みなさんの愛犬のトイレ事情はいかがでしょうか?室内飼いであれば、トイレシートを使用しているかと思います。
トイレをトイレとみなして、ちゃんと用をたしてくれるわんちゃんがいる一方で、トイレシートやトイレトレーなど、トイレ用品をおもちゃか何かのように扱ってしまうわんちゃんもいるかと思います。
ただでさえ、用をたした後には掃除やトイレシートの取り替えをしなければならないところに、おもちゃ扱いでぐちゃぐちゃに散らかされたら、困ってしまいますよね。
そこで、わんちゃんがトイレをトイレとして扱ってくれるようになるには、どうしたらよいかを、いろいろ考えてみました。
愛犬がトイレシートで「遊んでいる」ように見える場面と原因
人間でも幼い頃には、トイレットペーパーを意味もなくカラカラと引っ張って、そこらじゅうトイレットペーパーだらけにしてしまうような遊びをすることがありますね。たいていその後には親の悲鳴とともに怒られたりするわけです。
わんちゃんも同様で、トイレシートを使っていろいろやってしまうことが、特に幼いうちには多いと思います。やめさせるためにはまず、どういう理由があってトイレシートで遊んでしまうのか、を考えてあげる必要があります。
パターン毎に、理由と対策をまとめてみました。
トイレシートをぐちゃぐちゃに破る
子犬の場合、トイレシートをおもちゃ代わりにしてしまうことが多いです。噛んだり引っかいたりするとふわふわしたものが出てきたりするので、ちょうど良い遊び道具になってしまうのでしょう。
また、成犬であってもぐちゃぐちゃに破ったりすることはあります。原因としては
- 新しい環境だったり、運動量が足りていないなどで、ストレスがたまっている。ストレス解消のためトイレシートを噛む、引っかくなどして破ってしまう。
- お留守番が多かったり、あまり構ってもらえなかったりで暇になる。暇つぶしのためにトイレシートを破る。
といったものが挙げられます。このパターンではわんちゃんにとって、ぐちゃぐちゃに破ったりする対象はトイレシートでなくてもいいはずです。家の中の他のものでも何でもいいから、ストレス解消や暇つぶしに噛んだり引っかいたりしたい、という衝動が、たまたまトイレシートに向かっただけ、とみることもできます。
この場合は、上述した理由のうちで、飼い主として思い当たる点があるかもしれません。例えば運動量が足りていないかもしれないと思った場合は、ドッグランに連れて行ってめいっぱい走り回らせてあげるなど、ストレスや暇といった、根本の原因を解消してあげるのが、わんちゃんにとっても良いことになります。
用をたした後、トイレシートを鼻でこする仕草をする
犬という動物は当然ですがもともと、屋外で生きてきています。野生動物というのは本来、自分の巣の中で用をたすことはありません。清潔さもそうですが、臭いがもれてしまい、外敵に巣の位置を知られてしまうというのがあるからです。
用をたした後、トイレシートを鼻でこすったり、シートを丸めたりするのは、巣の中にある排せつ物の臭いを隠すための、本能的な行動だと考えられます。
対策としてお散歩中に用をたしてもらうことが挙げられますが、いつでも良いタイミングでお散歩に行けるとは限りません。愛犬のトイレでのこれらの行動をやめさせるためには、わんちゃんが用をたしたら速やかにシートを取り替えるなどして、臭いを消してあげることが必要です。
トイレシートを丸めウンチを隠す、トイレシートを掘る
上記の鼻でこする、シートを丸めるというのと、行動は違いますが原因は同じです。排せつ物の臭いをなるべく消すために、トイレシートを丸めてウンチを隠したり、トイレシートを掘るようなしぐさをします。
屋外で飼われているわんちゃんだと、用をたした後に、足で地面を掘って土をかけるような行動をすることがありますが、それと同じですね。
対策も上記と同様で、速やかにウンチを片付け、シートを取り替えてあげることです。そうすることで、排せつ物の臭いがなくなり、わんちゃんが安心できます。
トイレシートを誤飲する
これまでに挙げてきた行動は、トイレが散らかったりする程度ですので危険はないですが、破ったシートを誤飲などされてしまうと、のどや腸に詰まったりしてたいへん危険です。
