犬を散歩に連れて行こうとすると笑顔で飼い主さんを見詰めてくるのではないでしょうか。ラテとマロンも散歩の時間になると嬉しそうな顔で私を見詰めてきます。こんなに嬉しい態度を見せられては、疲れていようが散歩に行こうという気持ちが強くなりますよね。
しかし、本番はここから。あなたのわんちゃんは、散歩中にリードを噛みついたり引っ張ったりすることはありませんか?
その行動によって、リードがボロボロになったり、散歩の主導権がわんちゃんに渡っていたりすることはありませんか? いくら可愛い愛犬でも、散歩で振り回されると飼い主さんの疲れも溜まってしまいますよね。しかし、わんちゃんにも理由があってリードを噛んだり引っ張ったりしてしまうのです。
今回の記事では、わんちゃんが散歩中にリードを噛んだり引っ張ったりしてしまう理由と、その対策案を説明していきます。飼い主さんとわんちゃん、お互いが楽しく散歩をするためにも、この記事に書いてあることを役に立てていきましょう!
散歩中のトラブル!? 犬がリードを噛んだり引っ張ったりする理由

わんちゃんが散歩中に、リードを噛んだり引っ張ったりする理由はいくつかあります。理由によって対処法は変わってくるので、1つずつ見ていきましょう。
テンションが上がって興奮してしまう
散歩時による興奮でリードを噛んだり引っ張ったりします。これまでの記事にも書いてきたのですが、犬にとっての散歩は1日のメインイベントでもあります。人間で例えるなら、子供が遊園地に行くような感覚だと思ってもらえれば正解です。
遊園地に着くと子供は「早く遊びたいよ!」と言いながら、お父さんやお母さんの腕を引っ張りますよね。まさに、その感覚と同じですね。


遊びになってしまっている
わんちゃんがリードを引っ張ったときに、飼い主さんも負けじと引っ張り返すと思います。しかし、これだと逆にわんちゃんが楽しんでしまっているのです。犬は物を噛んだり引っ張ったりすることが大好きで、これは本能的な事情とも言えます。
そのため、飼い主さんが必死に制止しようとしても、わんちゃんは「飼い主さんが遊んでくれている!」と、思っています。人間で例えるなら綱引きの感覚に近いでしょう。
リードを噛むおもちゃだと思っている
遊び感覚からリードをおもちゃだと思ってしまうわんちゃんもいます。「おもちゃだから噛んじゃってもいい」と考えているのでしょう。
ストレスが溜まっている
ストレスが溜まっている影響でリードを噛んだり引っ張ったりしてしまうわんちゃんもいます。


下のリストにわんちゃんのストレスの例をまとめました。
- リードや首輪が自分好みじゃない。
- 飼い主さんがあんまり構ってくれないため、コミュニケーション不足になっている。
- 飼い主さんにちょっとした事で怒られたり、頭を叩かれたりするなど厳しくされている。
- 散歩中に匂いを嗅いでいても、飼い主さんに無理やり引っ張られるなど行動が制限されてしまう。
- お腹が空いて動きたい気分じゃない。
このように、わんちゃん自身の理由も多少関係してきますが、多くの理由は飼い主さんのわんちゃんへ対する扱いに不満を抱いていることが分かりますね。したがって、普段の生活環境が大きく関係しています。


お散歩に慣れていない
これは主に飼い始めたばかりのわんちゃんに見られるのですが、散歩に慣れていないことが理由でリードを噛んでしまうことがあります。散歩に慣れていないと同時にリードにも慣れていないので、自分の視界に入るリードが気になってしまうのでしょう。
リーダーは自分?
家族の中では、自分がリーダーだと思っているわんちゃんもいます。これは飼い主さんと犬との間で主従関係が逆転しているからです。自分がリーダーだと思っているわんちゃんは、自分のペースで歩く事を最優先します。そのため、自分のペースで進もうとしない飼い主さんを引っ張ってしまうのです。


犬が散歩中にリードを噛んだり引っ張ったりしないための対処法!

