「暑くて眠れないわ」「今日のお散歩はもういいよ、暑すぎるよ」
これは、夏のラテとマロンの一言です。もちろんラテもマロンも会話はできません。しかし、夏のこの暑さできっとこう言っているに違いありません。
水遊びやキャンプなど愛犬と一緒に過ごせるイベントがたくさんある夏ですが、夏バテや熱中症が心配な季節でもあります。
今回、私はラテとマロンを熱中症から守るために、「涼しい環境をつくる」「熱から身体を守る」「しっかり水分補給をする」ことのできる熱中症対策グッズについて調べてみました。
熱中症対策ってどんなグッズがあるの? 何から揃えればいいの? とお悩みの飼い主さんにもわかりやすくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
熱中症対策1 愛犬に涼しい環境をつくるグッズ
ここでは、わんちゃんに涼しい環境を作ってあげるグッズ「クールマット」をご紹介します。クールマットは触れるとひんやり感じるマットです。いつもわんちゃんが過ごす場所に敷いてあげましょう。
わんちゃんは気温や運動などにより体温が上がりますが、そのまま体温が下がらないと熱中症になってしまいます。
クールマットに触れることで、体温の上昇を防いだり上がってしまった体温を下げることができるので、熱中症の予防に繋がります。
そんな便利なクールマットについて、タイプ別にご紹介していきたいと思います。
タイプ1 大理石マット
大理石を使用したタイプのマットです。石の自然なひんやり感でわんちゃんを冷やしてくれます。ふき取り掃除も丸洗いも可能なので、いつも清潔に使用できます。
ほかのタイプのマットと比べ重いので、ずれにくいのも特徴です。数枚を並べると大型犬も使用することができます。
タイプ2 アルミマット
熱を移動させやすい(熱伝導率の高い)物質、アルミニウムを使用したタイプのマットです。マットがわんちゃんの熱を吸収し、放熱することでひんやり効果があります。
わんちゃんの体温より低い温度の環境で効果を発揮するので、涼しい場所で使用してください。ただし、冷房の風が直接当たると冷えすぎるので注意が必要です。
こちらも、ふき取り掃除や丸洗いが可能なので、いつも清潔に使用できます。
タイプ3 ジェルマット
冷却ジェルを使用したタイプのマットです。使用するジェルは室温と同じになる性質があり、わんちゃんの体温が室温より高いと触れた時にひんやりと感じます。
ジェルとカバーが取り外せるタイプや一体型、カバーもひんやり感じる素材を使用しているものなど種類は様々です。ふき取り掃除や丸洗いが可能かどうかは製品ごとに異なりますので確認してください。
使用する時は、わんちゃんがマットを噛んで中のジェルを誤飲しないように注意してください。
タイプ4 冷感素材マット
触れるとひんやり感じる冷感素材を使用したタイプのマットです。カーペット型のほか、ドーム型やベッド型などバリエーション豊かです。ふき取り掃除や丸洗いが可能かどうかは製品ごとに異なりますので確認してください。
<カーペット型>
<ドーム型 わんちゃんも安心してくつろげます>
<ベッド型 ソファーやクッションが大好きなわんちゃんにもおすすめ>
ひんやり感じるクールマットの選び方
4タイプのクールマットをご紹介しました。それぞれに特徴があり、どのタイプを選べばよいか悩んでしまいますよね。そこで、使用する状況や環境に合わせたおすすめのタイプをご紹介します。
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持ち運びに便利なのは? 時間でわんちゃんの過ごす場所が変わる場合など
おすすめのタイプ- アルミマット
- ジェルマット
- 冷感素材マット
不向きなタイプ- 大理石マット
大理石マットは他のタイプに比べて重いので、持ち運びには不便だね。 -
車中で使用するには? わんちゃんも一緒に車でお出かけしたい時に
おすすめのタイプ- ジェルマット
- 冷感素材マット
折り畳み可能なジェルマットや冷感素材マットは、スペースに合わせて使用できるね。不向きなタイプ- 大理石マット
注意が必要なタイプ- アルミマット
車中でクレートを使用する場合、クレート内にエアコンの冷気が届かないことがあります。クレート用の扇風機を使用するなどして熱中症を予防しましょう。アルミマットは、窓からの日差しが当たると熱くなってしまうから注意してね。 -
わんちゃんが一人でお留守番する時には?
