最近は賃貸物件でもペット可のところが増えてきましたね。大型犬は難しくても、小型犬ならOKという大家さんが多いので、独身の方が飼うことも多くなってきました。
そこで心配なのが犬のお留守番。日中の誰もいない時間、いたずらしていないか、具合は悪くなっていないか、心配になりますよね。
留守中に窮屈な思いをしないように、せめてケージだけは大きい物を用意しようと思っている方も多いと思いますが、果たしてそれは本当に正しいのでしょうか。
犬用ケージは大きいほうが犬のためになるのか。今回はお留守番の多いわんちゃんのために、最適なケージの大きさを調べてみたいと思います。
大きさはどのくらい?犬用ケージを選ぶ時のポイント

そもそも犬のケージを選ぶ時、何を基準に大きさを選べば良いのでしょうか。まずは目安となる大きさを確認していきましょう。
ケージの中で体の向きを変えられる大きさ






犬はもともと、穴を掘ってそこに身を隠しながら生活していた動物なので、狭くて暗い場所を好みます。広いスペースに長時間いると、少しの物音で吠えたり凶暴になったりと、落ち着きのない性格になってしまいます。自分の周りを守るものがないと臆病になってしまうのです。
そのためなるべく狭く、屋根が付いているケージを選ぶと良いでしょう。わんちゃんが一番安心する大きさは、成犬時にケージの中で体の向きを変えられる大きさです。
しかし子犬の頃の大きさで計ってしまうと、中型犬に小型犬用のケージを買ってしまうことになってしまいます。あくまでも成犬時の大きさが目安です。
ペットショップのスタッフさんかブリーダーさんに確認する
「成犬時の大きさ」と言われても、いま現在手のひらサイズの子犬が一体どれくらい大きく成長するのか、ちょっと予想がつかないですよね。
そこで注目したいのが、ケージの商品名に記載されている「〇〇型犬」の部分です。犬用のケージにはほとんどの商品に、どのサイズのケージなのか表記されています。小型犬用なのか大型犬用なのか、まずはこの大きさを目安にしましょう。
そして、ペットショップの担当さんやブリーダーさんに、どのくらい成長する見込みがあるのかを確認しましょう。
血統書がある場合はミックス犬でも犬種が記載されているので、おおよその検討がつきます。もし血統書がなかった場合でも、ペットショップやブリーダーさんに聞いて、調べてもらうことが可能です。確実には判明しなくても、おおよその検討がつけば大丈夫です。
将来どのくらいの大きさにまで成長するかが予想出来れば、成長した後でも困らない十分な大きさのケージが選べるでしょう。
本当に大丈夫?犬の留守番に必要なケージの大きさ

私が初めて「犬を飼うぞ!」と決めた時、一番心配だったお留守番についてペットショップで相談しました。すると「わんちゃんはお留守番が出来るから大丈夫ですよ!」と自信たっぷり。そしてお留守番に必要なグッズをあれやこれやと紹介してくれました。
しかし実際に飼ってみると、本当に必要なものはトイレと水飲みグッズだけ、なんですよね。





暑さや寒さの対策グッズがたくさん売られていますが、もともとわんちゃんは外で生活していた生き物なので、あまり必要がありません。もちろん犬種にもよりますが、部屋のエアコンなどで室温を調整すれば、ケージの中にグッズは必要ないのです。
むしろ子犬の頃はグッズを「オモチャ」と勘違いして、コードを噛んだり加えて遊んだり破壊したりと、思わぬトラブルに繋がってしまうのであまりおすすめ出来ません。
そのため、お留守番をするわんちゃんのケージには、トイレのスペースと水飲みスペース、この2つが設置出来る大きさのもの選んであげると良いでしょう。
また、大きいケージの方が留守中にわんちゃんが運動出来るのでは?と思う方もいるかもしれませんが、わんちゃんは飼い主さんの帰りをひたすら寝て待っているものです。
ですので、運動目的で大きなケージを選ぶ必要はありません。その分、お散歩や遊んであげる時間を作って運動させてあげてくださいね。
大きいケージを購入した時のメリット

