「犬は骨を食べるのが大好き」というイメージってすごく強いですよね。アニメに出てくるわんちゃんはよく骨をくわえているし、わんちゃんと骨が描かれたロゴマークなんかもすごくたくさんあります。
でも、「犬に骨を与えてはいけない。」という話を聞いたことがある人も多いと思います。
私もわんちゃんを飼っている友だちと骨の話になるといろいろな意見があって、結局のところ大丈夫なのか、ダメなのかよくわかりません。
そこで今回は、わんちゃんと骨についていろいろと調べてみました。
「犬が骨を食べる」は、良い? 悪い? 答えは「良い」!
わんちゃんが骨を食べることについて、答えは「良い」です!
犬は大昔から骨を食べていた
わんちゃんの祖先と言われているオオカミは肉食性で、自分たちで狩りをして獲物を食べていました。そのオオカミが人間に飼われるようになり、家畜化され今のわんちゃんの原形になりました。
人と暮らすようになったわんちゃんたちは、徐々に雑食性になったと考えられています。そのなかで、人間が肉から除いた骨をわんちゃんたちに与えていたので、わんちゃんたちは骨を食べるようになったと言われています。
犬は骨を消化できる
わんちゃんの消化器官は、人間よりも短くなっています。しかも、食べ物などを消化する胃酸が強いので、約5時間で骨は完全に消化されてしまいます。
なので、砕けた骨が胃などの内臓を傷つけるという心配はあまりありません。
犬が骨を食べるメリットは?
わんちゃんが骨を食べることにはいくつかのメリットがあります。
栄養補給ができる
わんちゃんが必要なカルシウム量は犬種や個体によって違いはありますが、一般的に人間の14倍の量が必要と言われています。
わんちゃんは人間の数倍のスピードで成長します。その成長の過程でカルシウムは必要になってくるのですが、人間より成長が早い分、多くのカルシウムが必要になってきます。
骨にはこのカルシウムが多く含まれていて、わんちゃんがカルシウムを摂取するのに最適というわけです。
その他にも、骨の種類によってはわんちゃんが必要とするリンや、良質なタンパク質、脂肪も含まれていて、栄養補給にはぴったりです。
- カルシウム
骨の成長や筋肉の形成に重要な役割があります。カルシウムが不足すると骨や関節の疾患を引き起こしますが、過剰に摂りすぎることもよくないため、バランスよく摂取することが大切です。
- タンパク質
タンパク質は身体をつくるための大切な栄養素。たんぱく質が不足すると子犬の成長が遅くなります。タンパク質の過剰摂取は肥満の原因になるので注意が必要です。
- 脂肪
犬が活発に動くためのエネルギー源です。こちらも過剰に摂りすぎると肥満の原因になります。
- リン
骨の強さの維持や身体が正常に機能するための重要な栄養素です。リンの与えすぎは消化不良をおこし、便秘や下痢の原因になります。
歯やあごを丈夫にする
わんちゃんが骨を噛むことは、歯みがきがわりにもなります。
骨を噛むことで歯や歯茎が刺激されたり、唾液がたくさん出ることによって歯石がつきにくくなります。
また、硬いものを噛み続けることはあごや歯がきたえられて丈夫になり、シニア犬になったときにもおいしくエサを食べ続けることができます。
ストレス発散と脳の活性化
わんちゃんは硬いものを噛むことでストレスを発散することができます。
また骨をかじることは脳への刺激にもなり、脳の活性化になることからシニア犬の認知症予防にもつながります。
犬が骨を丸呑み!? 骨を与えるときの注意点
先ほど、わんちゃんが骨を食べることは「良い」と言いましたが、この「良い」はあくまでも条件付きの「良い」なので注意点をしっかり押さえておきましょう。
与える骨の大きさと量に注意!
骨に限ったことではありませんが、わんちゃんのなかにはあまり噛まずに丸呑みしてしまう子がいます。小さい骨を丸呑みしてしまうと、いくら強力な胃酸でも消化しきれず腸につまらせてしまうことがあります。
また、大きめの骨は噛み砕くことができれば問題ないのですが、大きなかたまりのまま飲み込んでしまいのどにつまらせてしまうわんちゃんもいるので大きさにも注意が必要です。
骨は小さすぎず、大きすぎず。難しいかもしれませんが、与える骨はわんちゃんに合ったサイズのものを選びましょう。
また、わんちゃんが喜んでいるからといって、与えすぎにも注意です。与えすぎると消化不良をおこし、下痢の原因にもなります。
鶏の骨は加熱せず生のままで
たまに飼い主さんがフライドチキンなど食べたあとに、骨だからと言ってわんちゃんに残った骨を与えてしまったという話を聞きます。
たしかに、いろいろな動物の骨のなかで、もっとも身近なのが鶏の骨かもしれません。しかし、鶏の骨を与えるには細心の注意が必要なのです。
鶏の骨は加熱すると、わんちゃんが噛んだときに、縦にさけてするどくとがった状態になります。とがった状態の骨は、消化器官を傷つけてしまう可能性があり、とても危険です。
加熱した鶏の骨は与えないようにしましょう。
また、鶏の骨以外の骨も加熱することによって骨のタンパク質が消化に支障をきたし腸にダメージを与えることがあるので注意してください。
硬すぎる骨には要注意
わんちゃんは噛むことが大好きです。しかし硬すぎる骨を食べ続けると、過度に歯をすり減らしてしまったり、噛む力が強すぎたりすると、歯が欠けてしまったり、折れてしまったりすることもあります。
また、いきなり硬い骨を与えてしまうと胃腸が慣れていないため消化が追い付かず下痢などを起こすこともあります。なので、慣れていないわんちゃんは、最初は少しづつ慣らしながら食べさせてください。
犬が骨を飲み込んでしまった! 特に鶏の骨には注意!