おすすめのタイプ- 大理石マット
不向きなタイプ- ジェルマット
- 冷感素材マット
ジェルマットは、わんちゃんが噛んで中のジェルを誤飲する危険性があるね。
危ないので、飼い主さんのいる場所で使おう。冷感素材マットも、噛み切って食べてしまう危険性があるわね。注意が必要なタイプ- アルミマット
アルミマットは、窓からの日差しが当たると熱くなってしまうから使用場所に注意してね。そうだね、アルミマットは使用場所に注意が必要だね。
日差しの当たる場所では高温に、冷房の風が直接当たる場所では冷たくなりすぎるね。
日差しの当たる場所も時間で変わるから気を付けよう。関連記事わんちゃんがお留守番する時は、エアコンなども使用しましょう。わんちゃんのお留守番とエアコンについては、こちらの記事で詳しく説明しています。 -
掃除が楽なのは? いつも清潔に使用したい
おすすめのタイプ- 大理石マット
- アルミマット
大理石マットやアルミマットは汚れをサッとふき取ることもできるし、丸洗いもできていつも清潔だよ。ジェルマットや冷感素材マットは、それぞれの商品説明に従って洗ってね。 -
屋外で使用できるのは? 屋外でわんちゃんを飼っている場合など
4タイプとも使用する環境の温度により効果が左右されるため、屋外では室内ほどのひんやり感は期待できません。
しかし、大理石マットを屋外の日陰で使用している飼い主さんもいるようです。こちらの飼い主さんの感想を参考にしてみてください。<こちらの商品を外で使用した飼い主さんの感想です>
外飼いの愛犬に買いました
外では冷たくないかと思ってましたが小屋の中は日陰なので冷たくて活躍してます。引用:楽天市場
日陰は時間とともに移動するので、注意してくださいね。
ひんやり過ごせるペットハウス
こちらは小型犬向きのグッズになりますが、クールマットのほかにも涼しい環境を作るグッズをご紹介します。
このペットハウスは、ハウス上部の引き出しに保冷剤をセットすることでハウス内をひんやり快適にしてくれます。
熱中症対策2 熱から身体を守るグッズ
わんちゃんを熱から守り熱中症を予防するグッズ、「服」と「バンダナ」をご紹介します。
わんちゃんに服を着せると、余計に暑いのでは? と思う飼い主さんもいらっしゃるでしょう。でも、服を着せてあげることでメリットもあるんですよ。
わんちゃんはお散歩などで外を歩くとき、飼い主さんよりも身体が地面に近いため地面からの熱でより暑さを感じます。わんちゃんに服を着せると地面からの熱や直射日光を遮ってあげることができるので、熱中症の予防にも繋がります。
夏の散歩に、冷却効果のある服
こちらの服は、水に浸し絞ってから着ることでわんちゃんを冷やしてくれます。
気化熱とは、液体が蒸発する時に周囲から奪う熱の事です。
服に含んだ水が蒸発する時にわんちゃんから熱を奪うので、わんちゃんを冷やしてくれるというわけです。
冷却効果だけじゃない! +αでより快適に
<冷却効果+防虫>
こちらの商品は、肌の表面温度を25℃に保とうとする素材を使用しているため、着ているわんちゃんは涼しさを感じることができます。また、涼しいだけでなく防虫加工により蚊を防ぐ効果が期待できます。
こちらの服も、速乾性がある涼しい着心地の素材を使用しており、お腹側は防虫加工されています。
防虫加工をしている服は、わんちゃんが舐めたり噛んだりしないように注意してください。
<冷却効果+遮熱・UVカット>
こちらの服は、気化熱でわんちゃんを冷やしてくれます。さらに、遮熱効果で地面からの照り返しの熱をカット、UVカット効果で紫外線をカットしわんちゃんを守ります。
首元を冷やす、冷却効果のあるバンダナ
熱中症を予防するには、首元を冷やしてあげるのも効果的です。わんちゃんの首の動脈を冷やすことで、冷たい血液が全身をめぐりわんちゃんを冷やしてくれます。
こちらは、冷感素材を使用したバンダナです。中に冷やしたジェル(保冷剤)をセットして使用します。
冷却効果だけじゃない! +αで快適、おしゃれなバンダナ
<冷却効果+防虫>
こちらのバンダナは、わんちゃんが触れる面に冷感素材を使用しており首元を冷やします。表面は防虫加工されています。
