愛犬がいつも食べていた餌を急に食べなくなることがあります。そんな時、「調子が悪いのかな?」と不安になりますよね。仕事などで留守にする時など、餌を食べなかったり元気がないと気になって仕方ありませんよね。
私の友達のわんちゃんも、年に数回食べなくなることがあるそうです。最初は「病気かな?」と不安になり病院へ連れて行ったりしていたそうですが、今では状況を見て様子見ていいか、病院へ行くべきか判断しているそうです。
私はその話を聞いた時に、「その判断がわからない」と思いました。皆さんはどうですか? ただ気まぐれで食べないならまだいいですが、症状によっては早急に対処しないと死んでしまう可能性もあります。自己判断で手遅れになることもあるかもしれません。
そこで今回は食べない時の判断のポイントや原因、対処法など詳しく解説したいと思います。
愛犬が餌を食べない6つの原因とは?

わんちゃんが餌を食べなくなる原因は様々ですが、大きく分けて6つあります。
- わがまま
- ストレス
- 発情期
- 加齢
- 夏バテ
- 病気
食べない原因の大半であるわがままやストレスから原因と対処法を、最後の病気に関しては緊急度も併せてご紹介します。





原因その1 賢い愛犬のわがまま
- 元気がある
- うんちが正常
- おやつは食べる
- 普段通り動くし遊ぶ
わんちゃんが目を輝かせておねだり攻撃してくるとついついあげたくなりますよね。でもそれで与えてしまうと、食べなくなる原因になります。




おねだり攻撃に負けて人間のご飯を与えたことはありませんか?
人間の食べ物はわんちゃんの餌に比べると風味も味も豊富なので、味を覚えるとドッグフードでは物足りなくなり食べなくても納得できますよね。
わんちゃんに人間の食べ物は与えないようにしましょう。

餌を食べないからとおやつを与えたことはありませんか?
1度や2度くらいなら問題ないかもしれませんが、これを繰り返すと食べなくなります。
わんちゃんはお利口なのでドッグフードを食べなければ、もっとおいしいものが食べられると覚えます。
「ドッグフードしか出てこなかったら食べるでしょ?」「あの時は心配であげただけだから」と思ってますか? 飼い主さんからすれば「たまたま」かもしれませんが、わんちゃんにしてみれば関係ありません。
食べなければおやつが貰えると覚えているので、食べなくてもおやつを与えないようにしましょう。

食べないからと餌を置きっぱなしにしていませんか?
餌を置きっぱなしにすると衛生的にもよくありませんが、わんちゃんはいつでも食べられると思って出されてもすぐに食べなくなります。「出された時に食べないとなくなる」というのを教えるためにも、30分程でさげるようにして下さい。


