて見直す必要があります。トイレやケージの中の環境についても同様です。
留守中のトイレ対策
- 寝床とトイレを別にする
- メッシュ付きのトイレを用意する
- トイレを我慢させない
- トイレトレーを用意する
外出中はこまめにトイレシートを変えてあげることが出来ません。元々綺麗好きなわんちゃんは、一度トイレをしたらシートを変えてくれるまで我慢してしまうということもあります。
そこで吸水性の良いトイレシートを用意してみてはいかがでしょうか。
吸水性や脱臭力も良いため、長時間のお留守番でも安心なトイレシートです。
また、シートが破れない対策をすることが大切です。
メッシュ付きのトイレトレーを使えば、トイレシートをビリビリにしてしまう危険性が低くなります。
ただトレーからシートがはみ出したりしていると、その部分をくわえて引っ張りだしてしまうこともあります。結果ビリビリにされてしまいますので、セットをする時ははみ出していないか確認しましょう。
洗えるタイプもあります。水洗いが出来るくらい頑丈ですので、噛みちぎる危険性も少ないでしょう。

環境の変化により、犬は排泄を我慢してしまうことがあります。オシッコを我慢させることは膀胱炎発症の原因となりますので、飼い主がいなくても、安心して排泄ができる環境を整えることが大切です。
飼い主の皆さん。わんちゃんが留守番中にトイレを失敗してしまっても怒らないでください。帰宅して落ち着いたら、お留守番できたことを褒めてあげましょう。
ケージで留守番させるストレス

留守番の不安から、問題行動、ストレスによる体調不良をひき起こしてしまう可能性があります。ここでは、お留守番するわんちゃんのストレスを減らす対策をご紹介しますね。
留守番前に満足させる
お出かけ前に、わんちゃんと散歩に行くなどして満足させてあげてください。すぐに退屈してしまうことがなく、ほどよい疲れで睡眠できるので、ストレス防止になります。
人間が睡眠前にストレッチを行うと、睡眠の質がアップする、というのと同じですよね。
長く遊べるオモチャ、長く噛めるおやつを用意する
お気に入りのオモチャや、ガムなどで犬に楽しみを与えてあげましょう。犬は噛むことでストレスを発散します。くれぐれも、近くに噛んではいけない物をおかないように注意してください。
出かける時に犬に声をかけない
出かける前に愛犬への挨拶は不要です。飼い主が出かけることを知らせないのは、冷たいことではありません。出かけたことに気が付かなければ、寂しさも感じないのです。
そのため、外出することをわんちゃんに気付かせないことが大切です。「特別なことではない」と理解させることで、わんちゃんはお留守番に慣れていくのです。
もう1匹飼う
犬はもともと、群れで生活する動物です。留守番中に遊んでくれる仲間がいれば寂しくありません。
ただし、犬にも相性がありますし、老犬と子犬を一緒に飼うのは、あまりお薦めしないようです。体力が有り余っている子犬は、体力に衰えを感じる老犬にとって大きなストレスになってしまう場合があります。
信頼関係が大切
犬に信頼されていない飼い主さんは「このまま帰って来ないのかも。」と疑われ、不安を与えてしまっていることも考えられます。「いなくなっても絶対戻ってくる」という信頼関係を日頃から築くことが大切です。




まとめ
ここまで、わんちゃんのケージを活用した留守番についてご紹介してきました。ポイントをおさらいしてみましょう。
- 留守番はサークルより天井があるケージが安心
- ケージに慣れさせることが大切
- トイレはケージ内に置かなくても良い
- 犬が留守番できる限界は12時間
- 子犬、老犬の留守番時間は極力短く
- 留守中にストレスを与えない為には配慮が必要
飼い主が安心して出かけられるようにするためには、日頃からの練習や信頼関係が何よりも大切となります。
留守番がどうしても心配な方は、「ペットの幼稚園」「ペットの保育園」「ペットホテル」に預けるか、知り合いに預けるのも決して悪くはありません。
飼い主さんも、わんちゃんも無理をせず、いつまでも仲良く元気で暮らすのが一番ですから。 今日も、お留守番しているわんちゃん。ありがとう。