ケージは狭い方がわんちゃんにとって良い、とお話ししましたが、大きいケージを買うことが悪いわけではありません。大きさがあることのメリットももちろんあるのです。
そこで、大きいケージのメリットをご紹介していきます。
トイレと寝床を離すことが出来る
わんちゃんの性格によっては、とても神経質な子もいます。せっかくケージの中にトイレを用意しても、1回使用したトイレを使いたくなくて、まったく違うところでしてしまったり、水やおしっこで濡れてしまった敷物が嫌で吠え続けてみたりと、中にはそんな性格の子もいるのです。
お留守番中にそんな状況になってしまっても、対処してあげられないのが歯がゆいですよね。人間にとってもわんちゃんにとってもストレスになってしまいます。
そこで、そんな子にはトイレを別に出来る少し広めのケージがおすすめです。
こちらの商品は、外側の扉を閉じていても中でトイレと寝床の行き来が出来るんです。お留守番中でも自由にトイレが出来ますし、トイレのしつけが完了していればわんちゃんも快適に過ごすことが出来そうですね。
予想より大きくなってもそのまま使用出来る
成犬時にどのくらいの大きさになるか、ある程度予想はしていても、その予想を超えてびっくりするくらい大きくなることもあります。豆柴のつもりで飼ったのに、普通の柴犬くらいの大きさになっちゃった!という声も聞こえてくるくらいです。
そんな時、あらかじめ大きなケージを買っておけば、多少大きく成長したとしても今までどおり使用することが可能です。
わんちゃんは環境の変化に敏感なので、慣れ親しんだケージを買い直すのも一苦労でしょう。また金額もそこそこ高いので、お財布にとっても優しくありません。そのため、ケージを置くスペースを確保出来るのなら、あらかじめ大きなケージを購入しておく方が安心です。
お気に入りのグッズを入れられる






お留守番中に必要なものはトイレと水飲みグッズのみ、と前の項目でお話ししましたが、お気に入りのクッションやぬいぐるみなど、その子の性格によって必要なものもあると思います。
そんな時に狭いケージだと、グッズでスペースを取ってしまいわんちゃんのスペースがなくなってしまいますよね。
しかしこのようなグッズを中に置けば、ケージが大きすぎた場合でも狭くて安心出来る場所を作ることが可能なのです。
わんちゃんは飼い主さんのにおいが付いたものが大好きなので、お留守番が多いわんちゃんには安心させてあげられるような敷物やグッズを用意したいですね。
「犬用ケージは大きい方が良いのか」結論
犬用ケージの大きさについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
それではポイントをおさらいしていきましょう。
- 大きすぎると落ち着きのない子に育ってしまう
- 最適な大きさは「ケージの中で向きを変えられる大きさ」
- お留守番が多い犬にはトイレと水飲みを置ける大きさを選ぶ
- 犬用のグッズは必要最低限のものをケージに入れる
- 大きいケージは性格や成長に合わせた使い方が出来る
以上の5つのポイントをまとめると、結論として「大きくても小さくてもメリットがある」ということです。
大きいケージは状況に応じていろんな対処が出来ますが、落ち着きがない子に育ってしまうデメリットがあります。逆に小さいケージだと、予想以上に成長した時にケージを買い直すことになってしまいますが、そのまま持ち運べるというメリットもあります。
高速道路のパーキングエリアで、トランクにケージごと乗っているわんちゃんを見かけたことがあります。小さいケージは、わんちゃんにとっても自分の「ハウス」の中なので安心して長距離移動が出来るのでしょう。
わんちゃんの成長やライフスタイルを考えたうえで、どのくらいの大きさを購入するか。人間にとってもわんちゃんにとってもストレスの無いものを選びましょう。