わがままの理由を3つ紹介しましたが、わがままで食べないわんちゃんにドッグフードを食べさせるには、人間との根気勝負になります。
お腹が空いて可哀想だとは思いますが、ドッグフードを食べないことで栄養が偏り病気や肥満になる可能性もあり、そうなると辛い思いをするのはわんちゃんです。根気負けしないようにして下さいね。
その他にもおやつの与えすぎでお腹が空いていない可能性もあるので、おやつは量と回数を決めて少量与えるようにして下さい。
超簡単! 餌にかけるだけ
- ドッグフードをふやかす
- 煮汁をかける
肉や魚、わんちゃんでも大丈夫なキャベツやかぼちゃなどの甘みが出る野菜の煮汁をかけたり、ふやかすことで香りが増し嗅覚を刺激するのでおすすめ。
2つとも水分も摂れるので一石二鳥ですね。この方法はこれからお話する原因にも効果的です。
原因その2 意外に繊細? 精神的なストレス
- 餌を食べない
- 下痢や便秘
- 元気がない
- あくびや目を細める
- ずっと手足を舐めたり、噛んだりする
引っ越しや長時間の留守番、家族が増えたりなど環境の変化などの不安感からストレスを抱えるわんちゃんがいます。
知り合いのわんちゃんは飼い主さんにお孫さんが出来た時、自律神経失調症になってしまいました。今まで自分だけに注がれていた愛情や飼い主さんの注意がお孫さんに向いたことで過度のストレスを感じたようです。
ストレスで食べない時は、ストレスの原因を取り除いてあげることで食べるようになることもあります。ストレス解消にいつもと違う散歩コースにしてみたり、撫でてあげたり遊んだりスキンシップを多めにとるのも効果的です。
原因その3 発情期
- メスの場合、発情期には一般的に食欲が落ちたり元気がなくなったりすることが多いと言われています。
- オスの場合、近くに発情期のメスがいるとフェロモンに反応し食欲が落ちることがあります。
どちらにしても期間限定なので、しばらく様子を見てあまり長く続くようであれば受診するようにして下さい。
原因その4 加齢によりシニア期突入
シニア期(7才~)に入ると運動量が減り消化機能が衰えてくるため、食欲減少するわんちゃんもいます。この場合は心配する必要はありませんが、他にも原因が考えられますので加齢による食欲減少の原因と対処法は後ほど詳しく解説しますね。
原因その5 熱中症も心配! 夏バテ
- ご飯を食べない
- 日中だるそうに寝ている
- 元気がない
- 下痢や便秘
皆さんは夏でも食欲旺盛ですか? ムシムシした暑い日が続くと食欲がなくなったり、体がだるくなったりといった経験されたことあるのではないでしょうか。
それはわんちゃんも同じで、外で飼われているわんちゃんは室内で飼われているわんちゃんより夏バテになる可能性が高いです。
特にシベリアンハスキーなどの寒い地方原産の毛が多いわんちゃんは暑さが苦手ですし、風通しのいい日陰に場所を移動したり、朝晩の涼しい時間帯に餌を与えるなど少しの工夫で食べることがあります。
室内で飼われているわんちゃんでも、室内の温度が高ければ熱を体にため込んでしまい熱中症の危険もあり、パグなどの短頭種は呼吸のしづらさから熱中症になりやすいので注意が必要です。エアコンを付けるなど温度には気を付けて下さいね。
餌にも少しの工夫をしてみましょう。夏の暑い時期には、のど越しのいい食べ物のほうが人間でも食べやすいですよね。
わんちゃんも同じなので、ドッグフードに水を入れたりふやかしたりすることで、匂いがきつくなり食べることもありますし水分補給も出来るのでおすすめです。きゅうりやトマトをトッピングするのもいいですね。
外で飼われているわんちゃんも室内で飼われているわんちゃんも、水分不足になると脱水症状をおこすので、いつでも新鮮なお水が飲めるようにしてあげて下さいね。
熱中症対策は人間だけではなくわんちゃん用のエコで便利なグッズも豊富です。
自動給水器などもあり留守がちな飼い主さんは助かりますね。
原因その6 食べない時の主な病気5選

赤信号! すぐに病院へ
1.膵炎
膵臓で作っている膵液という消化酵素が、膵臓自体を消化することで炎症を起こす病気です。
激しい痛みなると背中を丸めてうずくまり、触られることを嫌がることが多いです。
吐く回数が多く、餌を食べない場合には膵炎が疑われることがあります。急性膵炎の場合は重症化すると最悪の場合亡くなることもあるので、よく吐き食欲がない時には血液検査で調べてもらいましょう。
- 餌を食べない
- 繰り返し吐く
- 激しい腹痛など
黄色信号! なるべく早めに病院へ
2.膀胱炎
膀胱炎になると膀胱への細菌感染が同時に起きていることが多いため出血が起きる場合もあります。
膀胱炎の症状が進むと排尿時の痛みが増したり、残尿感から何度も排尿姿勢をとることがあります。痛みやから食べなくなることがあります。
- 餌を食べない
- 嘔吐
- 何回もおしっこに行くけど出ない
- おしっこに濁りがある
- おしっこに血が混じる
3.歯周病
歯周病は歯垢や歯石が歯や歯周ポケットに付着し口内環境が悪化する事で、歯を支えることができなくなり歯のぐらつきが起こります。
進行すると、細菌感染から出血や炎症が起こり、悪化すると膿がたまり歯茎が腫れる事があります。このような状態になると、痛みなどでご飯を食べることができなくなります。
-
- 痛みで餌を食べない
- 空腹で胃液を吐く
- 匂いは嗅ぐが食べようとしない
青信号! 家で様子をみてみる
調子が悪い時に負担をかけないために、病院へ行く前に電話で相談すると安心ですね。
4.呼吸器系疾患
風邪などで呼吸器症状があると、匂いが分かりにくいので食欲が減少します。熱が出たり感染が進むと人間と同じで全身症状になり、さらに食欲がわかなくなります。
- 鼻汁
- くしゃみ
- 咳が出るなど
5.胃腸炎
抵抗力の低下や細菌感染などより胃腸に炎症が起こります。
- 餌を食べない
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢など
以前にもわんちゃんが食べない時の主な病気をご紹介しましたが、今回はまた違った病気をご紹介しました。
わんちゃんが餌を食べない時は様々な病気が考えられるため、以前ご紹介した病気と合わせて見て頂ければ可能性の高い病気はほぼご紹介出来たと思います。
老犬が餌を食べない理由とは? 対処法はこれ!

