ドッグフードはどんなのがいいのか、おうちはどんなのを買おうか、散歩コースはどこがいいかなど。わんちゃんを飼うとやるべきことや考えることがたくさん増えてきます。でもかわいいわんちゃんのことを考えると、全部考えるのが楽しくなってきますよね。
私の場合、ラテやマロンがおねだりするときにキスしてきたり、弱くひっかいたりしてくると、もうかわいくてかわいくてお世話が全然苦じゃなくなるんです。
ですが、実際お世話は楽なものばかりではありません。愛犬があなたと共に気持ちよく過ごしていくためには、環境を整えてあげたり、健康のことを気にしてあげないといけません。
とはいえ、わんちゃんの健康状態をいつも気にかけているのは難しいですよね。毎日獣医師さんに診てもらえるなら話は別ですが、なかなかそういうわけにもいきません。
そこで今回は、トイレの回数で簡単にわんちゃんの健康状態がチェックできる方法を紹介したいと思います。
愛犬のトイレは1日何回?年齢別トイレ平均
自分のわんちゃんのトイレの回数は、どのくらいの回数を基準として多いのか、または少ないのか気になりませんか?
例えば、自分の平熱を測って知っておかないと、いざ熱が出てしまったとき判断が難しくなってしまいますよね。体温計で測る以外にも食欲のなさや体のだるさで判断はできますが、これらの症状は個人差が大きく、気付けたとしてもどんなことが原因でそうなったのかが分かりにくいのですよね。
そのために、自分のいつもの状態を数字にして記憶しておくのです。これが、平熱を測っておくということですね。
いつもと違うことを見つけるためには、その「いつも」を知っておくことが大切なのです。
ここでは、大きさと年齢別にだいたいどのくらいトイレをするのかをまとめてみました。
小型犬の子犬(~生後6ヶ月)
子犬の頃はおしっこやうんちをためておける器官が成長途中のため、成犬に比べ回数が多くなります。
一般的には、子犬の月齢+1時間の頻度ですると考えられています。
3ヶ月の子犬ならば、3+1=4で、4時間に1回のペースでするということになりますね。
ですので、1日おおよそ5~6回トイレをする計算になります。
小型犬の成犬(生後6ヶ月~6歳)
細かく言うと、生後6ヶ月から10か月までの間を青年期といいます。この間にわんちゃんは急激に成長していき、トイレの回数もだんだんと減っていきます。
1歳を過ぎたあたりになると体の器官が成長しきって、体調的に安定してきます。おしっこもためておけるようになるので、トイレのスタイルもおのずと定まってきます。
この時期のわんちゃんは、1日3~5回トイレをします。
小型犬の老犬(6歳~)
小型犬の場合、6~11歳まではシニア犬と呼ばれ、11歳以降は老犬と呼ばれます。
シニア犬に近づくにつれ、水を飲む回数が増えてきます。実際は10歳を超えると体の器官が弱ってコントロールができなくなっていくので、回数は徐々に増えていくのです。
粗相をしてしまうことが増えますが、うんちは逆に少なくなっていきます。
だいたい、1日1回するかしないかだと言われています。
大型犬の子犬(~1歳6ヶ月)
大型犬の子犬の成長は小型犬や中型犬と比べ、比較的ゆっくりと成長していきます。その分子犬と呼ばれる期間が長いため、トイレの回数が多い期間も長くなります。
一般的には、子犬の月齢+1時間で、おおよその回数が出ます。
小型犬の場合とほぼ変わらず、3ヶ月の子犬ならば、3+1=4で、4時間に1回のペースでするということですね。
ですので、1日おおよそ5~6回トイレをする計算になります。
大型犬の成犬(1歳6ヶ月~5歳)
大型犬にも青年期はあり、1歳6ヶ月~2歳は急激に成長し、徐々に緩やかになっていきます。体の器官が成長しきると、トイレのスタイルも安定してきます。
この時期のわんちゃんは、1日3~5回トイレをします。
大型犬の老犬(5歳~)
大型犬は小型犬や中型犬に比べ、老化のスピードが早いです。5歳になるころにはシニア犬と呼ばれ、8歳で老犬と呼ばれる年齢になってきます。
水を飲む回数が増えていき、体の器官が弱ってコントロールができなくなっていくので、おしっこの回数は徐々に増えていきます。
粗相をしてしまうことが増えますが、うんちは逆に少なくなっていきます。
小型犬同様、1日1回するかしないかだと言われています。
わんちゃんの育っている環境によっては、成長が早かったり遅れたりしますので、必ずしもこの年齢で変化していくわけではありません。
心配するべき?トイレの頻度は室内と野外で違う
トイレの回数は、わんちゃんの健康状態がわかるひとつの目安です。ですがわんちゃんの環境次第でトイレの頻度は変わってきます。
