「去勢/避妊手術後、愛犬が太りやすくなってしまった…」
「ドッグフードのパッケージに記載されている量以上はご飯をあげていないのに、体重が増えていく…」
こんなお悩みを最近、愛犬家のお友達から聞くことが増えました。ころころ太ったわんちゃんは、それはそれで可愛いものですが、肥満のリスクは恐ろしいものです。
放っておくと、歩けなくなってしまったり重大な病気を引き起こしかねません。
犬のダイエットの方法についてご紹介したいと思います。
犬のダイエットってどんな方法があるの?
まず基本的なことですが、明らかにその犬種の適正量を越えたご飯の量をあげてしまったり、犬の要求のままにおやつを与えることはやめましょう。
犬は狩りをしていた頃の名残で、食べられるときに出来るだけ食べておくという習性があります。


表示通りの量を与えているのに太ってしまうのはなぜ?
では、適正量をきちんと管理して与えているつもりなのに太ってしまう子がいるのは何故なのでしょうか。
それは、同じ犬種でも栄養吸収率や消化機能、エネルギーの代謝などに個体差があるからです。
ガイドラインに書いてある量を与えていても、その犬の吸収率やエネルギー消費量によっては、与えすぎの可能性があるということです。
本当は怖い犬の肥満
SNSではころころ太ったわんちゃんの歩く姿が可愛い写真や動画がたくさん見られますね。
どんな姿になっても可愛い犬ですが、こんなに太っていて病気の心配はないのでしょうか?
人間と同じく、犬にとっても肥満はあらゆる病気のリスクになります。
①関節炎による足の変形、歩行困難
重い体重が足にかける負担は想像以上のものです。最悪の場合、歩けなくなってしまうこともあります。
②心臓病、その他の内蔵疾患
肥満による高血圧は心臓をはじめとする、多くの内臓の機能に支障を来します。心臓への負担は、心不全という恐ろしい病気となって犬を襲います。
③糖尿病
犬の肥満は近年増加しており、それにともなって糖尿病になってしまう子も増えているそうです。人間と同じく、一度かかれば一生治療を必要とする病気です。
④癌
癌の原因のひとつには肥満があります。特に、犬種としてもともとリスクが高い犬にとっては、その危険を増大させてしまいます。


大切なのは、摂取と消費のカロリーバランス
ダイエットは取り組んでみると難しく感じるかもしれませんが、基本の方法はシンプルです。
それは、摂取カロリーが消費カロリーを上回らないこと。
食事と運動で、カロリーバランスを管理することが大切です。
こまめに体重測定をして、今の食生活や運動量がどのように反映されているかを把握しましょう。
人間と犬の体重には大きな差があります。人にとっての1キロの減少は安全な変化でも、犬にとっては急激な減量となり危険です。
人間基準で体重の増減を考えず、犬の体重に見あったペースで減量を目指しましょう。
犬のダイエットの食事には、野菜がカギ?
今日からダイエット用の食事に切り替えるぞ! と飼い主が張り切っても、犬はそうはいきません。
ダイエットフードや量を減らした食事に満足感を得られず、不満を訴える愛犬との心理戦が始まってしまうでしょう。(そして、飼い主が負けることもしばしばです。)
お腹がふくれて、かつ低カロリーな食事にするには、人間と同じく野菜が活躍してくれます。
犬のダイエットにはキャベツがおすすめ
一口に野菜といっても、栄養価やカロリーは様々です。また、人間が食べられても犬には毒になる野菜もあります。与える際には注意してくださいね。
ダイエットに有効な野菜はいくつかありますが、私が特にお勧めしたいのはキャベツです。食物繊維が豊富で、固く噛みごたえがあり、なおかつ低カロリーなキャベツは、ダイエットに最適な一品です。



食事にトッピングする際には、フードの1割ほどの量が適量です。生野菜を食べなれていない子には、はじめは煮て柔らかくしたものを小さく切って与えてあげてください。
犬のダイエットにはマッサージが効果あるの?
犬とのスキンシップは、絆を深めて一人と一匹の関係を揺るぎ無いものにするために不可欠です。そして、ただ触るだけでなく、マッサージをしてあげると犬はより喜んでくれます。
またマッサージには、犬の代謝を上げて痩せやすい体にするという効果が期待できるということをご存知ですか?
太りやすい体質のわんちゃんは、マッサージで基礎代謝を増やすことで、ダイエットの効率を上げましょう。
今日から始められる、犬の簡単なマッサージの方法
まずはマッサージを施す手を温めましょう。洗面器にお湯をためて、数分間手浴することがおすすめです。


手が温まったら、まずはいつも触っている箇所から犬の体を撫でていきます。犬がリラックスしてきたら、徐々に撫でる範囲を広げ、最後には全身を優しくさすってあげましょう。
血行やリンパの巡りが良くなり、代謝を上げることでカロリー消費のしやすい体への改善が期待できます。
即効性があるものではありませんので、続けることが大切です。温かい手で、毎日のスキンシップにマッサージを是非取り入れてみてください。
犬のダイエットの方法まとめ
犬のダイエットの方法について、ポイントをまとめてみました。
- 同じ犬種でも、適正カロリー量は個体差がある。自分の犬の食事の適量を見極めましょう。
- 食事にはキャベツをそえて、低カロリーでも満足感UP!
- マッサージでリラックス&体質改善
- 体重の急激な増減は危険! ゆっくり少しずつ減量しましょう。
愛犬にいつまでも健やかでいてもらうために、日々の食事と運動&マッサージで適正体重を目指しましょう。