先日、犬友達と一緒にドッグランに行き、その帰りに友達が言ったんです。
「ちゃんとシャンプーしてるんだけど、時々臭いが気になるんだよね」
ラテとマロンの臭いはそこまで気にしたことがなかったんですが、少なくともお友達は愛犬の臭いが気になっているようです。とりあえず私が使っているシャンプーを教えておきました。
そう言えば、お友達のわんちゃんはミックスでした。ラテはマルチーズで、マロンはビションフリーゼ。もしかして、犬種によって臭い方が違うとか? 自称愛犬家(笑)の私としては、この疑問、放っておくわけにはいきません。
ということで、今回は「犬の臭いは犬種によって違うのか」そして「臭いの少ない犬種があるのか」などを調べてみました。
今現在、わんちゃんの臭いが気になっている人、自分は気にならないけれど周囲の人のためにわんちゃんの臭いをどうにかしたいと思っている人、臭いの少ない犬種を探している人、ぜひ一緒に考えてみましょう。
犬の臭いの正体は大きく分けて4種類ある

わんちゃんが苦手な人はよく「犬クサイ」という言葉を使いますが、そもそも犬の臭いの正体って何なんでしょうか。まずはそこから探ってみましょう。
わんちゃんの臭いの原因には主に次のようなものがあります。簡単な対処法も載せていますので参考にしてくださいね。
汗の臭い
わんちゃんの全身には「アポクリン汗腺」と呼ばれる脂肪分の多い汗をだすところがあります。この脂肪分の多い汗に細菌が繁殖し、結果として体臭を発する場合があります。
このアポクリン汗腺は人間にもあるのですが、人間の場合ほとんどはわきの下に集中しているそうです。
ということは、わんちゃんは全身からあの「わきの下のニオイ」を発散しているということになりますね。なるほど、それでは臭うのも無理はないですね。納得です。
<対処法>
定期的にシャンプーをすることでかなり対処できます。そしてシャンプー後の消臭スプレーも結構効果的です。
食べ物による口臭
口の中に残った食べかすが原因で、口臭が発生している可能性があります。特にウエットタイプの餌は、食べかすが蓄積しやすいようです。口の中に蓄積した食べかすに菌が繁殖し、それが口臭を発生させるというわけです。
ウエットタイプのフードをドライタイプに変えるという方法もありますが、いきなりご飯は変えることは難しいですよね。
<対処法>
歯垢や歯石は口臭の発生源となります。できれば毎日、少なくとも週に1回の歯磨きが大切です。
なお、人間の歯磨き粉は犬にとって有害なキシリトールがはいっているため、必ず、犬専用の歯磨き粉を使ってあげましょう。
耳からの臭い
臭いの原因が耳からであることは、意外に多いようです。日本は湿気が多いので、特に耳の垂れた犬は蒸れて不潔になりがちです。そのまま不潔にしておくと耳垢が栄養となって菌が増殖し、耳から臭いを発生させます。それが元で外耳炎になることもあります。
<対処法>
そうなる前に、極力清潔に保つよう耳のお掃除をこまめに行なういましょう。
ただし、ゴシゴシこすりすぎるとそこから炎症を起こしてしまうので、くれぐれもご注意を。
目元の臭い
目やになどのお手入れを怠ったり、一般に「涙やけ」と言われる「流涙症(りゅうるいしょう)」を放置しておくと、 目の周りに雑菌が繁殖し、ニオイの原因になる場合があります。
<対処法>
目に入っても安心な抗菌・抗酸化作用のあるケアウォーターなどを利用して、目の周囲を清潔に保ち、臭いとトラブルを防ぎましょう。
臭いは犬種によって違う?