室内飼育と野外飼育ではそもそもトイレのスタイルが違うので、必ずしも決められた回数でないとよくないということではありません。また、トイレのトレーニングがきちんとできているわんちゃんもいるかと思いますので、一概にどちらが多いということは言い切れません。
ですので、参考として頭の片隅に置いておく程度でいいと思います。
室内飼育のほうが回数が多い
室内で飼われているわんちゃんはいつでも排泄できるスペースがあるので、外で飼われてるわんちゃんに比べトイレの回数が多いです。
室内でわんちゃんを飼っている飼い主さんは、すでにトイレトレーニングを済ませている方も多いでしょうから、わんちゃんが安心してトイレに行けますし、トレーニングの成果で自分でトイレのスタイルを決められている場合があるためです。
もともと外で飼われているわんちゃんは、お散歩のときにしかトイレをしないという習慣が多いため、なかなかお散歩のとき以外でトイレをすることがない傾向にあります。室内飼育のほうがトイレの回数が多いのは、それが理由です。
もちろん、野外飼育でもゲージでトイレをするようにトレーニングされていれば、わんちゃん自身の決めたスタイルでトイレをしていくことでしょう。
成犬のうちはお散歩のときのトイレだけで十分間に合っていたりもしますが、その習慣が根付いてしまうと、お散歩のときまでトイレを我慢してしまうようになってしまいます。
わんちゃんがお散歩のときにトイレができていればいい、という気持ちでは、知らず知らずのうちにパートナーに我慢を強いてしまっているかもしれません。
実際、子犬の頃にトイレトレーニングを済ませていても、いつの間にかお散歩をしないとトイレができないようになってしまうケースはたくさんあります。
でも、そう簡単にお散歩の回数を増やすのは難しい、という飼い主さんもたくさんいらっしゃいますよね。
「散歩=トイレの時間」は危険!1日2回の「トイレ出し」
習慣のお散歩を無理に増やす必要はありません。
トイレ出しとは、トイレのためだけにわんちゃんを外に出させてあげることをいいます。次のお散歩との間に1回、このトイレ出しをしてあげることで、わんちゃんがトイレを我慢することが大幅に減ります。
お散歩と違うのはトイレのためだけに外出をしているので、わんちゃんがトイレをし終わったら帰る、それだけでいいのです。
わんちゃんは、人よりはるかに長い時間トイレを我慢することが出来ます。時間で言えば、およそ12時間しないでいても大丈夫です。
野生のころの名残で、トイレをしたことによる匂いで居場所を特定されるのを防ぐためです。特に小さいわんちゃんになればなるほど、敵に気づかれないようにトイレを我慢して気配を消すようにすることが多いようです。
我慢できるから大丈夫だろうと、パートナーに我慢を強いてしまうことを日常的に続けていたらどうでしょう。ストレスの原因になると思いませんか?私もラテとマロンには、できるだけストレスになるようなことはしたくないと思っています。
大事な家族に、ストレスをかけたくないですよね。
このトイレ出しをしてあげるだけで、我慢のしすぎでいつのまにか病気になっていた、なんて可能性は避けられるでしょう。
わんちゃんのトイレのタイミングに合わせ、定期的にこのトイレ出しができるのが理想です。
知っていて損なし!サインでわかる愛犬の気持ち
ん?なんだか視線を感じるぞと思い振り返ると、わんちゃんがトイレをしながらじーっと見つめてきていた、なんて経験ありませんか?そう感じている飼い主さんは、結構多いみたいです。
かわいいサインなので問題はないですが、なぜなのか気になりますね。
これには、このような理由があります。
褒めてもらいたい合図なのかも?
子犬の頃、トイレトレーニングをして褒められたりご褒美をもらったりしていたわんちゃんは、トイレをうまくできているのをアピールしているのではないかと考えられています。
「褒めて褒めて!」といわんばかりに見つめられると、もうかわいくてしょうがないですね。
反対に、トイレトレーニングに失敗した経験のあるわんちゃんは、「これであっているのかな」と様子をうかがうように見つめてくることもあります。
もしわんちゃんがじーっと見つめてくることがあったら、目いっぱい褒めてあげるとより信頼が深まることでしょう。トイレの時間は、わんちゃんにとって一番無防備な時です。飼い主さんを信頼して安心してトイレができている証拠だと思うので、しっかり見守ってあげるられるといいですね。
これって病気?トイレが近いときの診断リスト
さきほどからトイレが近い理由をいろいろ紹介してきましたが、これだけの理由があるとトイレが近いというだけで病気かどうかを判断するのは難しいと思いませんか?