それでは、わんちゃんが散歩中にリードを噛んだり引っ張ったりしないための対処法を説明していきます。これから説明する対処法をマスターして快適な散歩ライフを送りましょう。
リードを短くする
先ほど「リードが気になって噛んでしまうわんちゃんもいる」と説明しましたね。もし、リードを気にしているのが原因だとすれば、少しでもリードを意識させないようにする必要があります。
そういうときは、リードがゆらゆらしない程度に短くしましょう。リードが長いとどうしてもゆらゆらしてしまうので、それを意識するわんちゃんもいます。リードを短くしてゆらゆらしなくなれば、わんちゃんもリードへの意識が薄れるでしょう。
リードを変えてみる
リードを噛むことを楽しんでいるわんちゃんにはチェーン型のリードに変えたり、リードに苦味のある成分を付けたりするのが良いでしょう。そうすることで、わんちゃんは「噛むと不快な思いをする」と考えるようになって、自然と噛む行為が治まっていきます。
KaLaXing ペット用品 重金属チェーン・鎖
- 皮のリードも使いこなしていましたが、先日ワンコに噛み切られてしまいました。ボーダーコリーの破壊の女王です。鎖なら歯が立たないらしく、諦めてます。
- お散歩のたびにリードを噛むジャックラッセルテリアもう何回もリードを買い変えたりしててうんざりしていましたが、このリードに変えたとたんに噛まなくなりました。作りもしっかりしていますし、持ち手もとても握りやすく、満足しています。
- リードを噛むくせがあり月に1本買い換えてました。チェーンタイプなのでその心配もなくその点は満足しています。
引用:Amazon
このように、商品を購入したことで噛まなくなったわんちゃんもいます。もし、リードの噛み癖で悩まれている飼い主さんは、ぜひ一度試してもらいたいです。
苦味のある成分がたっぷり詰まっている!? ビターアップル
コマンドを与えて噛むのをやめさせよう!
犬が物を口に加えた際に「マテ!」や「ダメ!」などコマンドを与えて、口に加えた物を口から離してもらうのも1つの方法です。そして、コマンドで口から物を離してくれたときは、わんちゃんを褒めてあげましょう。これを繰り返すことで、わんちゃんは「リードは噛んじゃいけないんだ」と思い、リードに噛み付かないようになります。
また、コマンドは1つだけに設定しておきましょう。複数のコマンドを与えるとわんちゃんが混乱してしまう可能性があります。
ストレスのない散歩をしてあげよう!
犬にとって散歩の時間は、ストレスを発散できる時間でもあります。そのため、たくさん歩き回って匂い嗅ぎもしたいでしょう。飼い主さんが早く進みたい気持ちも分かりますが、ここは愛犬のために思いっきりストレスを発散させてあげましょう。散歩の時間を5分伸ばしたり、たまには別のコースに行ったりするのも良いでしょう。

コミュニケーションを十分に取る
先ほど「散歩以外のストレスも関係してくる」と説明しましたね。これに関しては、普段のコミュニケーションが大きく関係してくるので、一度わんちゃんとの関係を見直してみると良いでしょう。
例えば厳しく叱っているようであれば、もう少し優しく注意するなどわんちゃんへの接し方を変えてみることをおすすめします。そうすることで、わんちゃんのストレスを減らすことにつながるでしょう。
犬が引っ張ったら立ち止まる
わんちゃんが強く引っ張ったら、飼い主さんはその場で立ち止まりましょう。リードを持っている飼い主さんが止まることで、わんちゃんも前へ進めなくなって立ち止まります。わんちゃんが止まったらまた歩きましょう。
そして、また引っ張るようでしたら同じ手順を繰り返します。同じ手順を繰り返せば、わんちゃんも「引っ張ると先に進めなくなる」と思うようになります。
リーダーウォークで飼い主さんが主導権を握ろう!
リーダーウォークとは、飼い主さんが主導権を握って散歩することを言います。リーダーウォークを身に付けることで、わんちゃんが前に飛び出すことがなくなります。さらに、飼い主さんが行き先を決めることで、わんちゃんは「この人がリーダーなんだ」と思うようになります。
その結果、先ほど説明した主従関係をハッキリさせることもできますね。では、リーダーウォークのやり方を説明していきます。
散歩中にわんちゃんが飼い主さんの前に行こうとしたら、反対方向に素早く行き先を切り替えます。そして、飼い主さんの誘導方向に着いて来ることができたら、おやつを与えたり頭を撫でたりするなどご褒美を与えましょう。これを繰り返すことで、リーダーウォークは成り立ちます。
実際にリーダーウォークをやっている動画もありますので、紹介いたします。より具体的な手順を知りたい方は、参考に見てください。
ノーリードは絶対にNG!

