愛犬のストレスサイン、見落としてはいませんか?
普段散歩してるし、なるべくケアしているつもり。そう思っていても、実は飼い主さんの知らないところでストレスを感じているかもしれません。
とはいえ、わんちゃんのストレスサインは私たち人間とは違うので気付くのが難しいと思います。
しかし、わんちゃんのストレスに気付けず放っておいてしまうと、毛が抜けたり、自傷行為に走ってしまったり、大きな病気になってしまうかもしれません。そのため、わんちゃんが普段とは違う行動をとっていないか、きちんと確認することが重要です。
そこで今回は、わんちゃんのストレス行動について覚えやすく、活用しやすいようにまとめてみました。あなたのわんちゃんが当てはまっていないか確認してみてくださいね。
まずは確認!! 愛犬が表すストレスサインとは?
わんちゃんがストレスを抱えていると、食欲を無くしたり、元気が無くなったりと、普段とは違う様子が見受けられると思います。
しかし「これはストレス? それとも病気?」と判断に迷うこともあるでしょう。また、普段からしている行動が実はストレスが原因のものだったという場合もあります。
そこで、まずはストレスによるわんちゃんの行動をまとめてみました。
ストレスによる行動
実際に調べてみると、ストレスが原因の行動は数多く存在しました。ここではその一部をご紹介します。
- よく寝る
- おもらししてしまう
- 手足を舐める
- 震えている
- 吠える
- 耳や頭をかく
- 呼吸が速くなる
- 脱毛する
耳や頭をかくのはよく見る光景ですよね。ハッハッハッと呼吸が速い時は「喉が渇いたのかな?」と思ってしまうかもしれません。このように普段からよく見る行動であっても「ストレスが原因だった」という場合があるのです。
そしてこの症状の中には軽度なものから重度なものまであります。大きな病気に発展させないためにも、わんちゃんのストレスについて理解を深めていく必要が大切なのです。
わんちゃんが何に対してストレスを感じているのかを調べましょう。そして、その原因を解消してあげることが重要です。
これか!? 犬がストレスを感じる3つの理由!!
「ストレス」にはかなり個体差がありますが、大きく3つの原因があると言われています。
- 環境の変化による
- 体調不良によるストレス
- 精神的なストレス
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
環境の変化によるストレス
寒い、暑い、うるさい、臭いなどの身体的なものではありますが、環境を変えてあげることで解消してあげられるストレスのことです。
その他にも、飼い主さんの家庭環境やその変化についても、わんちゃんは敏感に察知してストレスを感じてしまうことがあります。例えば家族喧嘩や夫婦の離婚、引越しなども該当します。
また、家族が増える時にも注意が必要です。結婚や出産、わんちゃんをもう一匹迎え入れる場合、今までの環境から変化してしまったことに強いストレスを感じてしまいます。
スキンシップなどのコミュニケーションを取らないと、新しい家族に対して攻撃してしまうこともありますので、環境の変化があった場合しっかりとケアをしてあげましょう。
体調不良によるストレス
空腹、疲労、病気など、健康ではない状態がわんちゃんにとってストレスになります。これは人間も同じことが言えますよね。体が思うように動かなかったり、体に痛い場所があったりするとイライラしてしまうと思います。
わんちゃんも同じです。自分の体が万全でない状態が続くと、それがストレスへとつながってしまいます。
また、過度な運動もわんちゃんにとってはストレスとなってしまいます。そう、散歩です。
ストレス解消のためにも重要な散歩ですが、他の人や犬に遭遇することを苦手とするわんちゃんの場合、散歩自体がストレスになってしまうこともあります。
また、足が痛くて行きたがらないわんちゃんもいますし、老犬の場合散歩がつらいと感じているかもしれません。
愛犬の状態を確認して、無理のない運動をさせなければ、解消どころかさらにストレスが溜まってしまいますので、注意が必要です。
精神的なストレス
飼い主さんとのコミュニケーションが不足している場合、わんちゃんもストレスを感じてしまいます。
散歩に連れて行ってくれない、遊んでくれない、怒られてばかりいる。思い当たる節はありませんでしょうか。
もし心当たりのある方は、今からでも遅くありません!! 愛犬と触れ合う時間を少しでも良いので増やしてください。
わんちゃんとだけ向き合う時間を作ることが大切です。
「ストレス」と簡単に言っていますが、わんちゃんがどんなことにストレスを感じているのかは分析が難しいです。人混みが苦手な人、反対に静かな場所が苦手な人が居るように、犬も性格によってストレスの感じ方が違うからです。
愛犬が何に対してストレスを感じているのか、それが分かるのは飼い主さんだけです。普段から愛犬の様子をしっかりと確認し、適切に対処してあげてくださいね。
ストレスチェック!! 愛犬の気持ちを理解しよう!!