わんちゃんが思いがけずに骨を飲み込んでしまい、のどや食道につまってしまった場合はすぐに動物病院に連絡をとり指示にしたがいましょう。
加熱した鶏の骨を食べてしまった場合は、特に注意しなければいけません。愛犬がいつもと変わらない様子であっても必ず動物病院に連絡しましょう。
そのとき、次のようなことを把握しておくといいです。
- 愛犬が食べた骨は加熱した骨か。
- いつごろ鶏の骨を食べてしまったか。
- 鶏の骨を食べたあとに嘔吐や下痢はないか。
動物病院に行く時も、内臓が傷つかないようになるべく体を動かさないようにした方がいいでしょう。
犬が喜ぶ骨のおやつ オススメはこの3つ!
やっぱり国産! 安心の骨のおやつ
素材紀行 子牛リブボーン(ドギーマン)
「ペットフードはドギーマン」でおなじみドギーマンの骨のおやつです。
生後2週間未満の若い子牛のあばら骨を使用していて、ほどよくお肉も付いているのでわんちゃんの食いつきが違います。
もちろん国産なので、飼い主さんも安心ですね。
ゴン太のザクザクポークボーン(サンライズ)
こんがりと焼き上げた骨を細かく砕いてガムの中に詰め込んだこの商品。
骨を細かく砕いてあるので、大きな骨を食べさせるのはちょっと心配というわんちゃんにはとてもぴったりですね。
外側のガムはハードタイプなので噛みごたえもあるし、骨のうま味を味わいながらカルシウムが補給できるすぐれもののおやつです。
こちらの商品は「ポークボーン」の他に「チキンボーン」や「お魚ボーン」などもあります。わんちゃんの好みに合うものを選んであげましょう。
犬に魚は危険! だけど、安全な鮭の骨のおやつがある
わんちゃんに魚を与えることは、とても危険です。
与える魚の骨をすべて取り除くことができれば問題ないのですが、残ってしまった魚の骨がわんちゃんに大きなダメージを与える可能性があるからです。
わんちゃんの歯は切り裂くことは得意ですが、すりつぶすことは苦手です。なので、魚の骨のように細い骨は、すりつぶすことができず、そのまま飲み込んでしまう可能性が高いのです。
魚の骨をそのまま飲み込んでしまうとのどや食道、胃などに刺さってしまい内臓などを傷つけてしまうのです。
そんな危険な魚の骨ですが、わんちゃんに安全なよう処理されているおやつがあるんです。
秋鮭なか骨
引用:楽天
愛犬の骨にひびが! 犬の骨を丈夫にする「骨」の役割
わんちゃんのけがのなかで、一般的なのが骨折です。特に、子犬や小型犬、超小型犬の骨折は多く、中型犬、大型犬のなかでも足が細く華奢な体格の犬種に多くみられます。
わんちゃんの骨折は飼い主さんもつらい
わんちゃんが骨折した場合、一般的な治療は外科手術です。骨折した痛みはもちろん、術後も数日は痛みが続きます。
痛みがおさまっても、骨がくっつくまでは1~4か月ほどかかります。その間は、患部にギブスをし、エリザベスカラーをつけてケージで安静にさせる必要があります。
痛みはおさまっているので外に出て遊びたいと泣き続けるわんちゃんや、一生懸命ギブスを取ろうとするわんちゃんもいます。
しかし、飼い主さんはそんなわんちゃんを見守るしかなく、その状況に耐え切れず入院という方法を取る飼い主さんもいるそうです。
犬の骨を丈夫にする栄養素が「骨」にはある!
わんちゃんの骨折を予防するひとつの方法として、骨を丈夫にするということがあります。
わんちゃんの骨を丈夫にするためにおすすめの栄養素は次の5つです。
- カルシウム
- リン
- グルコサミン
- コンドロイチン
- マグネシウム
先ほども紹介しましたが、わんちゃんが骨を食べるときに摂れる栄養素のなかにはカルシウムとリンがあります。
骨にはカルシウムとリンがバランスよく含まれているので、飼い主さんの強い味方になってくれるかもしれません。
まとめ
今回はわんちゃんと骨について紹介しました。
- 犬に骨を与えるのは「良い」? 「悪い」? 答えは「良い」
- 犬が骨を食べるメリット
- 骨を与えるときの注意点
- 犬がよろこぶ骨のおやつ
- 犬の骨を丈夫にする「骨」の役割
わんちゃんに骨を与えることは大丈夫ですが、その際は今回紹介した注意点をよく守ってもらうのはもちろん、飼い主さんがしっかりと観察しながら与えることが大事です。決して、お留守番のわんちゃんには与えないでくださいね。
実際に大きなままの骨を飲み込んでしまい、動物病院のお世話になったわんちゃんもいたそうです。
しっかりと飼い主さんが判断をし、少しでも不安があるようでしたら獣医さんに相談してみるのもいいかもしれません。