実際、犬の臭いは犬種によって異なるのでしょうか。普段お世話になっている獣医さんに尋ねてみました。








ということで、早速、臭いの少ない犬種について調べてみることにしました。
臭いの少ない犬の特徴
1.短毛
長毛犬の場合には、アポクリン汗腺が長い毛の中にこもって蒸れやすい上、毛の間に汚れや分泌物が溜まって臭いを発しやすい傾向にあります。また、超短毛犬の場合には、皮膚に直接汚れが付着しやすく細菌が繁殖しやすいため、臭いを発しやすい傾向にあります。
その点を踏まえると短毛犬は長毛犬や超短毛犬と比較すると、手入れが楽で清潔に保ちやすいために臭いにくいのです。
2.シングルコート
ダブルコートは、オーバーコート(上の毛)とアンダーコート(下の毛)の二重構造になっています。そのため毛量が多く通気性が悪いので、雑菌が繁殖しやすく臭いを発しやすい傾向にあります。
一重構造のシングルコートはダブルコートに比べて、毛量が少なく通気性が良いので臭いがこもりにくいと言えますね。
3.立ち耳
立ち耳は、垂れ耳と比較すると、通気性が良いため蒸れにくく、外耳炎などの耳の病気にかかりにくいです。また、耳の掃除も楽なのできちんと掃除してあげると、臭いが発生しにくいですね。
4.中頭種または長頭種
ブルドッグのような短頭種は鼻が低くしわが多いために、しわの溝に雑菌が繁殖しやすくそれが臭いのもとになります。また短頭種は暑さに弱く、口を開けていることが多いためによだれがでやすく、それも臭いの原因となっています。
中頭種や長頭種は顔にしわが少ないのでしわの溝に雑菌が繁殖する心配がありません。
臭いの少ないわんちゃんの特徴を挙げましたが、これはあくまでも、他の特徴を持ったわんちゃんと比較した場合です。人間と同じように、わんちゃんにも個体差がありますし、温度や湿度、屋外か屋内か等、飼う環境によっても異なります。
臭いの少ない犬種
臭いの少ない犬種を小型犬、中型犬、大型犬の3種類で分けてみました。
<小型犬>
- イタリアングレーハウンド
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- チワワ
- トイ・プードル
- パピヨン
- ビションフリーゼ
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
<中型犬>
- ウィペット
- バセンジー
- ボーダーコリー
- ミディアム・プードル
<大型犬>
- グレードピレニーズ
- サモエド
- シベリアンハスキー
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・プードル
- ジャイアント・シュナウザー
- ダルメシアン
こうしてみると、小型犬の数が多いようです。小さくて扱いやすいだけでなく、臭いが少ないという点においても、室内飼いを考えている人には小型犬がお薦めかもしれません。もちろんこれは愛犬選びの判断材料の1つにすぎません。