対策として散らかったシートを速やかに片付ける、というのは言えますが、飼い主さんが外出中でお留守番の時など、いつもそれが出来るとは限りません。また、わんちゃんの命にかかわることですから、帰ってきてからやればいい、というわけにもいきません。
誤飲対策としては、紙オムツのような素材のトイレシートではなく、下記のような布製のトイレシートを用いるという手があります。散らかしたり丸めたりといった行動には効果はないですが、破れにくいので誤飲のリスクは減らすことができます。
「遊ぶ」以外の、トイレで「これが困った」
トイレシートをぐちゃぐちゃにする、破る、丸めるなど、遊んでいるように見えるわんちゃんの行動以外にも、トイレ関連で困ってしまう場面があると思います。それらについて、理由と対策について考えてみました。
用を足した後、排せつ物を踏む
わんちゃんがきちんとトイレで用を足してくれたまでは良いものの、排せつ物を踏んでしまい、その足で部屋中を歩き回られると困ってしまいますよね。ですが、基本的に犬というのはきれい好きな生き物なので、踏んでしまうのは子犬のうちだけで、生後6か月~1歳程度になると、自然と踏まなくなります。
というわけで、成犬になってしまえば困ることはないかと思います。ただ、幼いわんちゃんを飼っていらっしゃる方で、踏んでは歩き、に参ってしまい、今すぐにでも何か対策したい、と考える方もいらっしゃるかと思います。
対策として、例えば下記のような、吸水性に優れたトイレシートを使うことが挙げられます。シートがおしっこを素早く吸収してくれれば、たとえその場所を踏んでも、足についてしまうということは無くなるかと思います。
トイレシートから狙いを外す、はみ出す
わんちゃんがトイレをトイレと認識し、決められた場所で用をたしてくれるようになっても、困りごとがなくなるかというと、そうもいかない場合があります。
例えば、前足はちゃんとトイレシートに乗っているのに、後ろ足や下半身がシートからはみ出ていて、結果としてはみ出してしまったりすることもあります。飼い主としては残念なのですが、わんちゃんにしてみればトイレで用をたそうという意思はあるので、褒めていいのか残念がっていいのか、難しい状況になってしまいますね。
はみ出してしまう場合には、はみ出す際の傾向を見て、原因を推測します。
はみ出しはするが位置が一定でない場合、トイレシートが小さすぎるか、シートの交換頻度が低くて、きれい好きなわんちゃんが前回用をたしたところを避けているか、といったことが考えられます。交換頻度について振り返ってみて、問題ないようであれば一回り大きいサイズのトイレシートを用いるのが対策になります。
一方で、毎回同じ位置ではみ出す場合、はみ出す位置の反対側に、わんちゃんに圧迫感を与えるようなものがあるかもしれません。例えば壁際にトイレを設置している場合、壁に圧迫感を感じて近づきたがらないわんちゃんもいます。トイレの位置をすこし離してみることで、はみ出さずに用をたせるようになるかもしれません。
愛犬がトイレシートにしない。”しつけ”をするには
ここまで、わんちゃんがきちんと用を足せない場面と原因、対策を考えてきました。いずれもトイレまわりの環境を変えたり、ストレスをためないように運動させたり、などを挙げてきましたが、わんちゃんのトイレ関連での困りごとの対策としては、しつけも重要です。
わんちゃんのトイレに関するしつけ、トイレトレーニングの方法については下記の記事をご覧ください。
トイレ関連のことをあれこれ考えていて気づいたのは、「わんちゃんの困った行動にも、きちんと理由があるんだなぁ」ということです。「しつけ」とは言っても、一方的にこちらの言うことをきかせようとしても無理があります。わんちゃんの行動を観察し、理由をあれこれ考え、そのうえで困った事態にならないよう誘導してあげる必要があると思います。
まとめ
- わんちゃんがトイレシートでただ遊んでいるように見えても、実は原因や理由がある
- その他の困った行動についても、原因や理由はある
- 原因や理由に対して、それぞれ適切な手をうつことが必要
ここまで、飼い主から見て困ってしまうわんちゃんの行動と、その対処を挙げてきました。飼い主にとって良い環境というのは、わんちゃんにとっても良い環境である、と言えると思います。わんちゃんの行動を観察し、理由を考えてみることで、お互いに快適な環境にすることを心掛けましょう。