ここでは「愛犬が表すストレスサインとは?」でご紹介した、ストレス行動について詳しく分析していきたいと思います。
愛犬が何を感じているのかを理解するためにも、まずはどんな症状なのかしっかりと確認していきましょう。
- よく寝る
- おもらしをしてしまう
- 手足を舐める
- 震えている
- 吠える
- 耳や頭をかく
- 呼吸が速くなる
- 脱毛する
よく寝る
環境が大きく変化したことにより強いストレスを感じてしまうと、わんちゃんは睡眠が浅くなってしまい、睡眠時間にも変化が表れます。そのため、眠そうにしていたり、普段より眠る時間が長くなったりします。
体調不良や怪我をしている様子が見られない場合はストレスが原因と考えられますので、環境の変化が原因の場合は、スキンシップを取るなどしてケアをしてあげてください。
おもらしをしてしまう
引越しなどの環境の変化や、飼い主さんとのコミュニケーション不足、不安や恐怖心など、おもらしの理由は様々です。飼い主さんの気を引きたくて、トイレとは別の場所でわざとおしっこをしてしまうこともあります。
手足を舐める
「構ってほしい」「退屈だ」などの理由で、自分の手足や体を舐めてしまうことがあります。
ただし、皮膚が赤くただれるまで舐めてしまっている場合は要注意!! 「強迫神経症」という病気かもしれません。
ストレスが溜まりすぎて、自傷行為に発展してしまっている可能性があります。長時間舐め続けている場合は、かかりつけ医に診てもらうことをおすすめします。
震えている
震えていたり、体を硬直させて動かない場合は、極度の緊張状態に陥っています。原因を探り当てて対処することが大切です。
吠える
わんちゃんが吠える理由の一つとして「要求吠え」というものがあります。吠えるのを止めさせるためにわんちゃんの要求を叶えてあげると、わんちゃんは「吠えると望み通りにしてくれる」と勘違いして、悪循環に陥ってしまいます。
吠え続けられるのは飼い主さんにとってもストレスですが、実はわんちゃんにとってもストレスなのです。
そのため、吠えないようにしつけをしたり、環境を整えてあげたりすることが大切です。
耳や頭をかく
単純に耳や頭がかゆい、という場合もありますが、強いストレスを感じて体中がかゆくなってしまうわんちゃんもいます。
しかし、緊張状態を解こうとして頭をかいている場合もありますので、「かゆがっているからストレス」と一概には言えません。
様子を見つつ、長く続くようであれば原因を探したりかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。
呼吸が速くなる
暑くもなく、運動後でもないのに、ずーっとハッハッと呼吸が荒い。こんな時は緊張状態に陥っている可能性があります。口が閉まらない、よだれが出る場合も同様です。
脱毛する
人間がストレスで薄毛になったり、円形脱毛症になったりするのと同様に、わんちゃんもストレスで毛が抜けてしまうことがあります。換毛期のような全身が一度に抜けるのではなく、部分的に抜けている場合、極度なストレスが原因と考えられます。
このように、わんちゃんがストレスを感じた時の症状は他にもさまざまです。しかし、どんなストレス行動であっても、原因を突き止め対処することが一番のストレス解消法となります。
様子がおかしいと思ったら、いつもよりも愛犬に寄り添って、ストレスの原因について考えてあげてくださいね。
ストレスチェック!! 愛犬のストレス度合を調べよう!!
ここからは、わんちゃんのストレスによる行動を、感じているストレスの軽度・中度・重度に分けてご紹介します。
あなたが何気なく見ていたわんちゃんの行動は、もしかしたらストレスのサインかもしれません。一緒にチェックしていきましょう!!
