ある日突然、愛犬がトイレをできなくなったら心配ですよね。せっかく苦労して覚えてもらったのに、またやり直しなのかと思うと、気が遠くなってしまいます。
失敗し続けられると「怒りたくないのに怒ってしまう」「今までできてたのになんで急に?」と悩んでしまい、最終的に「飼わなければ良かった」なんて思いたくありませんよね。
毎日イライラしてストレスが溜まり、そんな様子の飼い主さんと暮らす環境は、わんちゃんにも良い影響は与えません。
もともと、わんちゃんは賢い生き物なので、一度覚えたことはめったに忘れることはありません。今まで普通にできていたのに、なぜなのでしょうか。できなくなってしまったのには、必ず理由が存在します。
今回は、わんちゃんが急にトイレをできなくなってお困りの飼い主さんに、是非参考にして欲しい、トイレをできなくなってしまった理由を調べてみました。
犬が急にトイレを失敗するきっかけは環境の変化?
急にトイレを失敗してしまうのには、環境の変化によるストレスや、犬種・わんちゃんの性格によって異なりますが「なんかいつもと違う」と感じることが理由の可能性がありますよ。
最近、わんちゃんが違和感を感じるようなことがなかったか、改めて確認してみましょう。
いつもと違うトイレシートに変えた
「そんな些細なこと分かるの?」と思った飼い主さんは多いですよね。
トイレシートの感触や匂いで認識しているわんちゃんの場合、警戒して普段使っているトイレでも、使わなくなってしまうことがあります。
他には、いつもと違うトイレシートに変えたことにより、そこがトイレだという認識が無くなってしまったということも考えられます。
再度トイレトレーニングをやり直さなければならないこともありますので、トイレシートの種類を変える際は注意しましょう。
トイレの場所を変えた
最近、トイレの場所を急に変えたということはないでしょうか。
トイレを場所で覚えているわんちゃんの場合、いつもの場所にトイレがないだけで、戸惑ってしまいます。その結果、どこにあるか判断できないうちに失敗してしまうことがあります。
対処法としては、わんちゃんを混乱させないように、時間をかけて「少しずつ」目的地まで、ずらしていくことをおすすめします。
引っ越しなどで環境の変化があった
引っ越しやお部屋の模様替えなどにより、大きく環境が変化するとストレスでトイレを失敗してしまうことがあります。
人間も引っ越しではなくても、進学や進級、就職や転職などで、大きく環境が変わればストレスがかかりますよね。わんちゃんも同じで、環境に慣れるまでは失敗してしまっても叱らないであげましょう。
そして、失敗してしまった場所を掃除をする時は、臭いまできっちり消しましょう。わんちゃんの嗅覚は、人間の100万倍~1億倍と言われるほど優れています。
自分の臭いのする場所にトイレをする習慣があるので、同じことを何度も繰り返さないためにも「臭いを残さないこと」を忘れないようにしてください。
引っ越しをした場合は、最初からトイレトレーニングをやり直す必要性が高いので、飼い主さんの根気が重要ですよ。
犬のトイレが逆戻りしてしまうのはなぜ?
今まで完璧にできていたのに、突然逆戻りしてしまうのはなぜでしょうか。飼い主さんの反応によるものや、成長途中に逆戻りしてしまうケースがあります。
わんちゃんの様子を見て、心当たりがないか思い返してみましょう。
失敗して叱られたことがトラウマになる
わんちゃんがトイレを失敗してしまった時、思わず大声で叱ってしまったことはないでしょうか。叱られたことで「排泄すること」自体がいけないことなのだと思ってしまいます。
そうなってしまうと飼い主さんから見えない場所で、隠れてするのが習慣になってしまうことがありますよ。ビックリするような場所にうんちが転がっていたり、気づいたときにはフローリングがおしっこでボロボロになっていたりと、被害が拡大してしまいます。
逆に我慢しすぎて、様々な病気を引き起こす原因にもなりかねません。
トイレを失敗して叱られたことがトラウマになっているようなら、失敗しても叱らず、いつものトイレで上手にできた時は、褒めてあげましょう。
失敗したのに褒められたと勘違いしている
先ほどとは逆に、突然失敗されると、叱る前にビックリして思わず高い声を出してしまうことがありますよね。すると、わんちゃんは「飼い主さんが喜んでいる」「また違う場所でしたら褒めてもらえる」と勘違いしてしまうことがあります。
勘違いしているとわかった時点で、その次から失敗しても、ずっと終始無言・無表情で片付けましょう。
そうすることで「喜んでくれない」「もう褒めてもらえない」と、わんちゃんが気づいて、失敗することがなくなります。
マーキングしている
成長とともにトイレトレーニングが終わったはずなのに、突然あちこちでおしっこをしてしまうことはないでしょうか。家中にされてしまったら、例え少量ずつでも、たまったものではないですよね。
その行動は、成長段階でホルモンが増え、マーキングをし始めた可能性があります。個体差はありますが平均的には生後7~8ヶ月頃から始まり、縄張り意識が強い子は4~5ヶ月頃からだったり、逆に成長しても全くしない子もいます。
特にオスのわんちゃん(メスでもする子はいます)に多く見られるマーキングですが、本能的に「ここは自分の縄張りだ」という自己主張の為の行動です。
また、わんちゃんの成長とともに、飼い主さんとの主従関係が崩れてしまうと様々な問題行動を引き起してしまいます。トイレの失敗もその一環の可能性がありますよ。
本能的な行動の為、止めてもらうのは簡単なことではありませんが、再度飼い主さんとの主従関係をしっかり築ければ、上手くコントロールすることは可能ですよ。
犬がトイレを忘れた?わざと?