犬の臭いが嫌いな人を家に迎える時の準備

家に来るお客様の中には、「犬が嫌い」特に「犬の臭いが嫌い」という人がいます。そういう人たちにとっては、室内でわんちゃんを飼っているお宅にお邪魔するのはかなり勇気のいることなのだそうです。
「それじゃあ、来なければいいでしょ」というわけにはいきませんよね。大切な相手ならなおさらです。
もちろん、その人の「犬嫌い」や「犬アレルギー」を治してあげることはできません。でも、大切なお客様に気持ちよく過ごしていただくための対策があります。
家の中の準備
家族にとっては平気な臭いでも、わんちゃんの臭いがこもっているかもしれません。お客様のことを考えて、玄関から、廊下、客室やリビングなどのお客様を招き入れる部屋をきれいにして、臭いを追い出してしまいましょう。
<玄関・廊下>
部屋の中は気を使って掃除をしている家庭でも、玄関にはそこまで行き届いていないかもしれません。でも、わんちゃんの臭いは玄関にもこもっています。玄関は家の顔。お客様が最初に足を踏み入れる場所です。きれいにしましょう。
- 玄関の床(タイル)をきれいに掃く、もしくは掃除機をかけましょう。重曹水(ぬるま湯500mlに重曹を小さじ3~5杯を良く溶かしたもの)で水拭きすると完璧です。
- 廊下も玄関同様に、掃除機をかけ、できれば重曹水で水拭きをします。
- ペットにOKの、やさしい香りの消臭剤や芳香剤を置きます。キツイ香りはタブーです。犬の臭覚を麻痺させる可能性もありますし、お客様にもかえって不快な思いをさせる可能性があります。
<リビング・客室>
おそらく室内犬のほとんどが、家のリビングで生活していると思います。愛犬のケージやベット、トイレもあるかもしれません。一番臭いがこもっていそうな場所です。ちょうど良い機会です。普段は忙しくてなかなかできないことを、この際やってしまいましょう。
- トイレサークルやケージ周りをクエン酸水(水500mlにクエン酸小さじ2~2.5杯を良く溶かしたもの)できれいに拭きます。
- カーペットや絨毯に徹底的に掃除機をかけます。
- カーペットや絨毯におしっこの臭いが染みついているような場合には、下記のように、重曹を用いて掃除機をかけると効果的です。
①ていねいに掃除機をかける。
②重曹をまんべんなくカーペットに振りかける。
③ゴム手袋をはめた手で撫でるようにして重曹をカーペットにしみこませる。
④半日放置したのちに、掃除機で重曹ごとていねいに吸い取る。
- フローリングの床をクエン酸水で拭きます。
- ソファーは市販の消臭スプレーか、スチームクリーナーを使って臭いを取ります。(素材によってクリーニング方法が異なるので、購入店に尋ねる方が安心です。)
愛犬の準備
<愛犬の居場所を考えておく>
お客様と前もって話ができるなら、「うちは部屋にわんちゃんがいるんですが、犬と一緒の部屋でも大丈夫ですか」と尋ねておきましょう。その結果で愛犬を同室に置いておくか、同室でもケージの中にいれておくか、別室に置いておくかを判断しましょう。
犬は苦手と言っても「かわいい犬なら見てみたい」と思っている人や「子どものころから犬が怖かったけれど本当は犬と仲良くしたい」と思っている人など、人それぞれです。
ただし、お客様が万が一犬アレルギーの場合には話は別です。ちょっと可哀想ですが、愛犬はお客様の目に触れない場所に居てもらいましょう。もし、別のお部屋がない場合にはその時間だけ知りあいに預かってもらうという方法も考えてみてください。
<愛犬の身だしなみ>
わんちゃんは日ごろからきれいにしていると思いますが、大切なお客様、しかも犬の臭いが苦手なお客様を迎えるということなので、いつも以上にきれいにしてあげましょう。もちろん臭いを残さないように!
上記で紹介したように、シャンプー、耳掃除、お口のケアを完ぺきに行えば、お客様を迎える愛犬の準備はOKです。
どんなに身だしなみを整えて消臭しても、お客様は犬が苦手だということを忘れないようにしましょう。お客様に愛犬と会ってもらう時には、一定の距離を保ち、愛犬がお客様に近づき過ぎることがないように気を付けます。話に夢中になって愛犬から目を離さないようにしてくださいね。
まとめ
わんちゃんがどんなにかわいくても、放っておけない臭いもあるということが分かりました。最後にもう一度、大切なポイントを押さえておきましょう。
- 犬の臭いの原因はさまざま。においの原因に合わせた対処法での正しいケアが必要。
- 臭い方は犬種によって差がある。
- 臭いの少ない犬種は毛の長さや量、耳の形、頭の形などと関係している。
- 正しく準備をすれば、犬の臭いが嫌いな人でも家に招くことができる。
いくら家族の一員とは言え、毎日の犬の世話は大変です。でも、忙しい中でも、まるで我が子のように愛情をかけてわんちゃんに接しているあなた。わんちゃんはきっと、すべてを解かっていますよ。
かわいい愛犬をぎゅっと抱きしめるとき、ほのかにいい香りがしてくると、もう、最高に幸せな気分になりますね!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。