軽度なストレスによる行動
軽度のストレスは、不安や緊張といった一時的なものです。これらの行動が見られたときは、すぐにわんちゃんをその原因から離してあげましょう。
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鼻をなめる
ご飯の後や水を飲んだ後以外で鼻をしきりになめている場合は、緊張しているサインです。落ち着かせてあげましょう。
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目をそらす
人間と同じように、嫌悪感や、関わりたくないこと(または対象)がある時に目をそらします。
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呼吸が速くなる
前述したとおり、暑かったり運動をした後でもないのに、ハッハッと浅い呼吸をしている場合は、不安や緊張をしている状態です。
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あくびをする
自ら緊張をほぐすためにあくびをすることがあります。睡眠不足ではなく、落ち着こうとしている緊張サインの可能性があります。
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体を掻く、ブルブルと体を揺する
気持ちを落ち着かせるために、緊張をほぐそうとしている状態です。
中度のストレスによる行動
何かに対する嫌悪や不快感からくるものです。軽度のストレスサインが見られるのに、原因について対処せず放置されてしまった場合、これらの行動が見られることがあります。
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うなる
嫌なことをされているときに「それ以上やめて! 」というサインです。「吠える」や「噛む」の一歩手前の行動ですが、重要なサインですので何に嫌がっているのかを見極めることが大切です。
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吠える
黙っていられないほどの警戒心やストレスが高まったときに出る行動です。「もうやめて! 」と伝えています。
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噛む
嫌なことを強要したり、恐怖心、警戒心が限界まで高まると、自己防衛のために噛みついてしまいます。強い拒否反応を示す行動です。
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逃げる
その場から逃げ出したり、物陰や人の後ろに隠れたりする場合、ストレスに耐えられず逃げ出してしまうという強い拒否のサインです。この行動が見られる場合は急いで対処してあげてください。
しつけが出来ていない場合もありますが、普段の様子と違うようであれば、それは嫌悪や恐怖によるストレスを感じている可能性があります。わんちゃんが嫌がっていることには早めに対処してあげましょう。
重度のストレスによる行動
これらの行動が見られたら、急いで対策するか、病院に相談へ行きましょう。わんちゃんはもう限界です。
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脱毛する
前述の通り、わんちゃんもストレスで毛が抜けます。継続して何らかのストレスに苦しめられている可能性が高いです。
ただし、皮膚病による症状の可能性もあるので、一度動物病院で診てもらうことををおすすめします。
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なめ壊す
足先や体の同じところを何度もなめてしまい、赤くただれたり、皮がむけたりしてしまう行動です。この行動が見られる場合、相当なストレスがかかっている状態です。
こちらも皮膚病の危険性もありますので、一度かかりつけ医に診てもらうと安心できるでしょう。
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血尿が出る
強いストレスを感じた後に血尿が出ることがあります。また、アレルギーや何かの病気の可能性もあるので、ぐったりしていたり元気がない様子であれば、すぐに病院へ連れていってください。
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自傷行為
自らの体を傷つけてしまう行動です。
ストレスで心が傷ついているだけではなく、ストレスの発散場所を見つけられず自分で体も傷つけていることから、相当なストレスが溜まっているサインです。十分なケアが必要となってきます。
このように、ストレス行動は様々な種類があり、軽度から重度のものまで存在します。わんちゃんの性格によっても、症状は異なってくるでしょう。
愛犬がどんな症状なのか、些細な変化を感じ取れるのは飼い主さんだけです。「何かおかしい」と思ったらすぐに対処してあげることが大切です。
まとめ
最後にもう一度確認しましょう。
- 普段から見ている行動でもストレスのサインかもしれない
- ストレスの原因は「環境の変化によるストレス」「体調不良によるストレス」「精神的なストレス」の3つ
- ストレスには軽度・中度・重症なものがある。重度な場合はすぐに病院へ
何度も言いますが、わんちゃんのストレスに気付いてあげられるのは一緒にいる飼い主さんだけです。わんちゃんは言葉を発することが出来ませんので、人間に自分の意思を明確に伝えることが出来ません。
しかし、毎日一緒にいる飼い主さんであれば、日々の小さな変化に気付くことが出来るでしょう。わんちゃんにとって頼りになるのは飼い主さんだけなのです。
飼い主さんもわんちゃんもどちらも楽しい毎日を過ごせるように、日々のストレスチェックをしっかりと行っていきましょう。