犬の困った行動の、ナンバーワンと言えば、やっぱりトイレ関係のトラブルでは、ないでしょうか。
犬にとっても、トイレは毎日使うものなので、イタズラの標的にしやすい、ということもあるんでしょうね。一口にトイレのトラブルと言っても、ワンちゃんによってやることは、色々だと思います。
よく聞くのは、トイレシートをぐちゃぐちゃにして荒らしたり、力が強ければトイレトレーを破壊したり、壊して分解してシートも引っ張り出してビリビリに破いたり、などなどでしょうか。
飼い主が犬のイタズラに、目をつぶっているのは明らかに間違っていますが、ただ叱るだけでは、問題行動の改善が難しいのもまた事実。しかし行動の裏には、必ずその原因があります。
犬が引き起こすトラブルは、飼い主に対する犬からのメッセージ、とも言えるわけです。だから原因について、しっかり考えてみる必要があるんです。
イタズラするようになる原因には、多くの可能性が考えられます。それはひとつかもしれないし、複数かも知れません。でも普段の付き合い方を考えていれば、自ずとある程度答えが出てくる、かもしれません。
これを些細な事、と思って見過ごしていると問題をこじらせたり、より深刻な問題に発展する可能性だってありますよ。
何より飼い主さんが、そうした犬の問題行動の後始末で神経が参ってしまって、ワンちゃんとの楽しい生活どころでなくなってしまう、そんな事になったら、犬も人間もお互い不幸ですよね。
私もそんな悲劇は、出来るだけ起こって欲しくないので、今回は犬のトイレに対するイタズラで、お困りの皆さんのために、防止策をご紹介したいと思います。
犬には毎日の遊びや運動が不可欠
犬が何か問題を起こすのは、自分の置かれた状況に不満があるんです。そしてそれは大抵飼い主のやり方に問題がある、ということです。
基本的な事ですが、犬は毎日一定時間、適度な運動をさせる必要があります。それが十分でないとイライラして、欲求不満から問題行動を引き起こします。
狭いケージに長時間閉じ込められていて、散歩や遊びにも十分連れて行ってもらえないのでは、どんなワンちゃんでもストレスがたまってしまいますよ。
実際に毎日十分な運動、は無理かも知れませんが、その分時々はドッグランなどで、思いっきり遊ばせてあげましょう。とことん遊んで疲れると、ストレス解消されて、犬も満足して素直になることが多いです。
皆さんもよく経験する事と思いますが、気分転換に運動したり、美味しいものを食べたり、旅行したりすると、もやもやした気分が吹き飛んで、スッキリしますよね。犬に対してもまずは、こうした基本的なことを試してあげて下さい。
その上でさらに、個別の防止対策を立てましょう。問題の原因は大抵身体的、心理的な欲求不満から来るストレスですから、この運動に関する基本事項を守るだけでも、問題が解消してしまう場合もあります。
犬の習性を理解して防止する
犬はきれい好き。ケージとトイレの距離
犬が普段生活する、ケージやサークルと、トイレの距離が近すぎませんか。犬は清潔を好むので、本能的に自分の居住スペースから、糞尿を遠ざけようとします。
犬がフンや、トイレシートを咥えて持ち運んだり、隠したり、飼い主に見せに来る場合も、それを早く片づけてくれ、という催促のサインであるケースが、よくあります。
こうした犬の習性を考えると、ケージとトイレが一体になったタイプだと、排泄物が近すぎます。それがストレスになって、イライラしてトイレに攻撃をしている、のかもしれません。そうでなくても、出来るなら犬の居場所から、離れたところにトイレを置いてあげたいですね。
トイレシートがおもちゃになっている
ケージに入れられた犬は、退屈しています。そんな犬にとって、トイレシートをびりびりに破いたり、使った後のシートをぐちゃぐちゃにすることが、とても楽しい遊びになります。
シートを破いたり、ぐちゃぐちゃにするより、もっと楽しくて、興味を引くようなおもちゃを与えてみれば、そちらに気を引かれて、イタズラが治まるかもしれません。
コミュニケーションだと思ってわざとやる
イタズラに対して叱っているつもりでも、犬にとってはただの飼い主との遊びで、コミュニケーションの一環と感じている、かもしれません。
犬がトイレをおもちゃ代わりにして、イタズラするたびに犬を叱ったり,悲鳴を上げたり、後始末に追われますよね。でも犬によっては、そんな飼い主の姿を、自分を構ってくれている、遊んでくれている、と解釈してしまうんですよ。