ノーリードとは、リードを付けていない状態を指しますね。
ここまで色々と対策案を述べてきましたが、中には「いっそのことリードを外して散歩をすればいいんじゃない?」と思われる方もいるのではないでしょうか? 確かにリードを外してあげれば噛むことは無くなりますし、飼い主さんが引っ張られることも無くなるでしょう。
実際、ノーリードで散歩をしている飼い主さんも見かけたことがあるかと思います。しかし、ノーリードでの散歩はNGです。極端に言うのであれば、絶対にやってはいけない事だと思ってください。なぜなら、犬の散歩にノーリードで出かけることは法律違反になるからです。


動物の愛護及び管理に関する法律 第三章 第一節 第七条 1項
動物の所有者又は占有者は、命あるものである動物の所有者又は占有者として動物の愛護及び管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、生活環境の保全上の支障を生じさせ、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
引用:e-Gov法令検索
家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 第4-5
犬の所有者等は、犬を道路等屋外で運動させる場合には、次の事項を遵守するよう努めること。
(1) 犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと。
(2) 犬の突発的な行動に対応できるよう引綱の点検及び調節等に配慮すること。
(3) 運動場所、時間帯等に十分配慮すること。
(4) 特に、大きさ及び闘争本能にかんがみ人に危害を加えるおそれが高い犬(以下「危険犬」という。)を運動させる場合には、人の多い場所及び時間帯を避けるよう努めること。

自分のわんちゃんなら大丈夫だと思われる方もいるでしょう。しかし、実際にリードを離したことが原因で事故が起きてしまった例はあります。その動画を一緒に見てみましょう。


このように、万が一にでも事故を起こせば飼い主さんは逮捕され、わんちゃんも最悪な結末を辿ってしまう可能性があります。あなたと愛するわんちゃんが幸せな生活を送るためにも、ノーリードでの散歩は絶対にやらないようにしましょう。
ダブルリードでリスクを減らそう!
先ほどの話を聞いてこのような不安を抱かれた方もいるかと思います。
- 散歩中に犬の力に負けてリードを離してしまったらどうしよう。
- 子供が散歩に行くと犬の力に負けてしまうかもしれない。
- 散歩中に首輪が外れてしまったらどうしよう。
- 散歩中にハーネスが外れてしまったらどうしよう。
このように、散歩中のアクシデントは多いと言われています。わざとではないにしろ、何か起きてからだと手遅れになってしまいます。では、このような事態を未然に防ぐためにはどうすればいいのか?
そんなとき役に立つ方法がダブルリードです。
ダブルリードとは、首輪とハーネスなどの二カ所にそれぞれ1本ずつリードを付ける方法です。ダブルリードにしておくことで、1本のリードが外れてしまった場合でも、もう1本のリードでわんちゃんをコントロールすることができます。また、2頭の犬を一緒に連れていくための方法でもあります。

もし、大型犬を飼われている方や子供を散歩に行かせる場合は、ダブルリードにしておくことで急なアクシデントにも備えることができます。
Leeko 犬用 ダブルリード
まとめ
では、最後にもう一度おさらいをしていきましょう。
- 散歩中にリードを噛んだり引っ張ったりしてしまう理由は興奮やストレス、主従関係が逆転しているからである。
- わんちゃんの事情に合わせた対処法で対応しよう。
- ノーリードは法律違反にもなるので、絶対にやってはいけない。
- 散歩中のアクシデントでノーリード状態になる心配がある場合は、ダブルリードにしよう。
わんちゃんの事情によってリードを噛む理由が変わってくるので、それに合わせて対処法も変わってきます。そして、飼い主さんがわんちゃんにやってはいけないことを正しく指導することで、リードを噛んだり引っ張ったりする行為を防止できます。あなたとわんちゃんが楽しい散歩ライフを送れることを私も願っております。
最後まで読んでくださりありがとうございました。