- 基礎代謝量の低下
- 内臓機能の低下
- 運動量が少なくなる
- 体温調整機能の低下
- 歯周病など口腔内の病
人間と同じで加齢とともに基礎代謝量の低下や内臓機能、体温調整機能の低下により嘔吐や下痢もしやすくなります。運動量が減ることでお腹が空かなくなり、また味覚や嗅覚が低下することで餌の食べる量が減ることがあります。
口腔内の病気ではなくても固いものを好まなくなることが多いので、ドッグフードをふやかしたりスープのトッピングなどを加えてみるのもおすすめです。シニア犬や老犬が食べる量が減ったと感じたら、高タンパクで関節や足腰に良いコラーゲン、グルコサミン、コンドロイチンなどを含んだドッグフードに変えてみるのもいいですね。
モグワン
- 主原料がチキンとサーモンで50%以上の高タンパク質
- 穀物不使用
- 添加物不使用
- 原材料はヒューマングレード
モグワンはチキンとサーモンが主原料になっており高タンパクです。魚には認知症予防に効果のあるDHAや心筋梗塞や脳梗塞などの予防になるEPAなどのオメガ3系脂肪酸やグルコサミン、コンドロイチンなどが含まれており、チキンやサーモン、野菜や果物がたっぷり入っているのでおすすめです。
何日食べてない? 嘔吐や下痢の判断の基準は?

一般的には下痢や嘔吐など食べない以外の症状がなければ、2,3日程度食べなくても様子をみても良いと言われています。でも、体力のない子犬やシニア犬、老犬は少しでも異常を感じたらすぐに受診するようにして下さい。
3日以上食べないようであれば、病気など他の原因も考えられますので受診するようにして下さいね。
吐いた時の判断の目安
車酔いや勢いよく食べて吐いたりと原因が分かっている場合で、吐いた後も元気であれば様子をみて大丈夫です。でも、原因が分かっていても繰り返すと胃や食道の粘膜が傷つくこともあるので注意してくださいね。
わんちゃんも人間の幼児と同じように考えると分かりやすいと思うのですが、吐いても元気であれば様子をみて、1日に何回も吐いたり吐いた後ぐったりしているようであればすぐに受診するようにして下さい。
下痢の時の判断の目安
ストレスなどの一時的な下痢の場合で、元気な時はストレスの原因など取り除きしばらく様子見て下さい。一時的な下痢であれば1~2日で治まることが多いです。
元気でも3日以上下痢が続いているようであれば感染症や食物アレルギーなどの可能性があるので、早めに受診するようにして下さい。
下痢だけではなく嘔吐している場合は脱水を起こす可能性があるので、早急に受診するようにして下さい。
まとめ
今回はわんちゃんが餌を食べない原因についてお話してきました。原因は様々ですが原因の大半は飼い主さん次第で、予防することも改善することもできます。
スキンシップをとりながら、わんちゃんに異常はないかよく観察してあげて下さいね。
それではもう一度見てみましょう。
- 餌を食べない原因は主に6つ
- 人間のご飯は与えない
- おやつは量と回数を決めて少量与える
- 食べない時の主な病気は5つ
- 老犬が食べない主な原因は加齢に伴う機能低下と口内環境
- 元気であれば2、3日食べなくても大丈夫
- 嘔吐や下痢は経過観察して良い時もある
わんちゃんが食べない原因と対処法をお話してきましたが、わがままで餌を食べないのは飼い主さんの責任です。わんちゃんは餌をはじめ全てにおいて飼い主さんに依存しています。飼い主さんが与えなければ餌の味しか知りません。
人間のご飯やおやつの味を知っているわんちゃんに、餌を食べさせるには根気がいりますが、大事なわんちゃんのために心を鬼にして頑張ってくださいね。