犬種にもよりますが、わんちゃんは人間に例えると2歳~3歳くらいの知能レベルを持っていると考えられているので「忘れたフリ」をする可能性はあります。
また、ストレス・不満などが原因でわざとトイレを失敗することがあります。
わんちゃんがストレスや不満を抱えてしまうような環境になっていないか、きちんと向き合ってあげることで失敗することがなくなるでしょう。
トイレシートが汚れている
わんちゃんは基本的にキレイ好きな生き物なので、自分の足が汚れることを嫌がります。トイレシートが汚れていると、変えて欲しいために、わざわざ違う場所へ行ってトイレをすることがありますよ。
特に、うんちをしてしまったトイレシートは、できる限りすぐに取り替えてあげましょう。食糞をしてしまったり、衛生的にもよくありません。
トイレシートの範囲を広げてあげると、違う場所へ行く必要がなくなるので、失敗する確率が減りますよ。
ただし、広げ過ぎてしまうと、そこがトイレだという認識が無くなる可能性があります。広げる範囲はわんちゃんの体のサイズに合った大きさにしてあげてくださいね。
トイレの位置がどうしても気に入らない
トイレをする場所は認識しているのに、置いてある位置がどうしても気に入らなければ、忘れたふりをして、別の場所でしてしまうことがあります。
デリケートなわんちゃんは、人の出入りが激しい場所・嗅ぎたくない匂いがする場所などを嫌がります。わんちゃん自身が本能的に安全な場所だと決めなければ、トイレをしてくれません。
飼い主さんにはささいなことと感じても、わんちゃんにとっては大問題なことになり得ます。トイレ周辺をもう一度よく観察して、落ち着いてできる場所なのか、確認してあげてくださいね。
ストレスでわざと失敗している
ストレスを抱えているわんちゃんが、トイレの場所を知ってるにも関わらず、わざと嫌がらせのように失敗をすることがあります。
散歩に行きたいのに連れて行ってくれない、遊びたいのに遊んでくれない、寂しいと感じている、暑い、寒いなどです。
例えば、共働きの飼い主さんの場合、外出している間は一日中ケージの中に居て、帰ってきてもあまりかまってあげられないとします。
そうすると、わんちゃんは日々不満に感じ、わざと失敗して、飼い主さんの気を引こうとする行動を取ることがあります。
わんちゃんが飼い主さんに何を求めているのかを察して、上手にストレス解消してあげれば、そう時間は掛からずに、元に戻る可能性がありますよ。
まとめ
わんちゃんがトイレをできなくなって、失敗してしまう理由を説明してきましたが、失敗してしまった時のポイントをまとめていきたいと思います。
- 失敗してしまっても大声で叱らない
- トイレで上手にできたら思いっきり褒めてあげる
- トイレトレーニングを一からやり直すことも検討する
- 主従関係をもう一度築き直す
今までできていたのに失敗続きになってしまった時、すべてのことに言えるのが、失敗しても大声で叱らないことです。
飼い主さんがなにかしらリアクションを取ってしまうと、わんちゃんはその反応を見て、今後どうしようかを考えます。
「叱られた」と感じれば萎縮してしまうし、「喜んでいる」と感じれば嬉しくて同じことを繰り返し、「構ってもらえた」と感じれば自分が構ってほしい時にわざと失敗します。
止めてもらうのに一番効果的なのは「ノーリアクションを貫くこと」です。かわいそうだとは思いますが、今後のために心を鬼にしてくださいね。
そして、上手にいつものトイレでできたときはこれでもか!というくらいに思いっきり褒めてあげましょう。
わんちゃんも褒められれば嬉しくなって「もっと飼い主さんに喜んでもらおう」という気持ちになってくれますね。
何をしてもお手上げになってしまったら、諦めずにもう一度初心に返って、一からトイレトレーニングをやり直してみましょう。一度覚えた経験はあるのですから、再度トレーニングをすれば、必ず覚えてくれます。
トレーニングの方法を変えてみるとすぐに覚えてくれた例もあるので、前回と違う方法にしてみるのもおすすめです。
トイレトレーニングと平行して、もう一度きちんとしつけをやり直すことで、飼い主さんとわんちゃんのより良い関係を築き直すことも大切ですよ。
費用は掛かりますが、信頼できるドッグトレーナーに「正しいトイレトレーニング」や「正しいしつけ」をお任せするのも一つの方法なので、検討してみるのも良いと思います。
大切な家族だからこそ、ずっと仲良く楽しく暮らせるように、わんちゃんときちんと向き合って、たくさんコミュニケーションを取りましょうね。