もちろん、そういった診断を含め病院に任せてしまうのが一番かもしれませんが、病院に行くのにも診断を受けるのにも飼い主さんの労力とお金がかかってきます。せっかく病院に行ったのに、実は運動した後で頻繁にトイレをするようになっていたという結果では、余計な心配をしてしまったと思ってしまいますよね。
早期発見のためにも、飼い主さんはわんちゃんの様子を普段からよく観察していく必要がありそうです。
観察をしていてもしもいつもと違うトイレをしたときに、病気かどうかを判断する要素をまとめてみました。
極端に回数が減る
- 普段通り水を飲む
- 食欲も落ちていない
- ついこの間までは3回以上していたのに急にしなくなった
- トイレをしようとする動きはある
この4つが当てはまった場合、膀胱炎や尿路結石、前立腺肥大などが考えられます。
膀胱炎の場合、まったく出ないわけではなく必ず少量は出ています。トイレをしようとする動きがあるのにしているのかどうかがあまりわからないようであれば、その可能性を疑ってもいいでしょう。時には痛そうな鳴き声をあげることもあるので、その時に気づく飼い主さんが多いです。
わんちゃんがミネラルウォーターやミネラルの多い井戸水などを飲んだ、または飲ませたという記憶はないでしょうか。ミネラルの多い水分は人間には害のないものですが、わんちゃんの体に結石を作りやすくしてしまう原因になります。くれぐれもわんちゃんにミネラルウォーターを飲ませることのないようにしてください。
色が薄い
水を飲む量が増えて色が薄い場合、内臓に何らかの異常が出ている場合や、糖尿病の可能性が考えられます。
わんちゃんも糖尿病?と思うかもしれませんが、実際人間の生活習慣病と同じように、肥満のわんちゃんに起こりやいと言われています。余分な栄養を取り過ぎて血糖値が上がり、必要以上にトイレに行くようになってしまいます。
例えば、野菜に砂糖や塩をかけると水分が出ることを知っているでしょうか。野菜自体が細胞の塩分濃度を中和しようという働きがあり、水分を出すそうです。
体も同じで、余分な栄養分を排出しようとたくさんの水分を出します。その影響でおしっこが薄くなってしまうのです。
なんとなく、濃いよりか薄いほうが大丈夫なのではないかと思ってしまいがちですが、薄すぎでもこのような病気が潜んでいる可能性はあるのです。
色が赤い
尿路結石や前立腺肥大による血尿の可能性があります。もう迷わず病院に行ったほうがいいです。
また、わんちゃんが玉ねぎやにんにく、にらなどを食べてタマネギ中毒になっていている可能性も考えられます。
心当たりがあるようであれば、嘔吐などの症状が出てしまう前に早急に病院に行くことをおすすめします。
色が濃い黄色
色が濃いのに加え、わずかではありますが目や皮膚も黄色みを帯びていたら、肝臓に異常があるかもしれません。
その前に元気がなくなっていたり食欲がなかったりするので、もしそのような症状が出たのであれば病院に行ってきちんとした検査を受けてください。
メスならば妊娠している可能性もあり
食欲の低下や嘔吐、今まで食べていたものを食べなくなったりしたら、妊娠している可能性もあります。
わんちゃんの妊娠の判断はわかりにくいので、妊娠に気づいた時点で病院に相談しに行ってください。
非常に神経質になるので、むやみにわんちゃんのスペースを動かすようなことは避けましょう。安心して出産ができるように、飼い主さんが協力して見守っていきましょう。
見極めが大事。愛犬のトイレのタイミングを知ろう
見極めが大事とはいえ、トイレをさせてあげたいけどタイミングがなかなか合わないこともありますし、ずっと見ていられないときだってありますよね。特に決まった時間でする習慣がないわんちゃんでも、飼い主さんがトイレの前の行動を把握しておくことで、うながしてあげることができます。
わんちゃんがトイレの前にする行動はいくつかあります。
そわそわして落ち着きがない
尿意を感じて、落ち着かない様子で行ったり来たりを繰り返すことがあります。トイレトレーニングが済んでいるのであればそっとしておけば大丈夫ですが、まだトレーニングの途中だったりする場合は飼い主さんがトイレの場所まで連れて行ってあげる必要があります。
後ろ足をかがめる
うんちをするときのポーズを思い浮かべるとわかりやすいです。わんちゃんが後ろ足をかがめるポーズをしたら、自分で出せるまで見守ってあげましょう。
頻繁におしりのにおいを嗅ぐ
わんちゃんは自分のお尻からおしっこのにおいが出ていないかどうかを気にしています。しきりにかぐ様子があれば、トイレをしたいサインなのかもしれません。
地面のにおいを何度も嗅ぐ
お散歩中、トイレの前に地面のにおいを嗅いでいる光景を見たことがあると思います。
トイレの前兆という意味もありますが、他のわんちゃんとの連絡手段でもあるそうです。他のわんちゃんが残していったトイレの跡を嗅ぎとって、それに返信するために自分のトイレの跡をのこすのです。
こういった行動はわんちゃん同士のコミュニケーションにもなるので、無理にやめさせたりせず気のすむまで嗅がせてあげましょう。
まとめ
わんちゃんのトイレにはたくさんの意味がありました。まとめるとこのようになります。
わんちゃんのトイレが近いと感じたら
- いつもよりどのくらい多いか考える
- 成長によるものかもしれない
- 体調と照らし合わせてみる
トイレが近いからといってむやみに慌てる必要はありません。いくつか原因や見分け方を紹介しましたが、飼い主さんが愛情を持って普段から見てあげていれば、私たちにはわからないような小さな異常もすぐに見つけられることでしょう。
わんちゃんのために自ら調べるのもいいことですが、わからなくて不安であれば、専門の獣医師さんに任せてしまうのもひとつの手です。
わんちゃんが楽しくあなたと過ごせるよう、時と場合にあった対応ができるといいですね。