<冷却効果+頭と耳も遮熱>
こちらは専用の保冷剤をセットし、わんちゃんの首元を冷やします。遮熱効果のある素材を使用しており、首だけでなくで頭と耳まですっぽりカバーできます。頭や耳を出して使用することも可能です。
<冷却効果+手作りでおしゃれに>
保冷剤を入れるポケットがついたバンダナを手作りしてみませんか? 会員登録が必要ですが、手作りバンダナの型紙を無料でダウンロードできるサイトもあります。お気に入りの生地で、ぜひ作ってみてくださいね。
<会員登録が必要ですが、手作りバンダナの型紙が無料でダウンロードできるサイトです。>
引用:milla milla
ご紹介した服やバンダナは、散歩や外出する時だけでなく室内で過ごす時も熱中症の予防に効果的です。また、夏は朝や夕方、夜など少しでも涼しい時間帯に散歩に行くといいですね。
熱中症対策3 しっかり水分補給
熱中症を予防するには水分補給も大切です。いつでも新鮮な水がたっぷり飲めるように、おすすめの給水グッズをご紹介します。
わんちゃんは、散歩や運動で体温が上がると「パンティング」という舌を出して浅く速い呼吸をします。パンティングをすることで唾液を蒸発させ、その気化熱を利用し体内の熱を放出します(上がった体温を下げます)。
夏は暑さでとくにパンティングが盛んになります。
パンティングで唾液と一緒に水分も蒸発し、脱水症状を起こします。
脱水症状になるとパンティングしても唾液が出ず、体温が調節できないため(体温が下がらないため)熱中症に繋がります。
設置タイプの給水器 いつも過ごす場所やお留守番に
<保冷する給水ボウル いつでもつめたい水が飲めます>
こちらのボウルは、内側が取り外せる保冷剤になっています。この保冷剤を冷凍庫や冷蔵庫で冷やして使用すると、数時間、水を保冷することができます。
保冷剤を誤飲する危険性がありますのでお留守番の時には不向きです。
<循環型の給水器 いつでも新鮮な水が飲めます>
こちらは循環型の給水器です。水は流れることで水中に酸素を多く取り込み、いつでも新鮮な水を飲むことができます。活性炭フィルターも内蔵されており浮遊物や水道水の臭みも取り除きます。
電源コードを使用しますので、わんちゃんがコードを噛むなどいたずらしないように注意してください。
<貯水・自動給水型の給水器 たっぷりの水でお留守番にも>
こちらは2リットルの貯水タンクが付いた給水器です。飲み皿の水が減ると自動で給水されますので、お留守番の時にも安心です。
携帯タイプの給水器 散歩やレジャーに
<水飲み用カップ>
こちらは、携帯タイプの水飲み用カップです。ペットボトルに取り付けるとシャワーになり、わんちゃんのトイレ後のマナー洗浄にも使用できます。
<浄水機能も付いた水筒型の給水器>
こちらは内部にフィルターが付いており、浄水機能も兼ね備えた給水器です。お散歩中でも、片手で給水できるので便利です。
熱中症を予防しよう
わんちゃんの熱中症について知ることは、熱中症の予防と対策に役立ちます。飼い主さんが知っておきたいことをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
熱中症とは
犬は散歩や運動により体温が上がると、パンティングにより体温調節を行います。しかし、何らかの要因で体内の熱が放出できず、体温が下がらないと全身の機能に異常が起こってしまいます。これを熱中症といいます。
平熱 37℃~39℃前後
体温が40℃~41℃で熱中症の危険性
熱中症になる原因
犬は体温調節が苦手
人間は汗をかくことで体に溜まった熱を放出します。犬も全身に汗腺があり汗をかきますが、犬には2種類の汗腺があります。2種類のうちの1種類が犬の体温調整をする汗腺(エクリン腺)ですが、これは肉球や鼻先など少しの場所にしかありません。
犬は体温調節のできる汗腺が少ししかないためパンティングにより体温調節を行いますが、人より熱を放出する効率が悪く熱中症になりやすいのです。
温度だけでなく湿度も注意
犬の熱中症は、温度だけでなく湿度も熱中症の原因になります。