こうなると、飼い主が必死になればなるほど、犬は勘違いしてしまうので、叱っても逆効果になります。犬に誤ったメッセージを伝えないためにも、イタズラに対する反応を、変える必要があります。
そして、トイレがおもちゃで無いことを理解させるためにも、犬と遊ぶ時間の一部を、そのためのトレーニングタイム、としてみてはどうでしょうか。
さびしくて気を引こうとする
犬はコミュニケーションの生き物ですから、なるべくワンちゃんと一緒の時間を、作りましょう。普段接する時間が少ないと、ワンちゃんはさびしくなって、構ってもらおうと、必死に飼い主の気を引こうとします。それがトイレへのイタズラにつながるのです。
ワンちゃんが、恨めしそうな目でこちらを見ているなら、なるべく出してあげましょう。出すのも面倒かもしれませんが、トラブル起こされてからじゃあ後始末も含めて、余計に面倒ですよ。
どんなに忙しい飼い主さんでも、さすがに家の中でトイレを荒らされたら、対応せざるを得ませんからね。犬って本当に頭がいいですね。
トイレを荒らせば出られる、と学習した
トイレにイタズラする→飼い主がシート交換する→交換作業中外に出される。
こうした行動パターンを犬が学習して、憶えてしまったら、外に出たい=トイレを荒らせば出られる、の図式が出来上がっていますので、そのたびにトラブルを起こすことになります。
こうなってしまうと、飼い主としては行動パターンを変えて、犬に再学習させなければなりません。ケージが嫌いなのかもしれませんので、ごほうびをうまく使って、ケージは不快で無いことを教えるのも、効果があります。
トイレにもイタズラ防止策を施す
洗えるタイプのトイレシートを使う
犬がトイレシートを噛みちぎってしまうなら、シートの誤飲防止対策も兼ねて、洗って繰り返し使えるタイプのトイレシートを、お勧めします。使い捨てタイプのシートを、噛み千切ってしまうワンちゃんでも、このタイプはなかなか噛み千切れないのです。
使い捨てタイプと違って、繰り返し使えるので安上がりで経済的でもあり、メリットが多いのですが、デメリットとしては、洗濯が結構面倒な点が挙げられます。何度も洗わないと、臭いや汚れが落ちにくいです。乾かす時間も考えると何枚か買っておいて、ローテーションで使うと良い感じです。
トイレトレーを使ってみる
トイレシートをそのまま使っているなら、まずはシートをしっかり固定できる、トイレトレーを試してみましょう。シートを固定するだけでも違いますが、網目になったメッシュタイプのトレーならシートを引っ張り出しにくいので、イタズラ防止効果も高いです。
トイレトレーを壊す
犬の力が強いと、プラスティック製のトイレトレーでは、物理的に破壊されてしまう場合もあります。大変高価ではありますが、壊されないようにオーダーメイドで、ステンレス製の頑丈なトレーを使ってみるのはどうでしょう。
引用:株式会社丹羽シートメタル
噛り付き防止の為に、トイレトレーにしつけ用のスプレーをかけるのも、試してみたいです。やることはスプレーひと吹きするだけ、と簡単お手軽なので、やってみる価値があると思いますよ。まずは犬に隠れて、こっそりトレーに塗布してみて下さい。
スプレーは,一度使っただけで効くというものでは無く、繰り返し使用することで,徐々に効果が出てくるもので、即効性は期待できませんので、そこはご注意を。
まとめ
- イタズラ防止以前に、散歩や運動の時間が足りているか。犬はイライラをイタズラで解消する。
- 思いっきり遊んで、体力を使わせることは、イタズラ防止の基本。
- 犬の習性を理解して、無用なストレスを与えないようにする。
- 飼い主の何気ない行動が、犬に誤解を与えて、問題行動を引き起こすことも。
- トイレに直接イタズラ防止対策するのは、やはり効果的。
犬のイタズラ防止策の流れは、「基本的な遊びや運動が十分か」→「犬の習性を考慮した付き合い方をしているか」→「トイレにイタズラ対策を講じる」の順でチェックすれば、大体の問題は解決されると思います。
今回の記事が、犬のトイレのイタズラでお困りの皆さんの、防止対策のヒントになれば幸いです。最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。