気温 22℃
湿度 50%
湿度が高いと、パンティングを行っても唾液が蒸発しません。そのため、体内の熱が放出できずに(体温が下がらずに)熱中症になる危険性が高くなります。
また、熱中症は夏だけでなく春から注意が必要です。湿度が高くなる梅雨時も注意してください。
<ペット保険を取り扱う会社による「熱中症による保険の請求件数(月別)」です。(グラフをクリックすると拡大します)>
犬の熱中症は、毎年4月頃から発生が増え始め、ピークは梅雨明け後の7~8月です。ただし、急に気温が上がり始める5月頃は、ゴールデンウィークのお出かけも重なることから、発生が急増します(4月の4倍以上)。気温はそれほど高くなくても、身体が暑さに慣れていない時期ということも原因と考えられます。
引用:アニコム損害保険株式会社
熱中症になりやすい犬種
<短頭首の犬種>
鼻の構造上、「パンティング」が他の犬種より苦手です。
- パグ
- シーズー
- ボクサー
- ボストンテリア
- フレンチブルドック など
<ダブルコートの犬種>
寒い国や寒い地域が原産で、寒さから身を守るための被毛(アンダーコート)を持っています。
暑さにあまり強くありません。
- 秋田犬
- コーリー
- コーギー
- シベリアンハスキー
- ゴールデンデトリバー など
<その他>
- 毛色が黒い犬
黒色は熱を吸収しやすいため、熱中症になりやすい。 - 肥満の犬
皮下脂肪があり、体内に熱が溜まりやすい。 - 子犬や老犬
未熟または老いにより身体が上手く機能しないことがあり、熱中症になりやすい。 - 呼吸器や心臓に疾患のある犬
循環機能や呼吸機能が上手く働かないため、体温調整が難しい。
熱中症の症状
わんちゃんの熱中症は、次のような症状が出ます。初期症状が出た場合は、症状が重くなる前に気づいてあげましょう。
- 息苦しそう
- 体温が上がる(40~41℃以上)
- よだれが大量に出る
- ふらつく
- 嘔吐
- 下痢
- 目の充血
- 虚脱
- 失神
- 筋肉の震え
- 意識混濁
- 痙攣
- 吐血や下血
- チアノーゼ(舌が紫色になる)
- ショック状態
熱中症の症状がみられた時の応急処置
わんちゃんに熱中症の症状がみられた時には、次のような処置をしてください。これは応急処置ですので、わんちゃんの意識があり症状が落ち着いても、動物病院を受診しましょう。
- すぐに涼しい場所へ移動する。
- 体を冷やす。
冷たい水を体全体にかける。特に、犬の頭、首の後ろ、四肢の付け根はよく冷やす。 - 体温が39℃以下(耳を触った時に熱くないかどうかが目安になります)
またはパンティングがおさまるまで冷やす。 - 水分を摂る(飲まない場合は無理に飲まなくてもよい)
- 冷やす時に氷は使わない。血管が収縮し熱が放出しにくくなります。
- 症状が落ち着いても、動物病院を受診しましょう。体内にダメージを受けていることもあります。
- すぐに涼しい場所へ移動する
- 体を冷やす
冷たい水を体全体にかけ続ける。特に、犬の頭、首の後ろ、四肢の付け根はよく冷やす。 - すぐに動物病院へ連絡し、受診しましょう。
まとめ
今回は、わんちゃんを熱中症から守るグッズについてご紹介しました。たくさんある熱中症対策グッズの中から、みなさんの愛犬に適したタイプのグッズを見つけてくださいね。
- 気温や運動により、犬の体温は上がります。通常「パンティング」により体温調整を行いますが、体温調整が上手くいかず体温が下がらないと熱中症になる危険性があります。
- 「環境を整える」、「熱から身体を守る」、「水分補給をする」ことが熱中症の予防に繋がります。愛犬の生活環境や状況に適した熱中症対策グッズを使用し、熱中症を予防しましょう。
- 犬は人間より熱中症になりやすく、春から注意が必要です。温度だけでなく湿度にも注意しましょう。
熱中症は重度になると命の危険性もある病気です。また、後遺症が残ってしまう場合もあります。しっかり対策をとって熱中症から大切な愛犬を守ってくださいね。
エアコンや扇風機も併用して、わんちゃんが快適に過ごせる環境をつくってあげましょうね。